令和4年第2回鹿角市議会定例会(施政方針・行政報告)

更新日:2024年02月01日

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令和4年2月25日報告

令和4年第2回鹿角市議会定例会の開会にあたり、予算案及び提出議案の説明に先立ち、市政運営の基本方針及び私の所信並びに主要施策の概要を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

はじめに、このたびの、市発注工事を巡り、前市長と受注業者の関係者が逮捕、起訴されるという複数の事件が発生し、鹿角市政に対する信頼は大きく失墜いたしました。市政の推進には、市民や関係各位のご理解とご協力が不可欠であり、それには市長をはじめ職員や市役所全体に対する信頼があってこそ成り立つものでありますが、今の鹿角市政の状況に、長年積み上げてきた土台が崩れ、大きく揺らいでいることを痛切に感じております。

今後、総合計画の実現に向けて、施策を推進していくには、何よりも信頼回復に向けた変革が必要であり、そのためには市を挙げて不断の努力をしていかなければなりません。私も、不退転の覚悟で先頭に立って必要な改革を推し進める所存でありますが、まずは、透明で公正な市政を実現していくことが第一であります。

市では、第三者委員会を設置し、入札・契約制度の検証と課題抽出を行いながら、官製談合再発防止に向けた対策等の検討を進めているところでありますが、市政全般に関しましても、情報を的確に発信していくこと、そして情報共有によってしっかりとした意思疎通を図っていくことが極めて重要であると考えておりますので、このことを今後の市政運営の基軸に据えてまいります。

 

それでは、新年度の所信の一端について述べさせていただきます。

 

令和4年度は、昭和47年4月1日に鹿角市が誕生し、ちょうど50年となる節目の年であります。この50年の歩みを、市民の皆様と共に祝い、これまでの感謝と未来への希望を持って、さらに前進していくため、テーマを「ありがとう50年 ともに未来へ」とし、記念事業を展開してまいりますが、私は、これを機に、さまざまなつながりを生み出してまいりたいと考えております。

市民や地域とのつながりによって、鹿角市の発展を未来につないでいくこと、そのための方策として、関係市町村との広域的なつながり、あるいは国や県とのつながりを糸口とした施策の展開によって、ふるさと鹿角の未来を切り拓いてまいります。

 

さて、令和4年度当初予算は、市長就任後、初めての通年予算の編成であり、公約の実現と第7次総合計画の着実な推進を念頭に置きながらも、市民からの理解が十分ではない事業については、一旦立ち止まり、再考することとしたほか、健全な財政運営を図るため、事業の整理と効率化を行い、経費の節減に努めました。

公約の実現につきましては、これまで実施してきた「いつでも市長室」を継続するほか、地域づくり協議会等を単位とした「地域づくりミーティング」を新たに開催し、より市民や地域との対話を充実させてまいります。また、十和田湖をはじめ、県内に伝承される八郎太郎三湖物語に焦点をあてたシンポジウムやイベントを開催し、広域連携による新たな観光振興を図ることとしております。そのほか、本市の歴史・産業・伝統・文化等について学ぶことができる、全市域をフィールドとした鹿角キャンパス構想推進事業や十和田図書館整備事業など、「学問のまち」としての十和田地区にもスポットを当て、品格と風格のあるまちづくりへの糸口としてまいります。

第7次総合計画の推進につきましては、最重要課題としている「地域の稼ぐ力を高める産業振興」や「人口減少対策」、「デジタル化の推進」など、人口構造の若返りと持続可能な地域社会の形成を目指すための予算といたしました。

「地域の稼ぐ力を高める産業振興」については、農業振興では、新規就農者の経営発展に必要な初期投資等への支援や農業人材のマッチングアプリの活用等による担い手の確保、収益性の高い作物への転換や農畜産物の販路拡大に向けた取組み、ほ場整備等による農地集積により販売重視型農業を目指します。

商工振興では、プレミアム付商品券の発行による消費喚起や事業承継セミナーの開催により、事業継続や経営力の強化を図るほか、カーボンニュートラルの達成に向けた計画を策定し、脱炭素社会の実現を目指します。

観光振興では、観光団体やガイドなどの体制強化に向けた支援のほか、滞在型観光を推進するため、宿泊施設での連泊促進やヘリテージ・ツーリズムの充実、インバウンド対策の強化などに取り組みます。

「人口減少対策」については、地域医療の維持・確保に向けた中核病院への支援や、都内で募集広告等を行い、産科医等の医師確保策を強化するほか、福祉医療制度における所得制限の撤廃と自己負担の無料化、健診・出産準備等にかかる助成金の拡充など、子どもを産み育てる環境のさらなる向上を図ります。また、大卒者等の奨学金返還を支援することにより、若者の市内就職と定住の促進を図ります。

「デジタル化の推進」については、市民サービスと利便性の向上を図るため、オンラインによる電子申請サービスの拡充を図るほか、スマート農業に対するICT機器の導入支援、情報関連産業を主なターゲットとした誘致企業の促進、ビッグデータ等を活用して観光マーケティングの強化を図るなど、生産性の向上を目指します。また、教育現場におけるICT支援員の配置により、ICTの有効活用による学習環境の向上を図ります。

一般会計の予算規模は174億2,600万円で、前年度当初と比較して、1.4%の増となり、公営企業会計を除く特別会計の予算総額は、86億4,285万3千円となっております。

 

以下、令和4年度の主要施策について、第7次総合計画前期基本計画の体系に沿い、その概要を申し上げます。

 

はじめに、基本戦略1の「活力を生む地域産業・生業を支える」についてでありますが、

地域産業の成長支援については、市内企業の積極的な設備投資や従業員の資格取得を支援してまいります。また、各分野のプロフェッショナル人材を活用して企業力向上アドバイザーを設置し、企業のマッチング支援をはじめ、トヨタ方式による生産工程の改善の普及、企業のICT化やマーケティング機能を強化することにより、市内企業の労働生産性の向上を図ってまいります。

効率的な農業経営の確立については、農業者の高齢化と労働力不足に対応するため、スマート農業の普及を図るとともに、JAかづのと連携したマッチングアプリの活用により、幅広い年齢層から人材を発掘し、農業に携わる人口を確保することで、経営基盤の維持・拡大を図ってまいります。

農業経営体の経営安定と競争力強化については、農業農村支援機構を核とした経営サポートにより経営の効率化を図るとともに、中心経営体へ農地を集積・集約化することで、農業経営体の育成と競争力を高めてまいります。

林業の振興については、森林における地形等の状況や境界の所在を把握するため、航空レーザー測量を新たに導入し、森林経営管理のデジタル化を推進することで、森林経営管理制度を効果的に運用しながら、森林資源の適切な経営管理と林業の成長産業化を推進してまいります。

農業生産基盤の整備については、毛馬内北部地区での基盤整備に向け、県による調査が始まっておりますが、令和6年度の事業採択を目指して、令和4年度中には農業法人を設立し、農地中間管理権を設定することにしていることから、関係機関と連携しながら農地集積等を進めてまいります。また、現在県営で実施しております花輪大堰や八幡平の一の渡頭首工をはじめとする水利施設整備については、県と連携し関係者の方々の理解を得ながら整備を進めてまいります。

就労・就農支援については、ICTを活用した副業の促進を図るほか、女性、若者、就職氷河期世代への資格取得支援等により、所得の向上を図ってまいります。

農林業の担い手育成と定着支援については、農業法人へのインターンシップや、市独自の研修制度である「新規就農者研修支援事業奨励金」により、新規就農の促進と早期の経営確立に向けたサポートを充実させることで、新規就農者の定着を図ってまいります。また、林業の将来の担い手を確保し、市内の林業経営体の経営基盤を強化するため、林業従事者を雇用した事業者への支援や、地元林業事業体へ就職を志して秋田県林業大学校に入学する学生への家賃支援などにより、新規就業者の育成と地域林業の活性化を図ってまいります。

 

次に、基本戦略2の「元気で健やかな暮らしを支える」についてでありますが、

心身の健康づくりについては、これまでの30代の健康診断に加え、新たに19歳から29歳以下の健康診断を実施し、若年層からの生活習慣病予防と健康意識の向上を図ってまいります。

予防接種については、子宮頸がんの発病を予防するため、ヒトパピローマウイルスワクチン接種の積極的勧奨を行うとともに、接種機会を逃した方への周知及び予防接種を実施してまいります。

妊産婦支援については、子どもを産み育てようとするご家族が、安心して出産を迎えられるよう、妊産婦健診や出産に要する経費の助成を拡充し、妊娠が確認された時点で一律10万円を助成いたします。

医療従事者の確保と病院機能の充実については、中核病院であるかづの厚生病院の医療機能を維持させるため、新たに運営費に対する支援をいたします。また、産婦人科をはじめとする医師の確保については、医療機関や大学等との連携を強化していくことにより、地域に必要な医療体制を確保できるよう、取組みを前進させてまいります。

出会い応援と結婚支援については、独身男女の出会いの場の創出と、結婚に向けたサポート体制を充実させるほか、新婚時における住宅取得等を支援することで、経済的負担を軽減し、結婚の希望が叶うよう応援してまいります。

地域ぐるみの子育て支援については、放課後児童クラブの利用ニーズと児童の安全確保に対応するため、令和4年度からは、土曜日と長期休業日を通年で7時45分から開所いたします。

高齢者福祉については、高齢者福祉タクシー券の1回あたりの利用枚数を拡充し、高齢者の社会参加を促進させるほか、高齢者等住宅除排雪支援事業の助成対象年齢を65歳以上に引き下げ、高齢者の生活支援を拡充してまいります。

介護予防については、「フレイル」の予防を強化するため、市民サポーターによる「フレイルチェック」の推進と介護予防の「シルバーリハビリ体操」を効果的に連携させながら、健康寿命県内一を目指して取り組んでまいります。

障がい者福祉については、障がいの程度や特性に応じたサービスの提供や支援体制を充実させるほか、手話の啓蒙・普及を図るため手話体験講座を実施するなど、誰もが尊重され、社会参加できる地域づくりを推進してまいります。

海外友好交流都市との交流事業については、ハンガリー・ショプロン市との姉妹都市提携が20周年を迎えることから、市制施行50周年記念式典にあわせ公式訪問団を招へいし、長年の友好交流の節目の年をお祝いするとともに、これまで両市が築き上げてきた絆をより一層深め、交流のさらなる発展を目指してまいります。

 

次に、基本戦略3の「快適で安らぎのある暮らしを守る」についてでありますが、

水道水の安定供給については、八幡平大里地区の一部において、配水管の拡張工事を行い、上水道の未普及地域を解消するほか、毛馬内小比泥地区及び山根大畑地区において、老朽管更新工事を実施し、計画的な水道管の更新に努めてまいります。

生活排水対策については、八幡平小豆沢地区の農業集落排水施設の公共下水道への接続を計画的に進めるほか、合併処理浄化槽の設置にかかる費用への助成を継続することにより、引き続き生活排水処理対策の充実を図ってまいります。

安全・安心な住まいづくりについては、毛馬内住宅の建て替え事業のほか、高井田住宅の外壁補修工事などの長寿命化対策を計画的に進めてまいります。また、中心市街地の中古住宅の利活用を支援することにより、中心市街地への住み替えを促進してまいります。

空き家等の適正管理の推進については、危険老朽空き家等の未然防止と管理不全空き家の早期解消を図るため、適正管理度レベル2の一部を対象とした除却支援制度を、新たに創設いたします。

快適で美しい生活環境の確保については、近年、市街地周辺でのクマの出没事例が増えていることから、引き続き、市民への迅速な情報提供や注意喚起に努めるほか、自治会単位による勉強会の開催などにより、被害防止対策を講じてまいります。また、イノシシやニホンジカの目撃情報を踏まえ、捕獲体制を強化し、鳥獣被害の拡大防止に取り組んでまいります。

 

次に、基本戦略4の「暮らしの安全・安心を高める」についてでありますが、

防災意識の高揚については、地域住民による自主防災組織の育成と組織力強化への支援を継続していくとともに、今年度中に全世帯に配付する予定の「鹿角市総合防災マップ」を活用し、出前講座などを通じて防災意識と地域防災力の向上を図ってまいります。

災害に強いまちの基盤整備については、橋りょう長寿命化対策や融雪施設の更新整備など道路交通の安全を確保するほか、普通河川の整備や急傾斜地崩壊対策など、国土強靭化に向けた取組みを進めてまいります。

 

次に、基本戦略5の「未来に羽ばたく人材を育てる」についてでありますが、

教育に関する執行方針として、後ほど教育長から申し述べます。

 

次に、経営戦略1の「まちに人・モノ・外貨を呼び込む」についてでありますが、

関係人口の拡大については、「鹿角家」の交流拠点施設に新たに宿泊機能を追加し、古民家を活用した滞在型の体験ツアーを充実させることにより、交流を深化させながら関係人口の拡大を図ってまいります。また、本市出身の若者を対象とした鹿角家U25では、ふるさと仕送り便に加え、新たに首都圏での交流会を実施し、ふるさとへの愛着とUターン機運の醸成を図ってまいります。

地域間交流については、包括的連携協定を締結している東京都葛飾区との交流において、産業フェアへの参加や本市の木材の利用に向けた取組みを進めてまいります。また、市内の事業所や団体と首都圏の大学等とのネットワークによる域学連携プログラムを展開し、大学が有する人的・知的資源と本市の地域資源を相互に有効活用することにより、地域課題の解決に活かしてまいります。

さらに、包括的連携協力協定を締結しております学校法人武蔵野大学の専門研究ゼミの誘致に加え、新たに本市で調査研究活動を行う大学を誘致するとともに、テーマに応じて市内に鹿角版サテライトキャンパスを設置し、本市で学ぶ学生を増やしてまいります。また、研究成果は、市民公開講座で市民に報告するほか、市内の中・高校生向けの特別講義を開催し、中・高校生が地域の良さや課題に目を向け、新たな価値の創造や自主的な問題解決にチャレンジする意欲を育んでまいります。

移住定住の促進については、移住に関心のある子育て中のシングルマザーを対象とした移住体験ツアーのほか、オンライン相談や動画を活用した情報発信を積極的に展開してまいります。また、人口構造の若返りを目指し、若年層の呼び込みと若者定着によって地域社会の担い手を確保していくため、本市で働きながら奨学金を返還する方への支援を新たに実施してまいります。

魅力あるブランド農畜産品や高収益作物の生産拡大については、稲作中心から収益性の高い野菜や花きへの転換を図るとともに、主食用米から飼料用米などの新規需要米への転換をさらに進めてまいります。

ブランド農畜産品のうち、シンテッポウユリや啓翁桜などの花きについては、全国的に需要が高まる時期に合わせた出荷が可能であるほか、冬期作物としても安定収入が見込まれることから、さらなる生産拡大に取り組んでまいります。

また、「かづの北限の桃」をはじめとした果樹については、樹園地のマッチングと第三者への承継にかかる費用の支援により、生産面積の維持・拡大を図り、果樹産地としての基盤を強化してまいります。

「淡雪こまち」については、「みどりの食料システム戦略」を見据え、有機農業の足掛かりとして、引き続き、特別栽培米による作付を支援してまいります。

かづの牛については、頭数の維持・拡大を支援するとともに、枝肉出荷頭数100頭台の達成と早期GI登録に向け、関係機関や畜産農家と連携しながら、かづの牛のブランドの確立を目指してまいります。

付加価値を生み出す農産物加工の商品化については、農業者自らが農産加工品の開発や販路拡大を行う取組みを支援することにより、経営の高度化のほか、生産と販売の産業間連携を推進してまいります。

農畜産物の消費・販路の拡大については、国内市場が縮小傾向にあることを受け、農産物の輸出の機運が高まっていることから、県と連携して輸出に向けた可能性を探ってまいります。そのためにも、まずは、域内で流通や有利販売を確立していくことが重要であることから、地域商社とも連携し、販売環境を整えていくことで、農家の所得向上を目指してまいります。

稼げる観光振興に向けた滞在型観光の充実については、市内の民俗芸能などが一堂に会する鹿魂祭を、市制施行50周年を記念して「大鹿魂祭」として開催するほか、国立公園八幡平エリアでは、民間企業から人材の派遣を受け、魅力アップ構想を着実に進めてまいります。

また、令和3年度からスタートしております「観光産業成長戦略」において、これまでの取組みの成果や課題を踏まえ、「稼げる観光」のさらなる具現化を図りながら、戦略的に施策を展開してまいります。

DMOによる国際的観光地としての受入態勢づくりについては、満足度の高い観光地づくりを進めるため、デジタル・マーケティングによる分析やプロモーションを展開し、観光消費額の増加につなげてまいります。また、新たなターゲット層である欧米豪向けの情報発信を強化するとともに、質の高い観光を提供するため、新たなコンテンツの案内役となる観光ガイドを育成し、ホスピタリティの向上を図ってまいります。

次世代産業の創出については、地方を拠点とした企業展開が見込まれる情報サービス業などをメインターゲットとして企業誘致を推進してまいります。

エネルギー産業の育成については、カーボンニュートラルの実現に向けた実行計画を策定し、地域特性である豊かな再生可能エネルギーを活かした新たな製品やサービスの創出など、市内産業の活性化策の具現化を目指してまいります。

 

次に、経営戦略2の「『世界遺産のまち』をつくる」についてでありますが、

世界遺産のまちづくりについては、大湯環状列石の世界文化遺産登録1周年記念シンポジウムの開催のほか、体験学習やガイドのレベルアップ講座を実施するとともに、遺跡を適切に保全していくための環境を整えてまいります。

ヘリテージ・ツーリズムの推進については、本市の持つ歴史・文化の魅力を体感するプレミアムツアーのほか、北秋田市とも連携して体験型観光コースを造成していくことにより、「世界遺産のまち・かづの」としての認知度を向上させてまいります。また、引き続き大湯環状列石JOMON体感促進事業により、遺跡の持つ魅力をより深く、よりリアルに伝えられる体験プログラムの造成を進めてまいります。

 

次に、経営戦略3の「まちの経営力を高める」についてでありますが、

未来技術の導入については、市民サービスと利便性の向上を図るため、電子申請サービスを拡充するとともに、自治体DXによって行政事務の迅速化と効率化を図ることにより、施策推進の基盤となる行政の経営力を高めてまいります。

地域人材の育成、活動支援については、地域の課題解決やコミュニティの活性化に向けた取組みをさらに強化するため、市長と地域住民が意見交換する「地域づくりミーティング」を新たに開催し、市民や地域との対話を重ねてまいります。

自治会活動の充実については、地域活動の維持と活性化を図るため、地域づくりリーダー研修会の開催や、自治会元気づくり応援補助金などによる支援のほか、集落支援員のサポートによる集落の活性化に取り組んでまいります。

 

以上が、令和4年度に取り組む主な施策であります。

 

次に、諸般の報告について申し上げます。

 

はじめに、総務関係についてでありますが、

新型コロナウイルス感染症対策につきましては、感染力が高いとされるオミクロン株により、全国的にこれまでにないほど急速な感染拡大が続き、1月以降は、県内でも新規感染者数が200人を超える日が続くなど、感染拡大が続いております。

大館保健所管内においても、複数のクラスターが発生し、累計で700人を超える新型コロナウイルスの感染が確認されております。

県では、先月24日に県独自の感染警戒レベルを「3」に引き上げたことから、本市においても、まん延防止等重点措置区域との不要不急の往来や、不特定多数の飲酒を伴う会食や長時間の飲食を避けていただくなど、感染リスクの回避について、市ホームページやメール配信サービス、コミュニティFMを通して、市民に呼び掛けております。

また、臨時広報を発行して、家族が感染した場合や、自分が濃厚接触者あるいは接触者となった場合の対応、感染の不安がある場合の無料検査情報を周知するとともに、感染者に対する差別的扱いや誹謗中傷の防止についても注意を促しております。

市といたしましても、今後も油断することなく感染予防対策に取り組んでまいりますので、引き続き、市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

中心市街地の活性化につきましては、現在、市民アンケートや中心市街地活性化推進協議会でいただいた意見を踏まえながら、中心市街地活性化プランの策定を進めております。新たなプランでは、「多世代が安心して暮らせるまちなか」と「人が行き交う訪れたくなるまちなか」を基本方針に掲げ、まちなか居住の促進やまちなかエリアの魅力の向上に取り組むこととしており、プランを基に「コンパクトなまちづくり」を推進してまいります。

移住の促進につきましては、去る12月8日、移住に関心のある子育て中のシングルマザーを対象に、「雪国の暮らし方」オンライン相談会を開催し、4世帯の親子に参加いただきました。雪国の冬の暮らしや本市の除雪状況を紹介し、雪道の運転や除雪に対する不安や疑問への相談対応を通じ、雪国の生活について理解を深めていただく機会となりました。引き続き、オンライン等を活用した個別の移住相談等を実施し、移住に向けた取組みを進めてまいります。

国際交流につきましては、去る12月14日、外務省「地方視察ツアー」に参加いただいたボスニア・ヘルツェゴビナ駐日大使より、再度本市をご訪問いただいております。

その際、大使から本市との国際交流の可能性について発言があったことを踏まえ、今後情報交換をしながら、交流の可能性を探ってまいります。

 

次に、民生関係についてでありますが、

住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金につきましては、今月8日から、対象となる住民税均等割非課税世帯3,618世帯へ確認通知を発送しているほか、家計が急変した「家計急変世帯」ついては、今月14日から申請受付を開始しており、提出書類を受領後、順次、1世帯当たり10万円を給付してまいります。

新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、3回目の接種は、昨年12月27日に開始した医療従事者等に続き、1月24日からは一般高齢者への接種を開始いたしております。3月までは市内10医療機関で個別接種を実施し、4月以降は集団接種を併用して実施する予定としております。

今月20日時点の接種状況については、1回目接種を終えた方が25,415人、2回目接種を終えた方が25,265人、3回目接種を終えた方が6,087人となっております。

感染の急拡大に伴い、国からの接種間隔の前倒しの指示を受け、本市においても高齢者への接種を7カ月に前倒しして実施しているほか、予約枠に余剰分が生じた場合は、エッセンシャルワーカーへの接種を随時行い、ワクチンの有効活用と接種の加速化に努めております。引き続き、接種希望者が安心してワクチン接種ができるよう、きめ細やかな周知に努めながら、関係機関と連携して接種を進めてまいります。

 

次に、農業関係についてでありますが、

令和3年産の主食用米の作付け状況につきましては、「生産の目安」である1,992ヘクタールに対し、作付け面積は、1,987ヘクタールで生産の目安を達成した状況であります。本市全体の収穫量は1万1,200トンと公表されております。

令和4年産米の「生産の目安」については、全国的な米の需要に加え、在庫の動向や秋田県産米のシェア率などを勘案し、鹿角地域農業再生協議会では、令和3年産米と同様に飼料用米などへの作付転換によって需給バランスを保つこととし、昨年より2ヘクタール少ない1,990ヘクタールと定め、JA等に提示しております。

リンゴにつきましては、4月中旬の霜害の影響により、1月末でのJAへの集荷量は前年比約70%と減少し、販売額も前年度を下回る状況となっておりますが、全国的に不作傾向にあったことから、販売単価は3割程値上がりし、販売額の減少は1割程に留まっております。今後につきましても、好評を得ている、ふるさと納税の返礼品への活用やアジア圏への輸出分の拡大など、関係機関と連携しながら、さらなる販売強化を図り、果樹農家の所得向上につなげてまいります。

木育の推進につきましては、「木育推進ワークショップ」において、幼少期から木材に親しみ、愛着や森林への理解を深めることを目的に、鹿角産材を利用した玩具を製作することなり、ワークショップの参画団体等が、木の伐採から製品加工まで分担して製作することとしております。今後、製品を増産し、市内の1歳6か月児検診の対象者に贈呈するほか、本市の特産品としてふるさと納税の返礼品にも活用することで、地場産材の魅力向上と需要の掘り起こしにつなげてまいります。

 

次に、観光関係についてでありますが、

令和3年の観光客数と宿泊客数につきましては、観光客数は約103万人で、前年比で約16%の増となりましたが、宿泊客数は約15万人で前年比約7%の減となっております。月別では、市独自の観光応援事業がスタートした6月は、前年同月比を上回る約200%の入込みとなったほか、10月以降は県内や近隣からの教育旅行の増加により、回復傾向が見られておりました。

しかし、1月以降は、全国的な新型コロナウイルスの感染急拡大により、観光客数の減少や宿泊客のキャンセルが相次ぐ状況となっております。今月の国体や、現在開催中の全日本学生スキー選手権大会により、2月の宿泊客数は一定の入込みがあるものと捉えております。

 

次に、商工関係についてでありますが、

市内の雇用情勢につきましては、昨年12月末現在のハローワーク鹿角管内の月間有効求人倍率は1.73倍で、前年同月比で0.4ポイント増加しております。新規求人は、製造業、医療・福祉などを中心に9カ月連続で増加しているものの、新規求職者数は減少傾向にあり、再び人手不足が顕在化しております。

12月末現在の新規学卒者就職内定状況につきましては、縁故、公務員を除いた就職希望者73人全ての就職先が内定しております。内定者のうち県内は57人で前年比13人増、鹿角管内は41人で前年比11人増となっており、県内内定率78.1%、管内内定率56.6%と高い内定率となっております。コロナ禍により地元志向が強まったことに加え、これまでの取組みにより地元企業への理解が深まってきたことによるものと捉えており、引き続き、高校生の市内就職に向けた取組みを進めてまいります。

リモートワークの推進につきましては、まちなかオフィスにコワーキングスペースを整備し、2月1日より供用を開始しております。顔認証登録による入退場管理システムを導入し、夜間や土日・祝日も利用可能としていることから、多くの方に利用いただけるよう周知してまいります。

新型コロナウイルス感染症にかかる経済・雇用対策につきましては、商工関係では、地域雇用維持支援金については、2月20日現在で11社に対し約303万円を交付しており、689人の雇用の維持につながっております。昨年夏から秋にかけての第5波の影響を受けた事業者に対する事業継続支援金については、11月末で受付を終了しておりますが、159事業者を支援しております。

1月末で使用期限を迎えた販売総額約6億円のプレミアム付商品券については、6億1万8,500円分が換金され、換金率は99.8%となっております。

観光関係では、本市独自のプレミアム観光券については、1月末までに9,108セットが販売され、利用率は約95%となっております。引き続き、コロナ禍に伴うキャンセル等の状況を把握しながら、観光業界の需要回復につながる取組みを進めてまいります。

 

次に、教育関係についてでありますが、

今年度スタートした「ふるさとかづの絆プラン事業」につきましては、市内の小・中学校が、ボランティアガイド交流や農作物の収穫体験交流、伝統芸能の相互発表交流など、小・小連携及び中・中連携を積極的に実施し、年間の相互交流の目標を達成しております。

活動の発表会については、コロナ禍により残念ながら中止となりましたが、各校の活動内容を動画配信や文化の杜交流館コモッセにパネル展示したことにより、児童・生徒のほか、幅広い市民の方々に事業の成果をご覧いただけたものと考えております。

ICTを活用したGIGAスクール構想につきましては、各小・中学校においては、学習活動のほか、日常の健康観察、各種アンケートの実施、臨時休業中のオンライン学習など、積極的にタブレット端末を活用いたしております。昨年12月に行われました秋田県学習状況調査の結果、本市における授業でのタブレット端末利用頻度は、小・中学校を合わせて42.9%で、全県平均の28.4%を大きく上回っております。特に中学2年生では、県平均26.4%に対し、本市では65.8%で、授業で頻繁に利用されている状況が調査結果に表われておりますので、引き続き、児童・生徒が情報活用能力を高められるよう、学習活動等に積極的に活用してまいります。

コロナ禍により開催を延期しておりました令和3年度成人式につきましては、去る1月9日、文化の杜交流館コモッセを会場に開催し、対象者285人のうち、153人が出席いたしました。当日は、成人式の様子をオンラインで視聴することができるようにしたほか、新成人による実行委員会が企画から進行までを主体的に行うなど、コロナ禍にあっても充実した成人式となりました。

スポーツによる交流人口の拡大につきましては、「第77回国民体育大会冬季大会スキー競技会」は、2月17日から20日までの日程で、無観客やさまざまな感染症対策を講じた中で開催されましたが、無事、全日程を盛会裏に終了いたしております。また、「第95回全日本学生スキー選手権大会」については、一昨日から27日までの日程で開催中であり、熱戦が繰り広げられております。

 

次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、

一般会計では、地籍調査委託料等の追加、道路補修工事費の追加、橋りょう補修工事費の追加などのほか、実績見込みによる各事業費の調整を中心に編成いたしました。

その結果、補正額は合わせて8,170万2千円の増額となり、補正後の予算総額は202億3,433万4千円となりました。

このほか、介護保険事業特別会計では、債務負担行為の追加、上水道事業会計では、消費税及び地方消費税納付金の追加等、下水道事業会計では、流域下水道鹿角処理区建設費負担金の追加など、実績の見込みに基づく調整を中心にそれぞれ補正を行っております。

 

本定例会には、財産の貸付案件1件、条例案件9件、補正予算案件5件、当初予算案件6件、あわせて21件のご審議をお願いいたしております。

詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜りますようお願いいたします。

この記事に関するお問い合わせ先

総務課 行政班

〒018-5292 秋田県鹿角市花輪字荒田4番地1
電話:0186-30-0203 ファックス:0186-30-1122
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