令和元年第5回鹿角市議会定例会(行政報告)

更新日:2024年02月01日

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令和元年8月30日報告

令和元年第5回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 

はじめに総務関係についてでありますが、

地域間交流の推進につきましては、県外大学等調査研究活動奨励補助金を活用し、武蔵野大学と筑波大学の学生が本市を訪れ、滞在型調査研究活動を行っております。

武蔵野大学は、去る8月8日から9月6日までの日程で、10人が商店街の活性化と地域DMOをテーマに活動を実践しているほか、筑波大学は、去る17日から25日までの間に計15人が、資源を生かした地域づくりをテーマに調査研究いたしました。

この活動を機に学生個々から本市のファンになっていただくとともに、首都圏等に暮らす若者の視点から本市の新たな魅力が引き出され、情報発信されることを期待しておりますが、今後も調査研究活動の受入れを通じて各大学との関係を深めながら、さらなる交流機会の拡大につなげてまいります。

鹿角ブランドの推進につきましては、今年度の「かづの高校生広報室」は、市内の5人の高校生がメンバーとなり、第3期目となる活動をスタートさせております。それぞれの鹿角に対する深い愛着と、高校生ならではの感性を生かした情報発信力に、大いに期待しておりますので、メディアやSNSなどを通じて若い世代の関心を集められるよう、活動をサポートしてまいります。

ふるさと鹿角応援寄附につきましては、7月末現在、寄附件数は2,175件、金額では2,978万9,000円となっており、前年同期と比較し、241%増と大幅に増加している状況にあります。これは、従来から利用しているポータルサイト「ふるさとチョイス」に加え、新たに「楽天」サイトの利用を開始し、それぞれのサイトが持つ機能を効果的に活用するとともに、返礼品の取扱いを市内事業者に委託したことで、返礼品となる特産品の特徴や生産者の想いなどもアピールできたことが、本市の魅力向上と寄附の増加につながったものと分析しております。

なお、7月25日からは、市内での買い物や食事、宿泊などに利用できる電子ポイントを「電子感謝券」として返礼品に加えたところであり、引き続き、委託事業者との連携を密にし、返礼品の掘り起こしや磨き上げを行うとともに、自然や伝統文化など本市の魅力を知っていただき、より多くの方々から応援していただけるよう取組みを進めてまいります。

国際交流の推進につきましては、去る17日から21日まで、姉妹都市であるハンガリーのショプロン市を訪問してまいりました。ヨーロッパの東西冷戦の終結のきっかけとなった、汎ヨーロッパ・ピクニック計画から30周年の節目を迎えたことをお祝い申し上げますとともに、来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせた訪問団の受入れについて協議してまいりました。

来年度は、訪問団の受入れを、ホストタウンプログラムの一部として位置付けており、訪問団と一緒に、パブリックビューイングやステージイベントを楽しみたいと考えております。

ホストタウンの推進につきましては、去る7月26日、オリンピックを契機とした本市のPRやレガシーの創出による地域の活性化を図るため、みちのくコカ・コーラボトリング株式会社と「ホストタウンプログラムの推進に関する協定」を締結いたしました。これにより、同社が新たに公共施設に設置した自動販売機のラッピングを通じて、本市が会場となる聖火リレーのPRを行うほか、売上の一部を寄附金として、ホストタウンプログラムの費用に充てさせていただくこととしております。

東京で開催される歴史的な行事を、ここ鹿角でも身近に感じ、市民の記憶に残るものにしてまいりたいと考えており、来月にも、関係団体によるホストタウンプログラム推進協議会を設立し、地域を挙げて同プログラムを効果的に推進する体制づくりを進めてまいります。

移住の促進につきましては、移住プログラムを活用した移住者数は、取組みを開始した平成27年度からこれまでに119世帯199人となり、40代までの比較的若い世代が約8割を占めております。

今年度は、東北地区では初の試みとして、株式会社エフエム東京との共同事業を展開しており、7月には、同社TOKYO FMのラジオ番組内で本市の魅力を紹介するとともに、9月に開催する「仕事見学ツアー」への参加を呼びかけております。引き続き、メディアを活用した積極的な情報発信や、NPO法人と連携したサポート体制の充実を図りながら、きめ細やかな移住促進策を進めてまいります。

防災体制の充実につきましては、去る7月26日に、一般社団法人秋田県解体工事業協会と「災害時における応援協力に関する協定」を締結いたしました。これにより、特に大規模災害が発生し、応急復旧に対応できる業者が不足する場合には、同協会から協力事業者の確保のほか、建設機械の提供や技術員の派遣協力を直接受けることが可能となりました。今後も、市民生活の安全確保に向けた体制を整え、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

市税徴収を怠る行為による損害賠償義務付け等請求上告事件につきましては、去る8月27日、最高裁判所第三小法廷において、上告棄却の決定がなされ、本市の主張が認められた仙台高等裁判所秋田支部での判決が確定いたしました。

市民の皆様には、大変なご心配をおかけいたしましたし、不適切な事務取扱いがあったことは事実でありますので、職員には、今一度、気を引き締めて職務に精励するよう促すとともに、引き続き、市民の皆様の信頼に適うよう、適正な事務の執行に努めてまいります。

次に、民生関係についてでありますが、

公共交通の確保につきましては、八幡平地区における公共交通空白・不便地域の解消に向け、来る9月6日から3カ月間、予約型乗合タクシーの実証運行を実施いたします。

今後は、この運行の実績と効果を分析・検証し、地域のニーズに即した移動手段の確保に努めてまいります。

子育て支援につきましては、今年10月から、3歳から5歳までの全ての子どもと、住民税非課税世帯の2歳以下の子どもの保育料が無償化になることを受け、本市では、これまで助成を行ってきた第2子以降の2歳以下の子どもに加え、第1子の保育料無償化を行います。

なお、国の制度変更では、これまで保育料に含まれていた3歳から5歳までの副食費が無償化の対象とならないことから、本市では保護者の負担を増加させないよう、これまでのすこやか子育て支援事業による保育料助成に加えて、副食費も対象とすることとし、関係予算を本定例会に提出いたしております。

 

次に、農業関係についてでありますが、

水稲につきましては、草丈はやや短いものの、例年並みの出穂期を迎え、順調に生育していることから、今後も天候を注視しながら、病害虫防除の確実な実施と適期刈取りによる品質確保を周知してまいります。

果樹につきましては、桃は8月中旬に始まった「あかつき」から、主力品種の「川中島白桃」の収穫・出荷が始まりますが、開花時期の低温により、着果数がやや少ない傾向にあるものの、果実は順調に肥大しております。来週には、私自ら、首都圏市場でセールスを行うこととしており、「かづの北限の桃」のおいしさを市場関係者などに強くPRしてまいります。

野菜や花きにつきましては、全国的な天候不順で野菜類が品薄傾向となったことから、枝豆やキュウリなど、全般に高値で推移しております。また、今年度から新たなブランド産品に位置付けたシンテッポウユリについては、春の低温で生育がやや遅れたものの、市場予約分の収量は確保できる見込みでありますので、今後、秋彼岸の需要に向け、安定した品質を維持できるよう、関係機関と連携してブランドの確立を図ってまいります。

有害鳥獣駆除につきましては、今年のクマの目撃と食害等による通報件数は、8月27日時点で92件と、ほぼ平年並みとなっております。今年も、十和田高原地区や八幡平地区の国道341号沿いにおいて入山禁止措置を実施したほか、市民向け講習会や集落座談会を開催しながら、自己防衛策の周知や注意喚起を行ってまいりましたが、今後は、収穫期を迎える果樹を中心とした農作物被害が懸念されるため、引き続き、関係機関と連携して被害防止に努めてまいります。

 

次に、観光関係についてでありますが、

今年の主な夏祭りの入り込み数につきましては、「花輪ばやし」については昨年より約4%減少の22万人となり、両日ともに平日開催であったものの、1日目の桟敷席は満席となり、これまで首都圏や仙台などで継続的に行ってきた各イベントでのPR効果によるものと捉えております。

「毛馬内盆踊り」については、2日目と3日目が不安定な天候ではありましたが、一般の踊り手のほか、地元の中・高校生や保育園児の参加も見られるなど、入り込み数は1万8千人となりました。そのほか、全国民俗芸能「風流(ふりゅう)」保存・振興連合会に参画するなど、ユネスコ無形文化遺産の登録を目指す動きも活発化しており、地元の盛り上がりとともに、今後の活動に期待しているところであります。

かづのプレミアムツアーにつきましては、祭り期間中に実施した黄金プランには、定員を上回る45人の参加があり、花輪ばやしや毛馬内盆踊りを桟敷席から観覧いただいたほか、史跡尾去沢鉱山や大湯環状列石、大日霊貴神社においても、普段は行われない体験イベントやガイドを実施しております。また、宿泊先などでは、本市ブランド推進のコンセプトカラーである黄金色(おうごんしょく)にちなんだメニューを演出し、鹿角の魅力あふれるコンテンツを体感いただきました。

今後も、大手旅行ウェブサイトとの連携や、インスタグラム写真投稿キャンペーンにより、効果的な情報発信を継続しながら、誘客拡大に向けた事業を積極的に展開してまいります。

外国人観光客の誘客につきましては、インバウンドの入り込みは、8月末時点で昨年同期の約6倍に増加しておりますが、国別では台湾が8割以上を占め、次いで韓国、タイとなっております。さらに、9月から来年1月までに、市の外国人観光客誘客促進事業を活用して、約1,300人の入り込みが予定されており、これまでの現地でのプロモーション活動に加え、ファムツアーや旅行博覧会への参加のほか、DMOによる積極的なPR活動の成果であると捉えております。

今後も、鹿角の四季折々の魅力と、通年誘客が可能な観光地であることを強調しながら、外国人観光客の誘客につなげてまいります。

 

次に、商工関係についてでありますが、

10月からの消費税率引上げへの対応につきましては、家計への影響緩和と、地域消費を下支えするため、今年度の住民税が非課税の方及び3歳未満の子どもがいる子育て世帯の方を対象に、プレミアム付商品券を販売いたします。この商品券は、1セット額面5,000円分を4,000円で購入でき、1人あたり5セットまで購入可能となっております。購入の際には引換券が必要であり、特に、住民税非課税の方は事前申請が必要となることから、対象となる可能性がある方には既に通知を発送いたしております。申請をいただいた方には、9月中旬から引換券を発送することとしており、多くの対象者に購入していただけるよう、購入方法や使用できる店舗などについて、広く周知してまいります。

新エネルギーの利活用推進につきましては、去る7月10日、県内初の自治体出資による小売電気事業会社である、「株式会社かづのパワー」の創立総会を開催いたしました。同社の設立にあたっては、市内金融機関や製造業者等19社からの出資のほか、三菱マテリアル永田水力発電所からの電源供給など、本市が長年にわたり検討を進めてきた「電力の地産地消による地域活性化」の具現化に向け、大きく前進いたしました。今後は、来年4月の供給開始に向け、ライセンスの申請や料金メニューの検討などを進めるととともに、市民の理解と協力を得ながら、再生可能エネルギーを活用した産業振興を進めてまいります。

若者の就業支援につきましては、ハローワーク鹿角管内における来年3月の新規高校卒業者に対する求人は、6月末時点で80事業所、233人と、昨年同期と比較し2事業所、18人が増加したものの、就職希望者数は72人、うち県内希望者が43人と、昨年同期から、それぞれ15人、10人の減となっております。

このような厳しい状況を踏まえ、これまでの情報交換会に加え、去る7月30日には、「鹿角地域内高等学校進路指導担当者、関係団体等による職場見学会」を開催し、管内3高校の担当者に、企業の見学や代表者との意見交換を通じて地元企業への理解を深めていただきました。今後も、関係機関と連携しながら、地元就業に向けた若者の意識醸成と、地域の人手不足の解消に向けた取組みを進めてまいります。

 

次に、建設関係についてでありますが、

鹿角花輪駅前整備事業につきましては、予定していた用地取得を全て完了し、駅前広場整備工事の入札手続きを進めてまいりましたが、去る8月22日に工事請負に係る仮契約を締結し、関連議案を本定例会に提出いたしております。

交通規制や駐車スペースの使用制限を行いながらの施工となることから、利用者の皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、関係機関と連絡を密にし、安全を最優先に遅滞なく工事を進めてまいります。

 

次に、教育関係についてでありますが、

大湯環状列石を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録につきましては、去る7月30日に文化庁の文化審議会において、昨年に続き、世界文化遺産推薦候補に選定されました。今年度は、確実に国内推薦を受けられるよう、関係自治体とより一層の連携を図りながら、2021年の登録実現に向けて取組みを進めてまいります。

令和元年度鹿角市成人式につきましては、去る8月16日に文化の杜交流館コモッセを会場に、対象者304人のうち233人の出席のもと開催いたしました。本市の成人式は、新成人が自ら作り上げる式典として定着しており、今年度も実行委員会が組織され、事前準備から当日の進行まで、新成人が主体となって行い、特に記念行事では、「わたしが住みたいまち 鹿角」と題した「二十歳(はたち)の主張」の発表が行われ、趣向を凝らした企画と実行力に、鹿角の未来を担う若者の頼もしさが感じられました。

スポーツ振興につきましては、7月27日開催の「浅利純子杯争奪第13回鹿角駅伝」では、青森・岩手からの参加を含む53チームにより熱戦が展開されました。中学校男子の部において、花輪第一中学校が3年ぶり7回目の優勝を飾るなど、地元小・中学校の活躍により、会場となった花輪商店街は大きな盛り上がりを見せました。

8月7日開催の「第72回十和田八幡平駅伝競走全国大会」では、男女合わせて23チームが真夏の鹿角でタスキをつなぎました。男子の部では、小森コーポレーションが2連覇を達成し、女子の部では、東北福祉大学Aチームが初優勝を飾っております。また、昨年に引き続き、地元出身の松宮祐行選手が出場し、市民に元気を与えるレースを見せてくれました。真夏に開催される両大会の魅力をPRしながら参加を呼びかけ、スポーツによる交流人口のさらなる拡大を図ってまいります。

 

次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、

今回の一般会計補正予算は、ふるさと鹿角応援寄附返礼品等購入費の追加、基金積立金の追加、社会福祉施設等整備支援事業補助金の追加、福士川改修関連市道整備事業負担金の追加などを計上しております。

その結果、補正額は2億3,654万1千円の追加となり、補正後の予算総額は181億2,435万2千円となりました。

特別会計については、国民健康保険事業特別会計および後期高齢者医療特別会計では人件費の調整のほか、国民健康保険システム改修委託料の追加、後期高齢者医療保険料還付金の追加、介護保険事業特別会計では認知症総合支援事業費の追加等を行っております。

本定例会には、人権擁護委員の諮問案件1件、契約締結案件1件、契約変更案件1件、条例案件9件、補正予算案件4件、決算認定案件1件、合わせて17件のご審議をお願いいたしております。

詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。

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