令和2年第4回鹿角市議会定例会(行政報告)
令和2年5月29日報告
令和2年第4回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
はじめに総務関係についてでありますが、
新型コロナウイルス感染症対策につきましては、首都圏及び大都市を中心に新型コロナウイルス感染症が拡大し、4月16日からは、全国に緊急事態宣言が発出されたことから、本市におきましては、国・県の動向や要請を踏まえ、「県外への不要不急の外出自粛」、「3密の回避」、「手洗い、うがい、咳エチケット」などの注意喚起に加え、小・中学校の休業や、公共施設の休館、イベント・行事等の中止措置を行ってまいりました。さらには、鹿角地域におけるPCR検査体制の充実・強化を図るため、鹿角地域感染症仮設診療所を設置するなど、感染予防対策に重点的に取り組んできているところであります。
これまで、市内で感染事例が確認されていないことは、市民の皆様のご理解とご協力によるものと、改めて感謝を申し上げますとともに、緊急事態宣言は5月25日に全面解除となりましたが、今後も感染拡大の第2波の発生に警戒する必要がありますので、市民の皆様におかれましては、引き続き、気を緩めることなく、手洗い、うがい、マスクの着用などを実行して、感染予防対策に取り組んでいただきますよう、ご協力をお願いいたします。
感染拡大の状況下における本市の緊急経済対策については、「新型コロナウイルス感染症対応資金利子補給費補助金」の早期創設や、国の雇用調整助成金の支給決定を受けた事業主に対する市独自の上乗せ助成のほか、観光関連事業者及び飲食店等を対象とした事業継続支援等を行っております。
市税については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により収入が急減している法人、個人を対象として、無担保及び延滞金なしにより、1年間の徴収猶予の申請受付を行っているほか、売上高が著しく減少するなどの要件を満たす事業者等に対し、令和3年度の事業用家屋や償却資産にかかる固定資産税の軽減を行うこととしております。
各世帯への支援策については、国の特別定額給付金及び子育て世帯への臨時特別給付金の給付のほか、市独自の支援策として、子育て世帯に対する「子育て応援給付金」を給付いたします。
新型コロナウイルス感染拡大の状況下において、市内経済や市民の安全・安心を守る取組みを進める一方で、中心市街地に立地するホテルの倒産など、本市の基幹産業の一つである観光宿泊業は、特に厳しい状況に直面しておりますので、国や県の動向を注視しながら、各関係機関とも連携し、必要な緊急経済対策を、時機を逸することなく講じてまいります。
特別定額給付金につきましては、去る5月17日から申請受付を開始し、27日時点で全世帯数の90.1%にあたる11,622件の申請をいただいております。申請については、感染症予防の観点から窓口が混雑することを避けるため、全国的に郵送かオンラインによる申請が基本とされておりますが、本市では、書き方がわからないなど、窓口で直接確認して提出したいという方に対し、ドライブスルー方式による申請受付を実施いたしました。東北では初の試みでありましたが、5月17日からの3日間で1,115人の利用があり、利用者からは、安心かつスムーズに手続きができたと、好評をいただいたほか、本庁舎・各支所窓口の混雑緩和にもつながっております。
なお、5月20日には第1回目の交付を開始いたしましたが、昨日までに全世帯数の88.3%にあたる1万1,395件の交付を行っており、今後についても順次、交付を進めていくほか、未申請の方には再度のご案内をしながら、全世帯への早期交付完了を目指してまいります。
防災体制の充実につきましては、昨年度、県が実施した市内の主要な一級河川における千年に一度の豪雨を想定した「洪水浸水想定区域の見直し」により、第1避難所に指定している施設のうち、「文化の杜交流館コモッセ」と「八幡平市民センター」で、最大3メートルの浸水が想定される結果となりました。
これにより、本市では、大雨・台風などの水災害時には、この2施設を避難所として運用できないと判断し、水災害時に限り、花輪地区は、新たに「交流プラザ」と「福祉保健センター」を第1避難所に指定したほか、八幡平地区は、第2避難所であった「谷内地区市民センター」を第1避難所として運用することといたしました。
なお、地震等、他の災害時には、これまでと同様に、文化の杜交流館コモッセと八幡平市民センターを優先して、避難所として運用してまいりますが、避難所の追加や変更については、市ホームページや広報等で周知していくほか、現在作成を進めている洪水ハザードマップにも掲載し、防災意識の啓発を図っていくとともに、備蓄品の整備や各避難所における開設訓練を計画的に進めながら、災害への備えを強化してまいります。
ふるさと鹿角応援寄附につきましては、令和元年度の実績は、1万5,191件、金額にして2億260万7,030円となり、前年度と比較し、件数で2.8倍、寄附額で2.6倍と、大きく増加いたしました。
新たなポータルサイトの追加による寄附機会の充実や、地域商社による新たな返礼品の拡大と安定的な数量の確保が図られたことにより、新規の寄附者の増加や特産品への高い評価につながっておりますので、引き続き、返礼品の掘り起こしや磨き上げを行いながら、より多くの方々から本市を応援いただけるよう取り組んでまいります。
移住の促進につきましては、昨年度まで活動していた3人の移住コンシェルジュの任期満了等に伴い、3月と4月に新規に採用した2人に加え、今月20日からは、神奈川県小田原市出身の30代男性を採用しております。
新型コロナウイルス感染症拡大防止により、首都圏等での移住フェアが中止になるなど、移住促進活動への影響が出ておりますが、新たな移住コンシェルジュ3人による積極的な情報発信や、NPO法人との連携により、きめ細やかな移住サポート体制の充実を図りながら、移住の促進に取り組んでまいります。
次に、民生関係についてでありますが、
地域コミュニティの維持と活性化につきましては、集落支援員のサポートにより、新たに4つの自治会が自治会活性化に向けた事業認定を受け、それぞれの地域資源等を生かした事業に取り組む予定であるほか、集落の課題等を把握する状況調査を行った14自治会については、順次、計画の策定に向けた話し合いを進めておりますので、引き続き、自治会の主体的な取組みをサポートしながら、地域コミュニティの活性化を図ってまいります。
鹿角地域感染症仮設診療所につきましては、秋田県及び東北厚生局の手続きが終了し、今週25日より、必要に応じて、対応可能な態勢が整いました。
運用については、鹿角地域の患者の発生状況等を踏まえて、予約制によるPCR検査を行うこととしておりますが、市内の医療機関をはじめとした関係機関と連携を図りながら、検査体制の充実を図ってまいります。
地域福祉につきましては、さまざまな要因が複合した福祉課題に対応するため、全世代型包括支援制度の構築を進めてまいりましたが、鹿角市社会福祉協議会が地域の福祉拠点施設として整備していた新施設が完成し、去る5月1日からは、新たに「相談支援包括化推進員」を配置し、相談窓口として業務を開始していることから、市といたしましても、引き続き、社会福祉協議会と連携しながら、きめ細やかな福祉サービスの充実を図ってまいります。
次に、農業関係についてでありますが、
主食用米の生産につきましては、需要に見合った「生産の目安」である2,073ヘクタールに対し、農家から提出された計画面積は2,203ヘクタールであり、130ヘクタールの超過となっておりますが、大規模経営体が系統販売以外の販売先を確保していることから、おおむね需要に応じた生産量が保たれております。
トマトやユリなどの野菜や花き類につきましては、播種や定植作業なども順調に進んでおり、良好な収穫が得られるよう、適期防除等の周知について、関係機関と連携して取り組んでまいります。
果樹につきましては、暖冬の影響により、桃、リンゴともに発芽は平年より10日ほど早かったものの、4月の気温が低温で推移したことから、開花は平年並みであり、今後の結実に向け、時機を捉えて病害虫防除の徹底を図ってまいります。
また、果樹農家の労働力を支援するため、現在新たに11人の果樹栽培サポーターを育成しておりますが、昨年度の研修生については、今後、各農家での実技研修を経て、来年度には正規サポーターとして本格的なマッチングを行うこととしており、北限の桃のさらなる栽培拡大につなげてまいります。
鳥獣被害防止対策につきましては、昨年、それまで例の無かった市街地でのクマによる人身事故が、相次いで発生したことを受け、本年3月、市街地への出没等にも迅速かつ的確に対応するため、「ツキノワグマ市街地等出没対応マニュアル」を策定し、体制の強化を図っております。今後、クマの活動が活発になる時期を迎え、引き続き、市民への迅速な情報提供や、被害防止策の啓発により注意喚起に努めていくほか、鳥獣被害対策実施隊による機動的な駆除態勢を確保しながら、関係機関と連携して、被害の防止に努めてまいります。
次に、観光関係についてでありますが、
観光振興につきましては、全国の緊急事態宣言に伴う、各業種への休業要請や個人への外出自粛要請を受け、大型連休中に予定されていたイベントや観光キャンペーン等が中止となり、人の流れが止まったことから、特に観光産業には深刻な影響が出ております。さらに、本市を代表する夏祭りである「花輪ばやし」や「毛馬内盆踊り」などの中止が決定したことにより、今年度の観光客数は、特に大幅な減少が見込まれます。
国内の感染者数が減少傾向にあることや、県内の感染者数が一定数に抑えられていることから、緊急事態宣言の解除により、県境を越える移動も段階的に可能となる見通しでありますので、回復に向けて確かな歩みを進めていけるよう、引き続き、消費喚起や観光業界への支援策を検討してまいります。
昨年度からの継続事業である鹿角観光ふるさと館あんとらあ改修工事につきましては、去る4月5日よりトイレ、休憩室、情報コーナー棟を供用しており、現在改修中の食堂・レストラン、マルシェ、売店、祭り展示館についても、順次供用を開始し、営業を継続しながら来年4月のリニューアルオープンを目指してまいります。
次に、商工関係についてでありますが、
雇用の状況につきましては、ハローワーク鹿角管内における3月末の有効求人倍率は1.65倍で、2月末から0.3ポイント、昨年同月から0.18ポイント低下しております。
また、この春に管内の3つの高校を卒業した就職希望者は69人で、昨年より15人減少しましたが、就職率は100%となっており、うち、県内就職率は65.2%で昨年を0.3ポイント下回ったものの、管内就職率は49.3%と、昨年より10ポイント増加しております。その要因は、高校生に地元企業の魅力を伝える取組みや、地元企業に対し、積極的に求人活動に取り組んでもらうよう、働きかけを行った成果によるものと分析しておりますが、現在は、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部業種で求人を取り下げる動きが見られるほか、会社説明会や面接会等の開催を見合わせている状況にあります。
引き続き、国・県の支援制度の活用促進や市独自の取組みにより事業活動を支援していくとともに、求人活動支援補助金や、新たにSNSを活用した就職情報の発信等により、企業の採用活動の支援と雇用の確保に努めてまいります。
観光関連事業者及び飲食店を対象とした事業継続支援給付金の受付件数につきましては、5月27日までに103件となっており、地域経済の落ち込みの大きさを実感しているところでありますが、その回復には時間を要するものと想定されますので、引き続き、地元企業の事業継続を支援してまいります。
次に、建設関係についてでありますが、
鹿角花輪駅前広場整備事業につきましては、3月下旬からの一般車両の通行制限により、ご利用の皆様には大変ご不便をおかけいたしておりますが、7月末の完成に向け、順調に工事が進んでおります。
次に、教育関係についてでありますが、
市内小・中学校の状況につきましては、新型コロナウイルス感染症に伴う国や県の緊急事態宣言等を受け、4月22日から5月6日までを臨時休業としましたが、今月7日からは授業を再開し、現在、部活動やスポーツ少年団活動も再開いたしております。
主な学校行事については、運動会や体育会、校外学習、修学旅行を延期するとともに、プール授業等については、感染のリスクが高いことから、やむを得ず中止を決定いたしました。また、臨時休業となった7日間分は、夏季休業日を短縮して授業を行うこととしております。
なお、市内事業所等から寄贈いただいたマスク及び消毒液等については、随時各学校へ配付し、児童・生徒が使用させていただいており、引き続き、手洗いや消毒などを徹底して感染拡大防止に努めるとともに、子どもたちがストレスを感じることの無いよう、一人ひとりの状況把握ときめ細やかな心のケアをしてまいります。
次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、
一般会計については、本日、採決をお願いする移動図書館車輛購入費の追加のほか、コミュニティ推進事業費補助金、道路補修工事費、消防施設整備工事費の追加、定期人事異動に伴う人件費の調整などを計上しております。
その結果、補正額は合わせて1億1,204万9千円の追加となり、補正後の予算総額は212億7,967万7千円となりました。
特別会計については、国民健康保険事業特別会計および介護保険事業特別会計では、定期人事異動に伴う人件費の調整のほか、介護給付費準備基金積立金等の追加等を行っております。
本定例会には、報告案件4件、人事案件17件、契約締結案件1件、条例案件5件、補正予算案件4件、合わせて31件のご審議をお願いいたしております。
詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。
この記事に関するお問い合わせ先
総務課 行政班
〒018-5292 秋田県鹿角市花輪字荒田4番地1
電話:0186-30-0203 ファックス:0186-30-1122
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更新日:2024年02月01日