令和3年7月12日の記者会見

更新日:2024年02月01日

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7月12日市長定例記者会見

大湯環状列石JOMON体感促進事業のスタートについて

本日は、大湯環状列石JOMON体感促進事業のスタートについて、ご報告いたします。

皆様ご存じのとおり、大湯環状列石が「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界文化遺産に登録勧告を受けており、今月末の登録が期待されているところであります。

本市は、これまで大日堂舞楽や花輪ばやし、世界文化遺産候補の大湯環状列石など、豊かな歴史文化遺産を生かした「ヘリテージ・ツーリズム」を推進してきたところであり、第7次総合計画でも「世界遺産のまち」を掲げております。

そして、このたび、大湯環状列石の世界遺産登録が近づく中、大湯環状列石を観光資源として活用し、さまざまな体験プログラムを造成することで、文化財保護と地域活性化の好循環をつくりたいと考え、文化庁の「Living History促進事業」に申請していたところ、6月4日付で採択を受け、準備を進めてまいりました。

お配りした資料にありますとおり、この事業では、大湯環状列石の魅力をより深く、よりリアルに伝える体験プログラムを造成し、観光客の誘致につなげることを目指し、3つのプログラムの造成を進めてまいります。1つ目は、食のプログラムとして、土器レプリカを制作するとともに、縄文の食材やメニュー、調理方法などを検証し、その器で豊かな食文化を体感するプログラムを造成します。2つ目には、まつりプログラムとして、装身具や祭具を復元し、祈りや自然への感謝などの縄文の祭祀を体感できるプログラムを造成します。また、3つ目には、縄文の暮らしを再現するプログラムとして、縄文のランドスケープをARやVRによって再現し、自然や狩猟などの様子を通じて豊かな縄文文化を体験できるプログラムの造成を予定しております。

これらの取り組みにあたって、造成した体験プログラムを、着地型旅行商品のメニューに加え、誘客を促進していくため、行政機関、経済団体、観光・宿泊事業者、歴史・文化財関係者、交通事業者で「推進協議会」を立ち上げるとともに、体験プログラムについて、歴史的な背景に基づいた検証をしていくため、考古学の専門家などによる検討委員会を設置いたします。

このたび、検討委員会の委員8人の人選が終了しましたので、ご報告いたしますと、考古学の分野では、国内の縄文研究の権威である國學院大學名誉教授の小林達雄氏、東北の考古学の第一人者である盛岡大学名誉教授の熊谷常正氏、秋田県の考古学をけん引してきた富樫泰時氏ら5人にお願いいたします。さらに、体験プログラムを地域の活性化に生かしていく観点から、地域振興策の研究者として名高い日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏に委員をお願いするとともに、体験メニューに映像技術を取り入れることも踏まえ、考古学の研究者であるとともに俳優でもある苅谷俊介氏からも助言を求めることとしております。

ご多忙の中、いずれの方からも、事業の趣旨にご賛同の上、委員就任をご快諾いただき、明日、第1回目の検討委員会を開催することとなりました。

裏面に事業イメージを記載しておりますが、今後、委員の意見を踏まえながら、単に、縄文の豊かな食文化や精神文化を体感できるプログラムをつくるだけでなく、人間本来の生き方と地球にやさしい自然素材で1万年もの長きにわたって生活を維持した「縄文力」への理解を深め、真の「里山の暮らし」と新たな「縄文産業」の創出という、鹿角の未来につながる取り組みに発展させてまいりたいと考えております。

なお、文化庁との協議の中で、単年度での補助金受入れの方向となったことから、当初3年間としていた計画を繰り上げ、来る9月議会に追加の予算を計上して進めたいと考えております。

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