平成29年1月23日の記者会見(平成29年度当初予算)

お集まりいただきましてありがとうございます。平成29年度当初予算の編成が終了いたしましたので、提案に先立ち、概要を皆さんにご報告いたします。
さて、国においては、一億総活躍社会の実現や経済再生を始めとする2017年度予算案が国会で審議入りいたしました。その一般会計総額は過去最高の97兆4547億円とするもので、地方創生関連予算では、国と地方が一丸となって取り組んでいくことで、成長と分配の好循環を確立するとしております。
また、国内景気動向は緩やかな回復基調が続いており、市内景気においてもその兆しが見え始めています。この足どりを確かなものとするため、市といたしましても、国の動きに的確に対応しながら、市独自の施策も反映させ、地域経済の活性化に取り組んでまいります。
このような中、平成29年度当初予算は、「第6次鹿角市総合計画後期基本計画」の2年目として、将来都市像「笑顔がつながり活力を生むまち・鹿角」の実現に向け、重点プロジェクトをはじめとする鹿角を元気にする施策・事業を着実に推進するための予算としました。 加えて、私が4年前に公約に掲げました「3つの元気と7つの戦略」につきましても、概ね予定どおりに事業化し、目標を達成することができました。6月には私の3期目の任期が満了いたしますが、21日には、来る市長選に出馬を表明させていただきました。
市長選を控えていますが、予算編成にあたっては、市民福祉の向上はもとより、これまでに手掛けてまいりました重点プロジェクトの取組を着実に実現し、定住人口の拡大と地域活性化に向け、各種施策についてスピード感を持って着実に推進するとともに、市民の笑顔にあふれ、元気と活力ある鹿角市を目指して先頭に立って取り組み、地域経済の浮揚対策に切れ目が生じぬよう、29年度当初予算は通常予算といたしました。 加えて、当初予算と同時に提案いたします28年度補正予算においても、国の補正予算とも連動した事業の前倒しを予定しており、当初予算と一体的に切れ目のない地域経済の活性化、雇用創出などの施策を推進してまいります。
当初予算の内容
それでは、当初予算の内容について、お配りした資料1に基づき、ご説明いたします。
資料の1ページでは、特別会計を含む予算規模を整理したものでございますが、一般会計の予算規模は、176億1530万3千円で、前年度に比べ11億7988万3千円、7.2%の増となりました。 大湯温泉地区観光拠点施設整備事業や学校給食施設等整備事業の建設工事費が増加の主な要因となっております。
特別会計
特別会計では、5つの会計を合わせて約103億円で、前年度に比べ約500万円、0.1%の減となりました。
簡易水道事業と大湯財産区の2つの特別会計は、28年度をもって廃止し、それぞれの事業は、上水道事業会計、一般会計に統合します。
国民健康保険事業特別会計においては、医療の高度化により、一人あたりの給付費は増加傾向にあるものの、被保険者の減少により給付費が減少しているほか、給付実績により拠出金が算定される保険財政共同安定化事業の拠出金が減少することなどから、前年度に比べ約6300万円の減となっております。
介護保険事業特別会計においては、保険事業勘定の保険給付費を国の施策に対応した介護職員の処遇改善(介護報酬の臨時改定分)を見込んだほか、新規施設分と実績見込みなどから算定しました。また、新たに取り組むシルバーリハビリ体操など介護予防・日常生活支援総合事業の充実を図ったことで、前年度に比べ約3億6000万円の増となっております。
下水道事業特別会計においては、引き続き計画区域の管渠整備工事を進めることから、前年度に比べ約800万円の増となっております。
農業集落排水事業特別会計においては、3地区の管理経費を計上しており、前年度に比べ約400万円の増となっております。
上水道事業会計においては、収益的支出においては前年度に比べ約2600万円の増、資本的支出では湯瀬簡易水道統合整備と八幡平小豆沢地区配水管拡張工事等により、前年度に比べ約1億4500万円の増となっております。
一般会計歳入
次に、2ページは一般会計歳入予算であります。
1款の市税ですが、前年度と比較して約5800万円の増を見込んでおります。市民税個人において、景気の緩やかな回復基調から市民所得の増を見込み、前年度比3.9%の増、また、法人分では法人税割の税率改正の影響(14.7%⇒12.1%)を見込み10.8%の減、固定資産税においては、住宅着工や企業の設備投資の増加を見込み2.6%の増、軽自動車税は、税制改正の影響を見込み、10.8%の増で見込んでおり、市税全体では、約29億5000万円、2.0%増を計上しています。
9款の地方交付税につきましては、国の平成29年度地方財政収支見通しを参考にしたほか、市税収入見込みや今年度の交付実績などを勘案し、普通交付税が57億7370万円、特別交付税を7億円、合わせて約64億7400万円と見込んでおります。
13款の国庫支出金は、地方創生推進交付金、学校施設環境改善交付金のほか、道路橋りょう整備や鹿角花輪駅前整備、公営住宅建設などの補助対象事業の実施に伴う社会資本整備総合交付金等の計上により、約17億5900万円としております。
14款の県支出金は、農地集積協力金事業費補助金や多面的機能支払交付金、林道改良事業費補助金等の計上などにより約11億3800万円としております。
17款の繰入金は、約13億8400万円を計上しており、大湯温泉地区観光拠点施設整備事業、産業団地整備事業、東北自動車道緊急流入路整備事業、学校給食施設等整備事業の実施に伴い、充当財源としてまちづくり基金と教育施設整備基金から繰入しております。 また、財政調整基金については、一般財源の収入見込みと第6次総合計画後期基本計画登載事業の実施や平成28年度末見込みの基金残高などを総合的に勘案し、繰入額を6億6000万円としております。
20款の市債は、計画に登載したハード整備を進めるため、18億8190万円を計上しておりますが、うち臨時財政対策債については、前年度と比較し、5.5%減の5億2800万円を見込んでおります。
一般会計歳出
次に3ページには、一般会計の歳出を目的別に表しておりますが、 総務費は、移住・定住促進事業、ふるさと鹿角応援寄附推進事業の拡充を図るほか、東北自動車道緊急流入路整備事業と、新たに未開通区域の光通信網整備支援事業に取り組むことなどから、約2億1200万円の増となりました。
民生費は、臨時福祉給付金給付事業の終了などにより、約8500万円の減、農林水産業費では、花輪大堰改修事業、林道改良事業などにより、約7700万円の増となりました。
商工費は、大湯温泉地区観光拠点施設整備事業において建築工事、産業団地整備事業において土地購入を行うことなどにより、約4億9100万円の増となっております。
土木費は、交通安全施設整備事業において、街灯LED化を継続するほか、鹿角花輪駅前整備事業では、実施設計と土地購入、公営住宅建設事業において、土地購入を行うことなどより、約2億7100万円の増となりました。
教育費は、学校給食施設等整備事業において、用地造成と建設工事により、約3億7200万円の増となりました。
公債費は、建設事業等の元金償還が進んだことにより、約2700万円の減となっております。
1 産業力強化プロジェクト
次に、歳出に関する部分については、資料2の「後期基本計画重点プロジェクト」の一覧により、1ページから主なものを説明いたします。産業力強化プロジェクトですが、主要産業である農業や製造業、観光業などについて、重点化した支援に取り組みます。
農業では、6次産業化を推進するため、ネットワークを活用しながらアグリビジネスの支援を行うとともに、農業経営のサポート体制の強化を図ります。 本市の特産農産物である「北限の桃」は、果樹農家の支援体制づくりに向けた研修会などを実施し、「淡雪こまち」は、生産拡大・品質の向上に向けた支援を継続します。 また、高値で取り引きされている「かづの牛」は、増頭を図るため、繁殖雌牛の購入支援を拡充するほか、水稲作物のコスト削減を図るため、直播栽培の機械導入に対して支援を行います。 加えて、こだわり作物の栽培を行う団体の育成を図るほか、資格取得等の支援を行います。
また、産業の発展に寄与するため、情報通信基盤の整備が進んでいない十和田地区において、新たに光通信網の整備支援に取り組みます。
次のページをお願いします。
観光業においては、大湯地区の「湯の駅」は、30年度のオープンを目指して、建設工事に着手いたします。著名な建築家である隈研吾氏の設計であることから、地域の象徴ともいうべき、すばらしい建物になることを期待しております。 また、民間旅行会社に委託し、かづの観光の魅力を全国に発信する取組や、外国人観光客の誘客に向けたモニターツアーなどを行いながら、様々な誘客活動を進めるとともに、観光産業の確立に向けた取組を一層加速化させるため、プラットフォームとなる団体の充実を図り、観光力の強化に取り組みます。 鹿角マルシェの実現に向けた体制の充実を図るとともに、拠点となる鹿角観光ふるさと館の改修に向けた基本計画を策定いたします。
企業誘致と雇用の創出については、積極的な情報収集と誘致活動を図るほか、企業の本市への進出や移転を促進するため、新たに十和田インターチェンジ付近の土地を購入し、産業団地を整備いたします。 順調なスタートを切った「まちなかオフィス」において、さらなるインキュベーション機能の向上と市内産業間の連携を図るため、コーディネーターを継続して配置するほか、女性のテレワーク支援や産業界をリードする人材の育成を目指す産業活力塾の開催など、能力向上につながる研修を通して、企業にとって必要不可欠な人材を育成するだけでなく、商工会等の関係機関と連携して、若者などの起業・創業を支援してまいります。
次のページをお願いします。
2 移住・交流推進プロジェクト
次の移住・交流推進プロジェクトでは、これまで47人が本市に移住されるなど着実な成果が上がっておりますが、新年度ではさらに移住促進体制の充実を図り、効果的な移住情報の発信や首都圏からの移住体験のほか、働く女性をターゲットにしたツアーや出会いツアーの開催により、本市が移住先に選ばれるよう、定住に向けたサポートを充実させ、さらなる移住者の増加につなげてまいります。 また、連携協定を締結した葛飾区とのサッカーを通じた交流を進めるほか、スキーと駅伝のまちづくりによる全国中学校スキー大会や全国健康福祉祭交流大会などを開催し、都市住民等との交流機会を拡大します。
3 角ぐむ「鹿角」ブランド確立プロジェクト
角ぐむ「鹿角」ブランド確立プロジェクトでは、ふるさと鹿角応援寄附制度により、ふるさと納税の趣旨を踏まえつつ、本市の特産品が全国の皆様に選ばれるよう魅力ある特産品の拡充を行い、鹿角ブランドの認知度向上を図ってまいります。 また、鹿角ブランドを確立するため、シティプロモーション認定事業により、本市のブランド力を高める市民の取組を支援するほか、市の持つ魅力を効果的に発信する「高校生広報室」を設置いたします。
4 子どもの笑顔きらめきプロジェクト
子どもの笑顔きらめきプロジェクトでは、県内でもトップレベルの切れ目のない子育て支援を実施しており、県内一「子育てしやすいまち」を自負しております。
昨年度からスタートしたファーストベビー祝い金や市独自の保育料軽減に加え、第2子以降の保育料の無料化、放課後児童クラブの開所時間の延長と障害児の受入体制の整備、子どもの福祉医療給付費の拡充など、多様な保育ニーズに対応し、充実した子育て支援を実施しております。
新年度では、これら支援策の継続に加えて、若者世代向けの結婚・子育て支援制度の拡充を図るとともに、子育て中の方をはじめ、誰もが24時間気軽に電話相談することができるテレフォン病院24事業を進めてまいります。また、保育士の処遇改善にも積極的に取り組み、今後においても更に安心して子育てをしていただける環境づくりの充実を図ってまいります。
次のページをお願いします。
5 みらい輝く人づくりプロジェクト
みらい輝く人づくりプロジェクトでは、ふるさとへの愛着と夢や目標を持った「人財」の育成を図っておりますが、去る17日に、本市の特色ある学習活動である「ふるさと・キャリア教育推進事業」が文部科学大臣表彰を受けたところであり、今後も次世代を担う児童生徒の能力や個性を伸ばす取組を進めてまいります。 また、施設の統廃合により新設する学校給食センターは、29年度は、用地整備工事の後に施設整備工事に着手いたします。整備は30年度までの2か年で実施し、31年度に開設を予定しています。
次のページをお願いします。
6 まちなか賑わい創出プロジェクト
まちなか賑わい創出プロジェクトでは、コモッセとの連携により賑わいの創出を図るほか、まちなかの観光資源として、改修を進めている旧鹿角郡公会堂は、10月の開館を目指して外構工事に取り組むほか、交通利便性の向上を目指す鹿角花輪駅前整備事業においては、29年度では実施設計と土地購入などを行い、32年度の完成を目指して計画的に進めてまいります。 また、総合的な空き家対策に取り組むため、協議会を設置するとともに、空き家対策計画の策定に取り組みます。 中心市街地への交通アクセスや市街地間の交通アクセスの向上を図るため、マイクロバスを購入し、バス路線等の公共交通の維持・確保を図ってまいります。
7 地域コミュニティ活力再生プロジェクト
地域コミュニティ活力再生プロジェクトでは、地域住民が主体性を持って地域コミュニティの課題解決に向けた活動に取り組めるよう、支援を継続してまいります。
新たに小規模な自治会等の地域支援活動に取り組むため、集落支援員を配置し、集落点検を行うほか、自治会の自主的な活動を支援してまいります。また、自治会館建設事業補助金に、改修費に対応する支援区分を追加します。
次のページをお願いします。
8 健康生き生き長寿社会プロジェクト
最後に、健康生き生き長寿社会プロジェクトでは、高齢者の社会参加や交流活動が促進される取組や、地域生き活きサロンの立ち上げ支援を継続するほか、介護支援ボランティア活動などにより、高齢者が健康で生き生きと生活できる取組を進めます。
介護予防に重点をおいた取組では、介護保険事業において、新たに住民が主体的に介護予防に取り組む「シルバーリハビリ体操」を指導し、市民に普及するための指導士を養成いたします。 また、認知症高齢者の見守り体制の充実を図るため、ケアパスの発行のほか、認知症の方と家族の相談支援を行う「認知症カフェ」の開設に対する支援を実施し、地域全体で支援を必要とする高齢者を支え合う体制を構築してまいります。
以上が、8つの重点プロジェクトに沿った主な事業であります。
次のページをお願いします。
ふるさと鹿角応援基金事業
次に、ふるさと鹿角応援基金を財源とする事業でありますが、基金条例に定める事業区分で取りまとめております。 ご覧の20事業に7500万円の基金を充当いたしました。 ご寄附をして頂きました方には心から感謝を申し上げます。事業の実施にあたっては、ご寄附をしていただいた方々の本市に対する思いを具現化できるように努め、今後とも魅力あふれるふるさとづくりを推進してまいります。
なお、資料3・4については、2月補正及び当初予算の主要な事業を掲載しておりますので、ご覧いただきたいと思います。以上です。
関連ファイルのダウンロード
(資料1)当初予算の概要 (PDFファイル: 60.5KB)
(資料2)重点プロジェクト (PDFファイル: 225.5KB)
更新日:2024年02月01日