大湯環状列石出土品

更新日:2024年12月06日

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読み:おおゆかんじょうれっせきしゅつどひん

大湯環状列石出土品325点(土器26点、石器1点、土製品196点、 石製品102点)

大湯環状列石出土品の写真
県指定有形文化財(考古資料)
  • 指定日:平成22年3月12日
  • 所在地:十和田大湯字万座45(大湯ストーンサークル館)
  • 所在地:秋田市金足鳰崎字後山52(秋田県立博物館)
  • 所有者:鹿角市教育委員会

特別史跡大湯環状列石は、鹿角市十和田大湯字万(まん)座(ざ)に所在する、万座と野(の)中(なか)堂(どう)の環状列石を中心とした縄文時代後期前葉~中葉(約4000~3500年前)の遺跡である。遺跡は、2つの環状列石と墓坑、これに隣接して巡る掘(ほっ)立(たて)柱(ばしら)建(たて)物(もの)跡(あと)、その周辺部の配石遺構などで構成される祭祀域である。

大湯環状列石から出土した遺物は、素材により土器や土製品と、石器や石製品に分けられる。土器破片を除いた出土遺物点数は17,298点で、その中でも全体の形をとどめる優品を指定対象とした。

土器には多様な器種があるが、中でも口縁に中空の突起が付く深(ふか)鉢(ばち)形土器、内面に文様を描いた浅(あさ)鉢(ばち)形土器、土器の内側底部に動物形土製品を貼り付けた動物形土製品貼(はり)付(つけ)土器は、出土量が少なく貴重である。

土製品には、土偶や足(あし)形(がた)付(つき)土製品などが、石製品には、線(せん)刻(こく)礫(れき)や石(せき)刀(とう)などがある。足形付土製品は子供の成長を祈るものとして利用されたと想像できるが、出土品の多くは、具体的な使い方が不明で、儀礼や呪術などに関わるものと考えられる。

大湯環状列石には、夏至の日の入りと冬至の日の出に合わせた石の配置がみられ、また、墓や子供の成長を祈る遺物が存在する。季節の変わり目や人生の節目には祭りや儀式が行われたと考えられる。当時の人々の思いや世界観は直接現代には伝わっていないものの、本出土品は縄文時代の祭りや儀式の一端を物語るものである。

大湯環状列石出土品は、縄文時代後期に北日本各地につくられた環状列石の性格や、縄文時代の人々の精神文化を解き明かす資料として、極めて重要である。

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