令和2年第1回鹿角市議会定例会(施政方針・行政報告)

更新日:2024年02月01日

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令和2年2月28日報告

令和2年第1回鹿角市議会定例会の開会にあたり、予算案及び諸議案の提案に先立ち、まずは、新型コロナウイルス感染症にかかる本市の対応について申し上げます。

これまで、庁内の連絡会議を立ち上げ、情報収集をしながら不測の事態に備えてまいりましたが、昨日の国からの小・中学校臨時休校の要請を受け、本日、体制を対策本部に引き上げ、国・県からの情報収集と精査を指示し、早急に対応を検討しているところであります。

市民の皆様には、手洗い・うがいを徹底するなど、できる限りの予防に努めていただくとともに、大勢の人が集まる場所等への不要不急の外出を控えていただくなど冷静な対応をお願いいたします。

 

それでは、市政運営の基本方針及び私の所信並びに主要施策の概要を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

令和2年度は、第6次総合計画後期基本計画の最終年となりますが、新年度予算を「かづの安心安全強化予算」と位置づけ、産業力の強化をはじめとした各重点プロジェクトの目標達成に向け、総力を挙げて取り組むとともに、予測困難といわれる時代にあっても、理想とする将来に向かって真っすぐと帆を張り、自立した持続性のある、笑顔あふれるまちづくりへの、集大成の一年にしてまいりたいと考えております。

さて、令和2年度予算についてでありますが、

最重要課題に位置づけている産業力の強化については、主要産業である農業や製造業、観光業の振興を重点化し、担い手確保対策や人材育成に加え、ICT等を活用したスマート農業の導入や、商取引の拡大に向けた産業コーディネーターの増員、国立公園八幡平の魅力アップに向けた構想の策定などに新たに着手いたします。また、福祉施策等については、全世代の不安に対応できる体制を構築し、放課後児童クラブの拡充や母子保健にかかる経済的負担のさらなる緩和、健診内容の充実やシルバーリハビリ体操の普及など、子育て世代から高齢者世代までの安心安全につながる取組みを進めるとともに、国土強靭化地域計画の策定等により、災害への対策強化を図ってまいります。

さらに、着実な成果が表れている移住・交流の推進では、子育て世代の移住者層の獲得を強化する新たな取組みを実施するほか、スポーツ交流では、東京2020オリンピック聖火リレーの開催や、国民体育大会冬季大会と全日本学生スキー選手権大会のダブル開催等により、交流人口を拡大させ、賑わいあるまちの実現を図ります。

一般会計の予算規模は179億2,520万円、前年度当初と比較して、1.5%の増となり、上水道および下水道事業会計を除く特別会計の予算総額は83億1,324万4千円となっております。

 

以下、令和2年度の主要施策について、総合計画の体系に沿い、その概要を申し上げます。

 

はじめに、基本目標1の「活力や賑わいを生むまちづくり」についてでありますが、

農業経営体の育成強化については、新規就農希望者の研修から経営確立までのきめ細やかな支援とともに、農業農村支援機構を核とした経営サポート体制を強化しながら、中心経営体への農地集積・集約化を進め、競争力の高い農業経営体の確保・育成を図ってまいります。

また、農業構造改革ビジョンを着実に推進することにより、社会情勢の変化に対応した足腰の強い農業経営への転換を図り、消費需要を見定めた作物の生産、販路の開拓や6次産業化のほか、生産性の向上が期待されるスマート農業の実証に取り組み、経営の高度化にチャレンジする農業者を支援してまいります。

農業生産の振興については、稲作の低コスト化や、収益性の高い野菜やシンテッポウユリの作付を奨励しながら、新たなブランド産品の育成を支援することとしており、これまで複合経営に取り組んできた本市の特性を活かした、力強い農業を実現してまいります。

「淡雪こまち」については、今後も、特別栽培米としてのブランド価値をさらに高められるよう支援を継続してまいります。

「かづの北限の桃」については、消費者や市場関係者からの需要が年々高まっておりますので、引き続き作付面積の拡大に努めるとともに、果樹農家をサポートする人材の育成とマッチングを進め、農家の負担軽減や就農につながる仕組みを構築してまいります。

畜産については、「かづの牛」の飼養頭数が順調に増加していることから、今後はさらなる需要の掘り起こしと販売強化に向けた支援を行うほか、川島牧野の草地更新の取組みを着実に進め、肉用牛の生産基盤をさらに強化してまいります。

県営ほ場整備事業については、来年度の完了に向けて末広地区の面工事が進められており、あわせて今年度から、地元農業法人主導の園芸メガ団地の施設整備も行われておりますが、他の地区でも同様の意欲を持つ団体があることから、関係機関と連携しながら、農地集積や営農基盤の整備が円滑に行われるよう、取り組んでまいります。また、県営事業の花輪大堰改修事業については、新年度も老朽化した水路および頭首工の補修工事が予定されておりますので、沿線地域の方々の理解を得ながら進めてまいります。

有害鳥獣駆除については、餌不足や暖冬の影響などによりクマの活動時期が早まることが懸念されますので、引き続き、市民への迅速な情報提供や注意喚起に努めるほか、鳥獣被害対策実施隊を中心に、機動的な駆除態勢を確保しながら、被害の拡大防止に努めてまいります。

農地の保全については、農業・農村の有する多面的機能が維持・発揮されるよう、引き続き、中山間地域等直接支払交付金や多面的機能支払交付金を活用しながら、農村集落活動の活性化や農村環境の保全と機能向上に対する取組みを支援してまいります。

林業の振興については、今年度から「森林経営管理制度」がスタートしておりますが、引き続き、森林所有者と意欲や能力のある林業経営者とのマッチングにより、計画的に林業経営の集積・集約化を進めながら、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を図ってまいります。

商店街の活性化については、市民や企業等が商店街の振興に関心を持ち、共同でイベントを開催する取組みを支援するとともに、個々の店舗の魅力向上に主眼を置き、あきた企業活性化センターやかづの商工会と連携しながら、「0円店舗改善」や事業承継も視野に入れた経営サポートを強化してまいります。

地域産業の活性化については、事業の高度化や設備投資に対する支援を継続し、地域の技術を結集した「メイドインかづの」の製品開発を促進するとともに、新たに名古屋・東海地区に産業コーディネーターを配置し、自動車・航空産業の商取引の拡大や、品質や生産性の向上に資する人材育成を図り、付加価値の高い産業育成を目指します。また、引き続き、地域商社機能の強化に取り組み、市内事業者と連携しながら、多品種・小ロットという特徴的な鹿角産品の認知度向上と販路拡大を図ってまいります。

雇用の安定については、新たにSNSを活用し、地元高校生や進学・就職などで市外に住んでいる方に向けて、市内企業の魅力や就職関連情報を発信する取組みを実施するほか、管内5つの機関との雇用対策協定に基づき、企業見学会の開催や就職情報誌の発行などを継続しながら、地元就職につなげてまいります。

観光の振興については、来年度は「観光産業確立計画」の最終年度でもあることから、地域DMOを担う株式会社かづの観光物産公社の体制強化や、観光産業推進ミーティングを継続して実施するほか、拠点となる鹿角観光ふるさと館「あんとらあ」の改修工事を計画的に進めることとしており、ソフト、ハード両面から「稼げる観光」の実現に向けた取組みを積極的に展開してまいります。

観光宣伝の推進については、葛飾区で開催されるイベントに継続して参加し、食や歴史文化をはじめとする本市の魅力を発信し、首都圏に向けて効果的なPRを展開してまいります。また、既にユネスコ無形文化遺産である「大日堂舞楽」や「花輪ばやし」と、世界遺産登録候補である「大湯環状列石」、このたびユネスコ無形文化遺産の提案候補となった「毛馬内の盆踊」を一体的な観光資源としてPRするため、新たに営業戦略や通訳ガイドを担うヘリテージ・ツーリズムコーディネーターの雇用を支援し、プレミアムツアーの継続実施や外国人観光客の誘客を視野に入れながら、鹿角の魅力を国内外に積極的に発信してまいります。

十和田八幡平の誘客促進については、新たな観光コンテンツとなったドラゴンアイが見られる時期に八郎太郎号の増便を予定しているほか、引き続き、国立公園満喫プロジェクトと連動した取組みを積極的に展開することとしており、地元観光団体と連携しながら、当エリアの魅力向上と誘客拡大に向けた基本構想の策定に取り組んでまいります。

地域間交流の推進については、関係人口の「鹿角家」では、少しずつではあるものの、地域のお手伝いなどを通じた交流も生まれてきており、引き続き、首都圏での「家族会議」や、鹿角を訪れてもらう体験ツアーを実施しながら、地域コミュニティを支える担い手としてのマンパワーを発掘してまいります。

 

次に、基本目標2の「誰もが生き生きと暮らせるまちづくり」についてでありますが、

地域福祉の充実については、来年度は、障がい者計画、障がい福祉計画、障がい児福祉計画の3つの計画が最終年度を迎えることから、生きがいを持って生活できる地域社会の実現のため、これまでの達成状況を検証しながら次期計画を策定するほか、成年後見制度の利用促進を図るため、新たに「成年後見制度利用促進基本計画」を策定いたします。

なお、鹿角市社会福祉協議会が地域福祉活動の拠点を整備し、5月に現在の福祉保健センターから移転いたしますが、時代の変化と共に生じる複合的な課題に柔軟に対応するため、これを機に全世代型包括的支援事業を委託し、継続的な伴走型支援を開始する予定としております。

生活保護については、新年度より、健康課題を抱える被保護者を支援する健康管理支援員を新たに配置し、ケースに応じたきめ細やかな相談体制を整えて、被保護者の社会的自立の促進を図ってまいります。

子育て支援については、市内全地区の放課後児童クラブにおいて、高学年までの受入れができるよう、新たに十和田小学校区に「十和田わくわく児童クラブ」を設置するほか、花輪小学校区のまちなか児童クラブを移転いたします。また、尾去沢保育園については、令和3年度からの花輪さくら保育園との統合に向け、円滑に移行できるよう体制を整えてまいります。

高齢者福祉については、「第7期介護保険事業計画」に基づき、支援が必要な高齢者が住み慣れた地域で支えあい、安心して暮らすことができる地域包括ケアシステムの構築を進めてまいりますが、同計画が最終年度を迎えることから、これまでの運営状況を検証しながら、次期計画を策定してまいります。

介護予防については、要介護となる一歩手前の状態である「フレイル」の予防を強化し、市民サポーターによる「フレイルチェック」と介護予防の「シルバーリハビリ体操」の取組みを効果的に連携しながら、健康寿命県内一の達成を目指してまいります。

健康づくりの推進については、がん発症率の高い51歳から60歳までの受診率向上に重点を置き、現在無料としている胃がん・大腸がん検診に、新たに肺がんを追加し、主要ながん検診を総合的に受診できる環境を整え、病気の早期発見、早期治療につながるよう、受診勧奨を強化してまいります。

母子保健については、特定不妊治療費の助成額を増額し、出産を望む方の経済的、心理的負担の軽減を図ってまいります。

地域医療体制の充実については、医師修学資金貸与制度を継続し、将来、本市で医師として活躍する人材の育成・確保に努めるほか、来年度開業予定の皮膚科診療所に対し、医療機関開設支援を行い、引き続き、医師確保対策を講じてまいります。

 

次に、基本目標3の「安心して住み続けられるまちづくり」についてでありますが、

公共交通の確保については、八幡平地区の公共交通空白地域を解消するため、予約型乗合タクシーを運行し、地域の特性やニーズに応じた持続可能な移動支援体制を整えてまいります。

道路網の整備については、道路橋の点検や松山跨線橋の補修工事など、長寿命化対策を進め、安全・安心な道路交通の確保に努めてまいります。

水道水の安定供給については、大久保地区の拡張工事を実施し、上水道未普及地域の解消を図ってまいります。

市街地の整備については、現在着手している鹿角花輪駅前整備事業において、花輪ばやし開催までの完成を目指し、広場内の交通規制を行いながら、遅滞なく工事を進めてまいります。

住宅の整備については、毛馬内住宅の建て替えに向けた建築工事に着手するほか、高井田住宅の長寿命化対策を進めるとともに、市民の居住環境の向上を図るため、引き続き、民間住宅のリフォームや木造住宅の耐震化を支援してまいります。

循環型社会の推進については、昨年7月に設立した地域電力小売会社「かづのパワー」が、4月から市が所有する32施設で電力供給を開始し、いよいよ「電気の地産地消」の取組みが実現いたします。引き続き、地域内電源の獲得とあわせ、供給先の拡大を目指していくほか、再生可能エネルギー電力やそれを使用した製品への需要が高まっていることから、本市が持つ豊富な資源を産業力強化に活用することも視野に入れた、新たなエネルギービジョンを策定してまいります。

防災体制の充実については、災害に強い地域づくりを計画的に進めるため、新たに「鹿角市国土強靭化地域計画」を策定するとともに、水防法に基づき、県による米代川、福士川、大湯川、小坂川、熊沢川における浸水想定区域の見直しを受け、洪水ハザードマップを作成して市内全戸に配付することとしており、市民の防災意識の向上を図ってまいります。

さらに、大規模災害が発生した際の連絡手段の要となる防災行政無線について、新たな通信システムを構築し、いかなる災害現場においても、迅速かつ的確に応急対策に取り組めるよう、体制をより一層強化してまいります。

地域安全対策の充実については、「空き家等対策計画」に基づき、補助制度を活用した自主的な解体への誘導や、周辺に悪影響を及ぼす空き家への指導強化により、管理不全な空き家の解消と発生の抑制に取り組んでまいります。

 

次に、基本目標4の「豊かな心と文化を育むまちづくり」についてでありますが、

学校教育の充実については、鹿角市立学校等再編計画に基づき、新年度から花輪第一中学校と花輪第二中学校が統合し、新たに「花輪中学校」が開校するほか、令和3年度に予定している花輪北小学校と平元小学校の統合校となる「柴平小学校」の開校に向け、花輪第二中学校校舎の大規模改造工事に着手するなど、安全・安心で良好な学習環境を整えてまいります。

生涯学習の推進については、大湯環状列石では初の海外展示として、イギリスのストーンヘンジビジターセンター企画展へ出土品7点を出展し、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録実現に向けた認知度の向上と、大湯環状列石の価値と魅力を世界に向けて発信してまいります。

このほか、教育に関する執行方針につきましては、教育長から後ほど申し述べます。

 

次に、基本目標5の「参加と連携を促進するまちづくり」についてでありますが、

地域コミュニティの活性化については、地域の課題解決に向け、自治会元気づくり応援補助金や自治会コミュニティ再生応援事業を継続するほか、集落の課題整理などに集落支援員を派遣しながら、自治会の主体的な取組みを支援してまいります。

国際交流については、いよいよ開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の好機を活かして、昨年9月に発足させた「鹿角市ホストタウン推進協議会」によるオール鹿角の体制でホストタウン事業を展開していくこととしており、聖火リレーのほか大湯ストーンサークル館で縄文の火をおこす「パラリンピック採火式」を実施し、本市をPRしてまいります。

また、五輪期間中には競技中継を見ながらステージイベントを同時に楽しめる「コミュニティライブサイト」を開催するとともに、ショプロン市からの行政訪問団招致に合わせた青少年スポーツ交流と文化交流のほか、小・中学生によるハンガリー選手への手紙応援を行う予定としており、市民との関わりを多く創出することで、国際理解の増進と地域の活性化を図り、市民の記憶に残るものにしてまいります。

移住・定住の促進については、人口構成に良いインパクトをもたらす移住者層の獲得を目的に、新たに「子育てママ応援ツアー」を実施し、市内の事業者とも連携しながら、移住と仕事をマッチングした支援に取り組んでまいります。さらに、NPO法人との連携による充実した相談対応や、定住につながるフォローアップを継続し、移住者の増加と移住予備軍となりうる関係人口の拡大を図ってまいります。

 

以上が、令和2年度に取り組もうとする主な施策であります。

なお、第7次総合計画の策定につきましては、これまでの成果を検証しながら、地域産業の振興や安全・安心な社会を支えることで、足元の確かな暮らしを守る面と、本市の独自性を最大限に引き出して、人や財を呼び込むなど、攻めの面を兼ね備えた、戦略性のある計画にしたいと考えております。

引き続き、「かづの未来会議」の開催や、パブリックコメントの実施のほか、市議会でも随時ご意見を頂戴しながら、さまざまな形で多くの市民の皆様から参画をいただき、9月までに、取組みを具現化した前期基本計画の施策体系をまとめ、3月までの成案を目指し、策定作業を進めてまいります。

 

次に、諸般の報告について申し上げます。

はじめに、総務関係についてでありますが、

鹿角ブランドの推進につきましては、シティプロモーション認定事業については、若手りんご農家4人で結成した「かづのSMILE☆RING-O(スマイルリンゴ)」による「鹿角りんごブランド化!首都圏PR大作戦!!」と題したイベントが、去る1月26日に東京都足立区内全域の30カ所の銭湯で行われ、りんご湯のほか、りんごの試食やジュースの試飲を通じて、鹿角りんごの特徴や本市がりんごの産地であることのPRが展開されております。

イベントの実施前から多くのメディアやSNSに取り上げられるなど、反響も大きく、当日の銭湯利用者は約7,000人にのぼるなど、銭湯利用者以外の区民や観光客などにも効果的な宣伝につながったものと伺っておりますので、今後も継続的な取組みにより、ブランドアップが図られるよう期待いたしております。

ロケを通じたシティプロモーションとして取り組んでまいりました、映画「デイアンドナイト」については、このたび、映画やドラマを通じ地域を活性化させた作品と地域を表彰する「第10回ロケーションジャパン大賞」において、本市が「地域の変化部門 特別賞」を受賞いたしました。実行委員会を組織し、官民一体となって、エキストラの出演や炊き出しなど撮影のサポートのほか、ロケ地ガイドブックの作成配布やロケ地ツアーの実施など、地域を挙げて活性化に取り組んだことが評価されており、この受賞を機に、観光客のさらなる増加や再度ロケ地に選定されるよう、広く本市の魅力を情報発信しながら、今後もロケを通じたプロモーションに取り組んでまいります。

ふるさと鹿角応援寄附につきましては、1月末現在で、1万3,775件、金額にして1億8,400万円あまりと、昨年同期と比較し2.7倍の実績となっております。返礼品の掘り起こしや磨き上げにより新規の寄附者が増大しているほか、特産品のりんごやきりたんぽなどが非常に高い評価を受け、例年よりリピーターも増加していることから、引き続き、委託事業者と連携を密にしながら、より多くの方々から本市を応援していただけるよう取り組んでまいります。

移住の促進につきましては、移住コンシェルジュの任期満了に伴い、3月1日から新たに愛知県岡崎市出身の30代女性を採用するほか、4月1日からは、香川県高松市出身の30代男性の採用を予定しております。なお、引き続き、積極的な情報発信を行い、きめ細やかな移住サポート体制の充実を図るため、移住コンシェルジュを3人体制としたいと考えており、現在さらに1人を募集いたしております。

出会い応援につきましては、移住の促進と出会いの機会拡充を図るための縁結び応援ツアーを、去る2月15日から2日間の日程で開催いたしました。仙台近郊の独身男女9人と、市内在住の独身男女10人が参加し、縁結びで有名な市内の神社を参拝し、雪上レクリエーションや婚活セミナー、きりたんぽ作りなどで交流を深め、見事、4組のカップルが成立いたしております。

このご縁が実ることを期待するとともに、市外から参加された方には、このツアーをきっかけに本市の自然や食も大いに満喫いただいておりますので、本市をより身近に感じていただけるよう、メールによる情報配信などを積極的に展開してまいります。

 

次に、民生関係についてでありますが、

地域福祉につきましては、去る2月19日に、新たに市内8つのコンビニエンスストアと「鹿角市高齢者等見守り活動に関する協定」を締結し、これまでに協定を締結している60事業所と合わせて、地域における見守り体制の構築を進めてまいります。

子育て支援につきましては、公立保育所の再編に関する基本方針を盛り込んだ「第2期鹿角市子ども・子育て支援事業計画」について、年度末までの策定を目指し、現在作業を進めております。

また、令和2年度の保育園及び認定こども園の入園予定者は、793人で、昨年に比べ約3.5%の減となっておりますが、延長保育や障がい児保育の対応など、きめ細やかな保育の提供に努め、待機児童ゼロを継続してまいります。

各市民センターの受動喫煙防止対策につきましては、4月1日から敷地内を全面禁煙といたします。今年度から実施している市庁舎敷地内や社会教育施設等に加え、市民センター、地区市民センター付属施設などが対象となりますので、利用者の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 

次に、農業関係についてでありますが、

令和元年産の主食用米の作付け状況につきましては、「生産の目安」である2,074へクタールに対し、127ヘクタール、6.2ポイントの増加となりましたが、主に全農あきたなどの集荷事業者が、業務用米等の販路拡大に伴う増加に対応したことが要因と捉えております。しかしながら、今後においても米価の下落を招くことがないよう、適正な生産調整を行うため、鹿角地域農業再生協議会では、全国的な米の需給動向などを勘案し、令和2年産米の「生産の目安」を昨年より2ヘクタール少ない2,072ヘクタールと定め、生産者に提示しております。

果樹や園芸作物につきましては、キュウリやトマトは、定植後から好天に恵まれ、集荷量は前年を上回りましたが、他産地の生産量も同様に推移したことから、販売額は前年を下回り、シンテッポウユリについても、少雨の影響で需要期であるお盆や彼岸への出荷調整が遅れ、販売額で昨年比2割程度の落ち込みとなっております。

北限の桃については、開花時の低温傾向により結実数が少なく、夏場の少雨傾向も懸念しておりましたが、その後順調に生育し、過去3番目の販売実績となる1億3,300万円を記録いたしました。引き続き、消費者や市場関係者の期待に応えられるよう、関係機関と連携して技術指導や作付面積の拡大を支援し、安定した産地づくりに取り組んでまいります。

かづの牛につきましては、飼養頭数500頭台を維持し、安定した生産体制の構築が図られていることから、今後もブランド力の向上と販売力の強化を目指し、各事業者と連携を図りながら、安定供給に向けた取組みを進めてまいります。

 

次に、観光関係についてでありますが、

令和元年の観光客数と宿泊客数につきましては、観光客数は約176万4,000人で昨年比0.9%の減、宿泊客数は約23万2,000人で昨年比3.5%の減となっており、全国的な傾向として、春の大型連休に大幅な増加がみられた一方で、夏以降はそれほど伸びなかったことや、団体旅行よりも、家族や友人との個人旅行が増加傾向にあることが一因であるものと分析しております。

また、外国人宿泊客数は、約1万4,700人で、昨年比3.2%の減となり、秋田空港に乗り入れる台湾便の運航停止による影響を受けたものと推測しておりますが、この中でも、タイからのツアー客は増加しており、これまでの誘客活動の効果が表れたものと捉えております。

このほか、日帰り客数は約8万9,000人で昨年比2.6%の増となっており、道の駅おおゆと大湯ストーンサークル館の連携企画による大湯エリアへの誘客や、ドラゴンアイや八幡平スキー場をはじめとする、八幡平国立公園エリアへの入込みが増加したものと分析しておりますが、引き続き、SNSを活用した情報発信のほか、本格的な着地型旅行商品の造成販売など、国内外からの誘客促進に向けた取組みを積極的に展開してまいります。

 

次に、商工関係についてでありますが、

市内の雇用情勢につきましては、ハローワーク鹿角管内の12月末現在の月間有効求職者数は462人、同求人数は896人で、有効求人倍率は1.94倍となっており、昨年同期の2.09倍よりやや低くなったものの、依然として高い水準で推移しております。一方で、昨年増加を続けていた求人数が減少傾向にあり、米中貿易摩擦や消費税率の改定などによる景気減速の影響が出てきているものと捉えております。

新規学卒者の就職内定状況につきましては、鹿角管内の高校を3月に卒業見込みの生徒のうち、縁故、公務員を除いた就職希望者70人中、就職内定者は65人で内定率92.9%となっております。内定者のうち県内就職希望者は42人で、うち鹿角管内は32人となっており、管内希望者の内定は昨年より早いペースで進んでおります。なお、来月25日には、「鹿角市雇用対策協定」に基づく運営協議会を開催し、今年度の取組みの成果と新年度事業計画を協議することとしており、引き続き、地元高校生や移住希望者の就職促進のほか、高齢者や障がい者の就業促進に向けた取組みを積極的に進めてまいります。

 

次に、建設関係についてでありますが、

都市計画マスタープランの見直しにつきましては、今月12日から2日間にわたり住民説明会を開催したほか、現在、パブリックコメントにより見直し案に対する意見を公募しておりますので、いただいたご意見を反映しながら、年度末までの策定作業を進めてまいります。

 

次に、教育関係についてでありますが、

大湯環状列石を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録につきましては、

去る12月20日に開催された閣議において、推薦書をユネスコへ提出することが正式に決定されたことを受け、1月16日に政府よりユネスコへ、推薦書が提出されております。

7回目のチャレンジでの待望の結果となりましたが、今後、秋には大湯環状列石も含めた現地審査が行われるなど、ユネスコによる手続きが始まりますので、2021年の世界遺産登録の実現に向けて、関係自治体とより一層の連携を図りながら、万全の体制で取り組んでまいります。

「毛馬内の盆踊」を含む全国37件の重要無形民俗文化財で構成する「風流踊(ふりゅうおどり)」のユネスコ無形文化遺産への提案につきましては、去る2月19日、文化庁の文化審議会無形文化遺産部会において今年度の提案候補として決定いたしました。本市では、「大日堂舞楽」「花輪祭の屋台行事」に続く、3件目の無形文化遺産登録を目指すものであり、本市の文化遺産の世界に誇れる価値の高さが認められたことは、大変、名誉なことでありますので、今後、早期の登録実現に向けて、関係自治体との連携を図りながら、取組みを進めてまいります。

スポーツの推進につきましては、雪不足の影響が心配されておりました「第93回全日本学生スキー選手権大会」は、三笠宮彬子女王殿下をお迎えし、去る2月24日から27日までの日程で開催されましたが、連日熱戦が繰り広げられ、全競技が盛会裏に終了いたしております。

次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、

一般会計では、国の補正予算を活用した事業を計上したほか、実績見込みによる各事業費の調整を中心に編成いたしました。

その結果、補正額は2億1,123万9千円の減額となり、補正後の予算総額は189億1,058万1千円となりました。

特別会計及び上水道事業会計では、実績見込みに基づく歳入歳出予算の調整を中心にそれぞれ補正を行っております。

 

本定例会には、人権擁護委員の諮問案件1件、過疎地域自立促進計画の変更案件1件、契約の締結案件1件、同変更案件1件、市道案件1件、条例案件10件、補正予算案件8件、当初予算案件6件、あわせて29件のご審議をお願いいたしております。

詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜りますようお願いいたします。

この記事に関するお問い合わせ先

総務課 行政班

〒018-5292 秋田県鹿角市花輪字荒田4番地1
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