木造弥陀三尊(阿弥陀仏・観世音菩薩・勢至菩薩)
読み:もくぞうみださんぞん(あみだぶつ・かんぜおんぼさつ・せいしぼさつ)
木造弥陀三尊(阿弥陀仏・観世音菩薩・勢至菩薩)3躯
中尊は阿弥陀如来で、脇侍として観世音菩薩、勢至菩薩を配している。
阿弥陀如来は衣を通肩に着け、現在は両手の指先を欠いているが、来迎印を結ぶと思われる。温容をたたえた尊顔だが白毫を欠いている。黒仏ともいわれるのは、信者が自分の患部と同じ所をさすると、快癒するといわれ、手垢で光るほど人々の篤い信仰を集めてきたことに因る。
観音菩薩は腰をかがめ、手に蓮台(この上に死者の魂をのせて運ぶ)を捧げる。勢至菩薩も腰をかがめ、合掌している。
3尊とも立像で、檜寄木造漆箔。極楽浄土からきて念仏の信者を迎える来迎の姿を示している。都の仏師による鎌倉時代後期の作とみられる。
寺伝によれば、この像はもと四国讃岐国志渡の浦の道場寺に安置されていたもので、源平の戦いの時、源義経に従って鹿角から出陣した4人の武士が戦死したため、そのうちの花輪次郎行房の従者が主君の菩提を弔うために持ち帰ったものという。 (像高 阿弥陀仏78.7センチメートル、観世音菩薩48.0センチメートル、勢至菩薩49.5センチメートル)
更新日:2024年12月06日