令和元年第6回鹿角市議会定例会(行政報告)
令和元年11月29日報告
令和元年第6回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
はじめに総務関係についてでありますが、
まずもって、東北・関東地方の太平洋側を中心に甚大な被害をもたらした台風19号など、相次ぐ台風や大雨による洪水、土砂災害により、お亡くなりになられた方々に対し、心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご家族の方々、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
今後、一段と寒さが厳しい季節を迎えますので、いまだ行方が分からない方々の早期発見と、被災された皆様の一日も早い復興を、重ねてお祈り申し上げます。
本市では、台風19号が近づく10月12日午後5時30分に災害警戒対策室を設置し、市内8カ所に避難所を開設して警戒にあたりましたが、幸い、人的被害や農作物への大きな被害は免れました。
なお、甚大な被害が発生した被災地域に対しましては、昨年3月に国が制度化した、「対口(たいこう)支援システム」に基づき、秋田県が宮城県角田市の支援自治体に指定されたことを受け、10月24日から11月2日まで、本市の建築技術職員2人を被災地に派遣いたしました。
この間、本市職員は、秋田県及び県内各市職員と共に、実務経験や専門スキルが求められる罹災証明発行にかかる家屋の被害認定調査に従事し、被災自治体の支援を行っております。
第7次総合計画の策定につきましては、今年度、基本構想の策定に着手しており、現在、本市の現状と課題の整理を進めるとともに、新しい時代を見据えた本市のあるべき姿について、幅広い年代からご意見を伺っているところであります。去る9月30日には、市民の意見を反映させるため、15人の委員からなる「かづの未来会議」の第1回会合を開き、「市民アンケート」や「まちづくり中高生アンケート」の結果を示しながら、理想とするまちについて話し合っていただきましたが、人口減少が進行しても、市民一人ひとりの幸福感を大事にすることや、残したいものを失わずに次世代に引き継ぐことの重要さなどについて議論がありました。
また、去る10月23日には、中・高校生の代表14人に参加いただき「かづの未来の若者会議」を開催いたしましたが、自分自身の夢や目標と、本市の未来を重ね合わせながらワークショップ形式で意見交換が行われ、昨日、代表メンバーから会議結果をまとめた提案書を直接受け取り、若者の熱い想いと価値観をしっかりと受け止めることができました。
これまで頂いたご意見のほか、今後の「かづの未来会議」において、本市のあるべき姿とその実現に向けた取組みなどについて議論を深めながら、3月までに基本構想の素案を取りまとめてまいります。
鹿角ブランドの推進につきましては、今年度、シティプロモーション事業に認定している「きりたんぽ発祥まつり東京開催による鹿角市PRイベント」が、去る11月23日に東京秋葉原を会場に開催され、きりたんぽをはじめとした市の特産品のPRや、花輪ばやしの披露などが行われました。事業実施団体による単独開催のイベントでありましたが、各団体との連携・協力のもと、人気アニメ映画とのタイアップ宣伝も行われたことで、若い世代を中心とした幅広い年齢層に向けて効果的に情報を発信することができ、市の認知度が大きく向上したものと考えております。
ふるさと鹿角応援寄附につきましては、11月25日現在で、6,776件、金額にして9,048万4,000円と、前年同期と比較し2.3倍と、既に昨年度の寄附総額を上回る実績となっておりますが、年末に向けて申出件数が多くなることから、委託事業者及び返礼品協力事業者との連携を密にし、りんごや米、きりたんぽなど、本市が誇る特産品の魅力を知っていただき、より多くの方々から応援いただけるよう取り組んでまいります。
ホストタウンの推進につきましては、去る10月9日に、秋田県やテニス、バスケットボールの競技団体のほか、学校・商工関係、文化・国際交流関係の各団体の参画により、ホストタウン推進協議会を立ち上げ、地域を挙げて、ホストタウンプログラムを推進する体制を整えました。東京オリンピック・パラリンピックに際し、相手国であるハンガリー選手への応援と、大会終了後の選手及び関係者との交流を通じて、地域が活性化し、市民の記憶に残るものとなるよう、引き続き、準備を進めてまいります。
また、去る11月16日には、5月の「こけしの絵付け体験イベント」に続き、ハンガリー大使館が認定する日本とハンガリーの外交関係開設150周年の記念事業として、ハンガリー舞踊と特産品に親しむ講座「ハンガリーの夕べ」を開催いたしましたが、多くの市民から参加いただき、ハンガリー文化への理解と友好を深める大変有意義な機会となりました。今後も、節目となる年にふさわしい周年事業などを企画し、ハンガリーのホストタウンとして、東京オリンピック・パラリンピックへの機運を高めてまいります。
出会い応援につきましては、今年度は新たに、独身者向けにコミュニケーション能力を高めるための講座「恋愛指南塾(れんあいしなんじゅく)」を2回開催し、延べ39人が受講しております。
10月に羽後町と合同開催した交流イベントにも13人の市民が参加し、ゲームなどを通じて積極的な交流が図られておりますので、引き続き、結婚を希望する方々に対する一体的なサポートを展開してまいります。
移住の促進につきましては、今年度は、株式会社エフエム東京と共同で移住促進事業を展開しておりますが、ラジオ番組を通じて本市の魅力を広く首都圏にPRしたことで、番組を聴いた本市出身者や本市にゆかりのある方から、「東京のラジオから鹿角市の話が流れてきて嬉しかった」といった声が届いており、ふるさとへの愛郷の念を呼び起こす機会にもなったものと捉えております。
また、9月には、リスナーから選ばれた移住に関心のある4人が実際に本市を訪れ、市内の事業所等にもご協力をいただき、「パワーチャージ!仕事見学ツアー」を実施いたしました。仕事現場に溢れる活力だけでなく、地元の方との温かい交流のほか、温泉や元気が出る料理など、鹿角ならではの体験を通し、地方において自分が活躍できる場を明確にイメージしていただける機会となり、大変好評をいただいておりますので、引き続き、きめ細やかな移住促進策を展開しながら、本市を選んでいただけるよう積極的に情報を発信してまいります。
次に、民生関係についてでありますが、
地域コミュニティの維持と活性化につきましては、自治会活性化に向けた事業認定を受けた4つの自治会が、それぞれ伝統文化の継承や交流の場の確保などに取り組んでいるほか、集落の課題等を把握する状況調査を行った13自治会において、順次、地域資源を生かした活性化計画の策定に向けた話し合いを進めており、引き続き、集落支援員が自治会の主体的な取組みをサポートしながら、地域コミュニティの維持と活性化を図ってまいります。
民生委員・児童委員につきましては、明日11月30日で任期満了となるため、新たに民生委員・児童委員119人、うち主任児童委員9人の方々に、厚生労働大臣及び秋田県知事からの委嘱状を12月2日に伝達いたします。
今後3年間、社会福祉の増進に向けて、市民の皆様が住み慣れた地域で、笑顔で暮らしていけるよう、ご活躍くださることを期待しております。
子育て支援につきましては、市内8カ所の放課後児童クラブのうち、5施設について、昨年度から段階的に高学年の受入れを実施してまいりましたが、残る十和田小学校区と花輪小学校区でも、来年度から全学年の受入れ体制を整えることといたしました。
サービスの地域間格差を解消し、さらなる子育て環境の充実を図るため、それぞれ民間施設を借り上げ、十和田小学校区では新たな児童クラブを開設するほか、花輪小学校区では、現在は福祉プラザ内にある「まちなか児童クラブ」を移転する予定としており、関連補正予算を本定例会に提案いたしております。
次に、農業関係についてでありますが、
令和元年産米の作柄につきましては、夏の高温によるカメムシの大量発生により、現時点の一等米比率は87.4%と、前年比で6.6ポイント下落しておりますが、本市を含む県北地域の作況指数は「104」の「やや良」で、10アール当たりの予想収量は、昨年より40キログラム多い、581キログラムと公表されたことから、十分な収穫量を確保できたものと捉えております。
野菜につきましては、露地栽培の収穫作業は11月初旬で終了しておりますが、キュウリやトマトなど主力作物は昨年以上の収量を確保できたものの、9月以降、全国的な天候の回復により出荷時期が重なったことから、価格については前年比80%台で取引きされております。
「北限の桃」につきましては、受粉時期の天候不良により、結実数が少なく、夏場の少雨傾向なども懸念しておりましたが、肥大時期に天候が安定したことから、前年比で集荷量150%、販売額180%の約1億3,300万円の販売実績となりました。消費者や市場関係者の認知度と需要は年々高まっておりますので、引き続き、こうした需要に応えられるよう、関係団体と連携して技術指導や作付面積の拡大を支援し、安定した生産量を確保してまいります。
畜産関係につきましては、去る10月28日の鹿角家畜市場へ、短角・褐毛を含めて64頭が上場され、63頭の売買が成立しておりますが、このうち日本短角種の売買成立は49頭で、税抜きの平均取引価格は、昨年を5万3,400円上回る25万9,429円となりました。
出荷頭数の増加が、大手経営体の参加と高値取引につながったことから、増頭対策の効果が徐々に表れてきたものと認識しておりますが、今後も、計画的な増頭に取り組み、枝肉出荷頭数100頭台を目指し、畜産農家や関係団体と連携を図りながら、一層の販売促進に努めてまいります。
鳥獣被害防止対策につきましては、今年のクマの目撃件数及び被害件数は、ブナの実の凶作等により多数となることが懸念されたものの、最終的には平年並みとなりました。早くから集落座談会やメール配信サービス等により、被害防止に向けた啓発に努めてまいりましたが、秋以降は市街地での出没も相次ぐなど、これまでに5人の方が怪我を負う人身被害が発生いたしております。
特に、花輪第一中学校付近や、先週発生した大湯温泉街における事故は、これまで目撃されることのなかった市街地で発生しており、クマの生息域が拡大してきている状況にありますので、引き続き、関係機関との連携を図りながら、市民への情報提供や広報等による注意喚起に努めるほか、鳥獣被害対策実施隊による迅速な駆除体制を維持してまいります。
次に、観光関係についてでありますが、
外国人観光客誘客促進事業につきましては、八幡平市と連携し、国立公園八幡平エリアの周遊ルートを提案するファムツアーを10月末に開催いたしましたが、タイからの誘客促進を視野に旅行代理店等を招待し、4泊5日の行程で史跡尾去沢鉱山や後生掛自然研究路散策のほか、日本酒の試飲やリンゴの収穫を体験いただきました。
参加者からは「自然や温泉、食の豊かさを堪能でき、ツアーのコースがよくできている。連れてくる価値はある」との評価をいただき、早速、本市の宿泊をルートに入れた旅行商品が試験的に造成されております。これまでのセールスや誘客事業の効果が着実に表れてきておりますが、今後はインバウンドの増加がさらに見込まれることから、引き続き、関係機関と連携しながら積極的なPRを行い、観光誘客の拡大に繋げてまいります。
観光宣伝の推進につきましては、東京都葛飾区とのつながりを生かして、今年度も葛飾区産業フェア及び「寅さんサミット2019」に参加し、積極的なPRを展開しております。
特に「寅さんサミット」では、きりたんぽ鍋やみそ付けたんぽに加え、きりたんぽ鍋のルーツを追求して開発した「山子鍋(やまごなべ)」も提供いたしましたが、ブースの前に長蛇の列ができるほどの盛況となったほか、柴又帝釈天参道にある老舗和菓子店とのコラボメニュー「あんきりたんぽ」を限定販売するなど、「きりたんぽ発祥の地 鹿角」の魅力を楽しんでいただくことができました。
また、同会場のステージでは、昨年に引き続き「花輪ばやし」の演奏を行いましたが、来場者も交えて、締めの「サンサ」を行い、祭り本番の活気あふれる臨場感を味わっていただくことができ、本市の食と伝統文化の魅力を効果的に発信できたものと考えております。
次に、商工関係についてでありますが、
新規学卒者の就職内定状況につきましては、鹿角管内の高校を来年3月に卒業見込みの生徒数は235人でありますが、9月末現在の縁故・血縁、公務員を除いた県内外への就職希望者は66人、このうち県内就職希望者は43人となっております。
現在の管内就職内定者数は22人で、前年同期より10人多い状況でありますが、これは、昨年2月にハローワーク鹿角と締結した雇用対策協定のほか、かづの商工会や鹿角地域振興局、小坂町も加えた5者により今年1月に行った緊急共同宣言に基づき、早期求人や市内就職の勧奨など各種対策の実施が奏功したものと捉えております。
引き続き、関係機関等との連携を図りながら、求人・求職のマッチングを進め、内定率100%の早期達成と市内企業の人材確保に取り組んでまいります。
次に、建設関係についてでありますが、
市道除雪につきましては、去る22日に除雪会議を開催し、除雪計画に基づく準備を整えたところであります。
今期は、市道総延長の53.5%にあたる567キロメートルを、除雪機械110台の態勢で実施することとしており、冬期間における安全・安心な通行確保に向け、万全を期してまいります。
次に、教育関係についてでありますが、
先ほどもご報告いたしましたが、去る9月19日に花輪第一中学校通学路において生徒がクマに襲われ負傷する痛ましい事故が発生したことを受け、市では新たな被害を出さないために、生徒の登下校時にパトロールを実施したほか、市内全校の学校近辺の緊急点検を近隣自治会や警察、地元猟友会等と合同で行い、危険箇所の把握と情報共有により、被害防止対策を講じております。
なお、現場となった通学路については、現在、クマを誘引する栗やクルミ等の樹木の除去および見通しを確保するための下刈り作業に着手しておりますが、今後も、関係機関と連携しながら、安全で安心な通学路の確保と維持を徹底してまいります。
花輪第一中学校大規模改造工事につきましては、去る10月25日に完了し、花輪第一中学校と花輪第二中学校の統合校舎として、外壁や内装、屋上等を改修し長寿命化を図ったほか、多目的トイレや車椅子でも利用可能なエレベーターを設置するなどバリアフリー化を進め、生徒の学習環境の整備・改善を図っております。来年4月からは新たに「花輪中学校」としてスタートすることとなりますので、引き続き、統合に向けた準備を遅滞なく進めてまいります。
スポーツの推進につきましては、第76回国民体育大会冬季大会スキー競技会が、令和3年2月に花輪スキー場を会場に開催されますが、先般、秋田県知事から発表されたとおり、第77回大会も本市で開催されることが決定いたしました。国体の2年連続開催は、大会の長い歴史の中で初めてのことであり、大変、名誉なことであります。
全日本学生スキー選手権大会との2年連続ダブル開催となりますので、スキー関係者と連携を十分に図りながら、市全体で大会が盛り上がるよう準備を進めてまいります。
次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、
今回の一般会計補正予算は、基金積立金の追加、精算に伴う国庫負担金の返還金等の追加、障害者自立支援給付扶助費等の追加、児童手当給付金の追加、除雪委託料の追加などを計上しております。
その結果、補正額は5億4,067万5千円の追加となり、補正後の予算総額は186億6,697万1千円となりました。
特別会計については、介護保険事業特別会計では介護給付費負担金返還金の追加、人件費の調整による追加、上水道事業会計では人件費の調整による追加となっております。
本定例会には、報告案件1件、過疎地域自立促進計画の変更案件1件、指定管理者の指定案件4件、市道案件1件、条例案件8件、補正予算案件3件、合わせて18件のご審議をお願いいたしております。
詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。
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更新日:2024年02月01日