地籍調査をすると、何かいいことがあるの?
地籍調査を行うことで、それまであいまいに設定されていた土地の境界が科学的かつ総合的に定められます。
ですので、地籍調査で土地の境界が定まれば、境界を定めたときに打った杭が東経○○度、北緯○○度に打たれたということが記録されていますので、後々になっても境界が正確に復元できます。
そのため、売買などの取り引きや、将来的に境界問題が発生したときにも当時の調査結果を基にして交渉や問題解決をスムーズに進めることが可能です。
具体的なメリットについては、主なものを以下にまとめたのでご参照ください。
1.境界問題が発生したときに解決の一助となります
地籍調査が入っていない地域でよく聞かれるのがトラブルです。
土地の境界というものは目に見えないものですので、自分の土地と隣接する方の土地がどこかはっきりしていないと、トラブルを引き起こす原因になることがあります。
鹿角市にも 「山に土地を持っているが、隣接する土地の人が私の土地に生えている木まで伐採してしまった」 ですとか、「固定資産税で課税されている土地がどこか分からない」 などといったご相談をお受けすることが多々あります。
地籍調査が完了した土地の場合、調査に基づいた成果により地籍がしっかりと確認できますし、現地においては境界をはっきり復元することも可能ですので、こういったトラブルを回避することが可能です。

2.公共工事などがスムーズに行われます
新しい道路を通したり、都市部の再開発などを行う際、地籍調査が行われている土地では、そうでない土地と比べて工事がスムーズに進行します。
このような大規模な工事の際は買収や整備のために土地の境界確認が必要不可欠です。
この境界の確認の際、地籍調査が行われている土地ではその成果を利用できるので、新たに地籍を調査する必要がなくなります。逆に地籍調査が行われていない場合は境界確認を一からやらなくてはならず、そのためには莫大な費用と時間を費やしてしまうことになるため、工事がスムーズに行えないことになってしまいます。


3.災害復興のための基礎的なデータとなります
未だ記憶に新しい東日本大震災ですが、このような大規模な震災の復興にあたっても、地籍調査の成果が迅速な復旧・復興の役に立ちます。
災害復旧で重要なものに、水道や電気などのライフラインの確保、道路などのインフラ整備の復旧や住宅の再建などがあります。
ですが、いくら急務とはいえ土地の権利を無視しての復旧は行うことはできないので、まずはじめに土地の境界を確認する必要が出てきます。
ところが、東日本大震災の際津波に襲われた地域や大規模な土砂崩れが発生した地域のニュースを見ても分かるように、もはやどこに土地の境があったのかを調査するのが困難な状況になってしまう場合が見受けられます。
そのような場合においても、地籍調査が入っている地域では土地の境界を座標を基にして正確に復元できるので、境界確認が復旧・復興の妨げになりません。

4.適切な森林管理にも繋がります
鹿角市の森林面積はおよそ56,212ha、総面積の実に81%を森林に覆われた緑豊かな市です。
森林は、地球環境保全、土砂災害防止、水源の確保など、多くの有益な効果を有しています。
この森林の機能を最大限に生かすために間伐作業が行われるわけですが、地籍調査を実施していない山間部では土地の境界が不明瞭なために、充分な間伐が行われない森林も見られます。
地籍調査により境界がはっきりしていると、ある土地の間伐をする際に隣接する土地の樹木まで伐採してしまった、ということも未然に防ぐことができ、適切な森林管理を行うことができます。

5.個人で行うと莫大な費用がかかりますが、地籍調査は無料で行えます
例えば、まだ地籍調査に入っていない土地を売買したり分筆(ぶんぴつ/1筆の土地を2筆以上に分けること)や合筆(がっぴつ/2筆以上の土地を1筆にまとめること)をしようとしたとき、境界をはっきりさせるためにその土地の測量をする必要が出てきます。
測量には測量士の高度な測量技術や経験が必要になるので、場所によっては数十万円~数百万円の費用がかかる場合もあります。
地籍調査では境界の確認や、条件に適った場合は分筆、合筆の処理を同様に行うことができますが、調査に係る負担は一切ありません。
ただし、調査では実際に現地へ出向いて確認を行いますが、その際に発生する旅費や、お昼をまたぐ場合の昼食代などはご負担をお願いしております。

更新日:2024年02月01日