令和3年第5回鹿角市議会定例会(行政報告)

更新日:2024年02月01日

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令和3月11月29日報告

令和3年第5回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 

はじめに総務関係についてでありますが、

対話行政につきましては、より多くの市民の声を伺いたいとの私の想いから、対話や交流の場を創出する新たな取組みとして、直接、市民と対話を行う「いつでも市長室」を、9月17日からスタートしております。

これまで、7組、70人の方々と意見交換を行っておりますが、廃校舎の再利用に対するご意見のほか、子どもが実践しているSDGsなど、特色ある取組みを伺っております。引き続き、こうした対話などを通して、市民の声や活動を幅広く伺いながら、地域の課題の把握と地域活性化策の検討を進めることで、市民の皆様のご意見を市政に生かしてまいります。

災害への対応力のある地域づくりにつきましては、去る10月3日、十和田市民センターを会場に、周辺の自主防災会や自治会などから参加いただき、鹿角市総合防災訓練を実施いたしました。

大規模な地震が発生したとの想定のもと、災害発生後の初期対応として、現地指揮本部の設置をはじめ、情報の収集・伝達、避難誘導、さらには倒壊建物からの救出救護や初期消火など、住民が主体となった訓練を実施しております。今回の訓練を通して、改めて防災意識の重要性を確認するとともに、地域防災力の向上と関係機関との連携を強化してまいります。

ホストタウン推進事業につきましては、平成30年度から活動いただいた国際交流員のダンコー・アンドレアさんが、約3年の任期を終え9月末で退任されました。

新型コロナウイルス感染症の影響により、制約がある中での活動となりましたが、ハンガリーの文化に親しむイベントや情報発信など、精力的に活動いただき、市民の国際理解の向上に貢献いただきました。

帰国にあたり、総務大臣から「JET絆大使」に任命されており、今後とも、本市とショプロン市との友好交流の懸け橋として、ご尽力いただけるものと期待しております。

ふるさと鹿角応援寄附につきましては、11月21日現在、寄附件数は8,679件、金額では1億1,769万7,763円となり、前年同期と比較し、寄附額で43.1%の増と大幅な増加となっております。例年、寄附額が大きく伸びる年末に向け、関連事業者と連携を密にし、りんごや米、きりたんぽなど、本市が誇る特産品の魅力を最大限に伝えながら、より多くの方々から応援をいただけるよう取り組んでまいります。

移住の促進につきましては、去る11月6日から7日までの日程で移住ツアーを開催し、首都圏在住で移住に関心のある親子4世帯9人から参加いただきました。女性が働きやすい事業所等の紹介や子育て施設、街並み、スーパーマーケットなどの見学をはじめ、自然豊かな景色や温泉、特産品などの多く魅力に触れていただいたほか、地元住民との交流を図っております。参加者からは、本市の子育て環境や、田舎暮らしの良さを評価する一方で、冬の生活や雪に対する不安の声も寄せられたことから、今後、開催予定の「冬ぐらし」体験ツアーや、きめ細かな相談対応を通して、不安の解消に努め、移住につなげられるよう取り組んでまいります。

若者世代ふるさとネットワーク構築事業につきましては、進学や就職のために市外に転出した25歳未満の若者を対象に、ふるさとへの愛着やつながりを継続していく取組みとして、10月1日から、鹿角家U25(かづのけアンダー25)の会員の募集を開始いたしました。10月末までの1カ月間で30人を超える方から加入いただいており、入会者からは、地元愛の強さやつながりを望むようなコメントも寄せられております。

今後は、年明けに開催する成人式で取組みを周知し、さらなる会員の拡大を図るとともに、広報等を通じて市内にいるご家族からもご賛同いただけるよう、情報発信を進めてまいります。

 

次に、民生関係についてでありますが、

地域福祉につきましては、灯油価格の高騰による市民生活への影響を軽減するため、低所得世帯に対して灯油購入費の一部を助成することとし、関連予算を本定例会に提案いたしております。

医師確保対策につきましては、去る11月7日に、医療職を志す中・高校生のためのシンポジウムを開催いたしました。シンポジウムには、本市の医師修学資金制度を利用し、現在、県内の医療機関で研修されている研修医をはじめ、歯科医師、薬剤師、看護師など、実際に医療専門職として勤務されている方を講師に迎え、地域で医療職を目指す生徒達にとって、直接、話を伺うことができる貴重な機会となっております。

令和4年度の保育園等の入園申込みにつきましては、今月1日から申込みを開始しておりますが、来年度の申込みから、出産を予定している方や、現在育児休業中で年度途中から職場への復帰を予定している方からも、「入園の仮申込」をしていただくことといたしました。年度途中からの入園も含め、年間の保育需要を踏まえて保育士を配置することにより、保育環境のさらなる充実を図ってまいります。

高齢者のネットワークづくりとなる会食サービス支援事業につきましては、今年度から、自治会で敬老会を開催する際にも利用できるよう、制度を拡充しておりましたが、利用実績は80自治会、2,580食となり、多くの方々に利用していただき、好評をいただいております。

認知症対策につきましては、今年度も、認知症サポーターからステップアップした「オレンジサポーター」12人を認定しております。

また、去る10月31日に、文化の杜交流館コモッセを会場に開催した「認知症市民セミナー」には、定員150人に達する参加をいただき、認知症に対する理解を深めていただいております。引き続き、高齢者が元気に過ごすことのできる生きがいづくりと、地域で高齢者を支える体制づくりを進めてまいります。

新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、9月26日で集団接種は終了し、それ以降は個別接種により、新規12歳到達者や接種希望者の接種を行っております。11月14日時点で、65歳以上の高齢者の93.6%が2回目接種を終え、接種対象者全体では、1回目接種を終えた方が91.1%、2回目接種を終えた方が90.4%となり、当初の想定を上回る接種率となっております。

3回目接種については、2回目接種から8カ月経過した方を対象に順次進めていくこととなっており、本市では、先行接種の対象者となる医療従事者の接種を令和4年1月から開始する予定としております。住民接種は、令和4年2月から個別接種を開始し、4月以降は集団接種を並行して実施できるよう準備を進め、ワクチン接種希望者が安心して接種できるよう、きめ細かな周知に努め、関係機関と連携を図りながら万全の体制を整えてまいります。

地域コミュニティの維持と活性化につきましては、4つの自治会が、集落支援員活動事業を活用し、それぞれの地域資源等を生かした活性化事業に取り組んでいるほか、集落の現状を把握する状況調査を実施した15自治会でも、順次、事業計画の策定に向けた話し合いを進めていくこととしております。

また、自治会役員の担い手不足や世代間の交流促進などの課題解決をテーマに実施している地域づくりリーダー研修会については、男女共同参画の視点を取り入れた自治会運営や地域活動を促進するため、今年度も「秋田県地域の女性リーダー育成事業」と合同で開催いたしました。女性の自治会活動への参加を促すことにより、コミュニティ活動の維持や活性化が図られるよう、引き続き支援してまいります。

男女共同参画社会への推進につきましては、本市では、男女が共に働きやすく、仕事と生活の調和の取れた職場づくりに取り組んでいる企業に対し、ワーク・ライフ・バランス優良企業として表彰しておりますが、今年度は株式会社青山精工と医療法人寿光会を表彰いたしました。

表彰式と併せて開催した基礎講座では、昨年度に表彰した株式会社浅利佐助商店から、「働きやすい職場づくりや女性の活躍推進に向けた取組み」について講演いただき、働きやすい環境と、仕事と生活の調和の取れたライフスタイルをPRする機会となりました。引き続き、職場や家庭、地域等で、男女が対等に参画できる社会づくりを進めてまいります。

 

次に、農業関係についてでありますが、

このたび、農事組合法人永田ホープフルファームが、「令和3年度豊かなむらづくり全国表彰事業」において農林水産大臣賞を受賞いたしました。水稲や枝豆、スイートコーンなどの複合経営の実践や、地域ぐるみで農地の維持と景観形成を推進するなど、活発な地域コミュニティ活動が高い評価を受けたものでありますので、引き続き、本市の農村地域の活性化に取り組んでまいります。

令和3年産米の作柄につきましては、田植期以降、気温が平年を上回り、登熟期の生育も順調に推移したことから、現時点で一等米比率は90.1%となっております。また、本市を含む県北地域の作況指数は「103」の「やや良」で、10アール当たりの予想収量は、577キログラムと公表されており、十分な収穫量を確保できております。

昨年の全国的な豊作で在庫が例年以上に増加したことに加え、コロナ禍による巣ごもりの影響により、業務用米の需要が激減したことで、在庫量が大きく増加し、令和3年産米の概算金は大幅な下落となりました。また、燃料費をはじめとする生産コストが高止まり傾向にあり、農業経営をひっ迫させている状況にあることから、国や県、関係機関と連携し、次期作に向けた対策を検討してまいります。

野菜につきましては、キュウリやトマトなど主力作物は、天候がおおむね順調に推移したことから、昨年を上回る収量となりましたが、価格面では、収量が少なく高値となった昨年と比較し、平年並みの単価で推移したことから、販売額は減少しております。

「北限の桃」につきましては、肥大時期の天候が安定したことから、JAの集荷量は前年比102%となり、販売額も前年とほぼ同額の1億3,800万円となっております。また、産直販売やふるさと納税返礼品での売上げが好調で、認知度も向上し需要がますます高まっていることから、引き続き、関係団体と連携し、生産指導や作付拡大を支援しながら、ブランド力の向上に取り組んでまいります。

畜産につきましては、去る10月26日に鹿角家畜市場へ短角・褐毛の子牛、合わせて58頭が上場され、52頭の売買が成立しております。このうち日本短角種は42頭が取引きされ、税抜きの平均価格は、23万4,000円程で、昨年を3万3千円程下回る結果となりました。コロナ禍における外食需要の減少が、価格の下落に影響したものと捉えておりますが、今後につきましても、畜産農家や関係団体と連携を図りながら、計画的に増頭対策に取り組むとともに、枝肉出荷頭数100頭台を目指し、一層の販売促進に努めてまいります。

農村の有する多面的機能の維持につきましては、「令和3年度 秋田の原風景を守り継ぐ優良表彰」において、大久保農地保全会が最優秀賞、水沢農地保全管理組合が特別賞を受賞いたしました。

多面的機能支払交付金や中山間地域等直接支払交付金を活用した農地維持や地域活動の実績が評価されたものであり、引き続き、農村の有する多面的機能の維持や農村の原風景につながる取組みを推進してまいります。

森林経営管理につきましては、森林経営管理制度に基づき、令和元年度に意向調査を実施した八幡平玉内、小豆沢地区の135.5ヘクタールの経済林について、経営管理実施権の設定を受ける民間事業者を募集し、審査によって鹿角森林組合を選定し、再委託しております。

国土調査が行われている地区を優先し、順次、森林経営管理を進めており、令和2年度に意向調査を実施した湯瀬、小豆沢碇地区については現地調査を終了したほか、新たに松館、長牛地区については、地元説明会を実施し、意向調査を行っているところであり、早期に再委託へ結びつけられるよう、民有林の適切な経営と管理に努めてまいります。

 

次に、観光関係についてでありますが、

大湯環状列石JOMON体感促進事業につきましては、現在、食のプログラムの造成に取り組んでおり、専門家から成る第2回目の検討委員会を10月28日に開催し、土器の付着物分析など、科学的な根拠に基づく縄文食の復元に努めることとしております。また、並行して、土器のレプリカ制作や、煮炊き実験、食材の採集などのほか、料理専門家による食材の視察などを行い、食用の器、食材の検証とメニュー開発に取り組んでいるところであり、1月にはモニターツアーを開催する予定としております。

ヘリテージ・ツーリズム推進事業につきましては、9月に大湯環状列石等をコンテンツとしてオンラインツアーを開催するとともに、外務省との共催により、今月18日から19日までの日程で駐日外交団のツアーを開催し、本市が誇る歴史・文化遺産の魅力を発信いたしました。また、ジュニアガイドの育成研修のほか、関係するDMO同士の連携により、世界遺産ツアーやお土産となるお菓子の開発・販売など、民間主体の取組みも活発に行われております。

北東北3県居住者を対象としたプレミアム観光券につきましては、長引くコロナ禍の状況を踏まえ、利用期間を令和4年1月末まで延長しておりますが、10月末までに、宿泊券が1万6,324枚、観光券が3万2,021枚利用され、利用率は約8割となっております。

また、誘客拡大と観光客の市内周遊を促すために6月1日から10月31日まで実施した観光スタンプラリーには、8,374人から応募があり、当選した666人に本市の特産品を贈呈しております。スタンプを設置した多くの施設で来館者数が増加するなど、誘客促進が図られております。

コロナ禍により開催を延期していた「鹿魂祭」につきましては、11月13日、14日の両日に、鹿角観光ふるさと館あんとらあを会場に開催いたしました。あんとらあのリニューアルオープン記念とヘリテージ・ツーリズムの推進を目的に、市内7つの伝統芸能の披露のほか、特産品の販売ブースや飲食コーナーの設置などを行い、2日間で約6,000人からご来場いただいております。

 

次に、商工関係についてでありますが、

コロナ禍における経済・雇用対策につきましては、11月9日現在、地域雇用維持支援金は、8社から約234万円、事業継続支援金は、116社から3,321万円の申請を受け付けております。

プレミアム付商品券については、約6億円分が完売となっておりますが、11月9日現在、発行額の約85%となる5億1,000万円が換金済みとなっております。

 

次に、建設関係についてでありますが、

市道除雪につきましては、去る11月18日に、関係者や受託業者による除雪会議を開催し、除雪計画に基づく体制を整えております。

今期は、市道に農道等を加えた約555キロメートルについて、除雪機械110台により除雪作業を実施することとしており、冬期間における安全・安心な道路交通の確保に努めてまいります。

 

次に、教育関係についてでありますが、

鹿角市総合教育会議につきましては、去る11月1日に開催し、世界文化遺産の登録を受けた大湯環状列石などを活用したヘリテージ・ツーリズムの推進について、教育委員と意見交換を行いました。委員からは、子どもの頃から遺産の価値を理解していくことの重要性や、文化財としてのストーリー性を持った観光PRをしてほしいといった、文化財の保存と観光資源としての活用など、さまざまなご意見をいただきました。

本市が有する70を超える文化財について、多くの市民が誇りを持ち、保存と効果的な活用の推進に取り組んでいくことで、全国や世界に認められる文化遺産のまちを目指してまいります。

大湯ストーンサークル館の入館者状況につきましては、イコモスの勧告、世界文化遺産への正式登録により、多くの見学者が訪れております。県内の修学旅行や全国からのバスツアーなどの団体利用が大きく伸び、入館者数は10月末までに2万6,000人を超え、過去10年間で最も多い状況となっております。また、ガイドの依頼も900件を超え、昨年、一昨年を大きく上回る状況にあることから、引き続き、見学者のニーズに対応できるよう、ガイドのスキルアップと人員の確保に努めながら、大湯環状列石のさらなる魅力の発信と、受入態勢の強化に取り組んでまいります。

全国ジュニアサマーノルディックスキー大会につきましては、去る10月8日から10日までの日程で開催し、全国各地から220人の選手が参加いたしました。例年、ローラースキースプリント競技については花輪商店街で開催しておりましたが、競技会場を花輪スキー場に変更するなど、徹底した感染予防対策を講じて開催したことにより、大会後に感染者が報告されることも無く、成功裏に終了しております。

第77回国民体育大会冬季大会スキー競技会につきましては、令和4年2月17日から20日までの日程で開催する予定でありますが、安心して大会を運営できるよう、運営スタッフや参加選手団へのPCR検査を義務化するほか、会場内に感染症対応の救護所を設置することで、陽性者が発生した場合であっても地域医療に影響を与えないよう、万全の対策を講じてまいります。

 

次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、

一般会計については、福祉灯油購入費助成金の追加、子育て世帯への臨時特別給付金等の追加、財政調整基金積立金の追加、ふるさと鹿角応援寄附推進事業費の追加、障害者自立支援扶助費等の追加、新型コロナウイルスワクチン接種事業費の追加、除雪委託料の追加等を計上しております。

その結果、補正額は、合わせて10億8,705万1千円の増額となり、補正後の予算総額は192億6,264万4千円となりました。

特別会計については、国民健康保険事業特別会計では、一般被保険者療養給付費の追加等、後期高齢者医療特別会計では、保険料還付金の追加等、介護保険事業特別会計では、地域密着型介護サービス給付費の追加等を行っております。

本定例会には、指定管理者の指定案件1件、市道案件1件、条例案件5件、補正予算案件5件、合わせて12件のご審議をお願いいたしております。

詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。

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