令和2年第5回鹿角市議会定例会(行政報告)

更新日:2024年02月01日

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令和2年9月4日報告

令和2年第5回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、

まずもって、熊本県をはじめとする九州地方や中部地方を中心に発生した、令和2年7月豪雨によりお亡くなりになられた方々に対し、衷心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、いまだ行方が分からない方々の早期発見、そして被災された皆様のご健康と一日も早い復興を重ねてお祈り申し上げます。

 

それでは、諸般の報告を申し上げます。

はじめに総務関係についてでありますが、

「新型コロナウイルス感染症対策」につきましては、首都圏及び大都市を中心に、依然として感染拡大が進み、県内においても、クラスターの発生が確認されるなど、新型コロナウイルスの脅威は、本市においても、身近なところまで迫ってきているものと危機感を持っております。

本市での感染事例は、現時点で確認されておりませんが、引き続き、「県外との往来自粛」や「3密の回避」、「マスクの着用」、「手洗い、咳エチケット」などの注意喚起により感染予防対策を進めながら、観光宿泊業における誘客促進や市内の消費喚起など経済対策に取り組み、感染予防と社会経済活動の両立に努めてまいりますので、市民の皆様には、改めて、ご理解とご協力をお願いいたします。

7月11日から12日にかけての大雨災害につきましては、11日から断続的に雨が降り、12日午前0時20分に災害警戒対策室を設置して警戒にあたりましたが、その後も強い雨が降り続き、12日の3時すぎには大湯川が水防団待機水位に達し、なおも上昇傾向にあったことから、午前3時53分に大湯川流域の20地区、1,552世帯に、警戒レベル3の「避難準備・高齢者等避難開始情報」を発令いたしました。さらに、6時すぎには、末広周辺の米代川も同水位に達したため、午前6時37分に石野地区と大欠地区に、その後、午前7時54分には、米代川流域の34地区、2,653世帯に、警戒レベル3を発令いたしました。

市内9カ所に開設した避難所では、11世帯19人を受け入れましたが、12日の正午には雨も収まり、浸水被害や土砂災害のおそれが低くなったことから、午後2時30分に警戒レベル3を解除し、避難所を閉鎖いたしました。

被害状況については、人的被害や農作物への大きな被害は免れたものの、路肩の崩壊や法面からの土砂の流入、路面の冠水などにより、市道5路線と西山農免道路が通行止めとなったほか、宅地や農地、農業用施設等で被害が発生しておりますので、被害状況に応じて国の災害復旧事業等を申請してまいります。なお、国の災害復旧事業等の採択要件に満たない、小規模な農地や農業用施設の復旧工事費に対しましては、市独自の助成制度により支援しております。

第7次鹿角市総合計画の策定につきましては、人口減少が見込まれる中にあっても、人口構造の若返りによる持続可能な社会システムの構築を目指し、将来都市像を「ふるさとを誇り 未来を拓くまち 鹿角」とした基本構想案についてパブリックコメントを実施するとともに、基本構想案に基づく前期基本計画の施策体系及び成果指標の検討を行っております。「かづの未来会議」においては、本市の資源や可能性を活かした取組みを期待する意見が多く寄せられており、今後、鹿角市人口ビジョンの見直しや、第2期鹿角市まち・ひと・しごと創生総合戦略についても併せて検討を進め、引き続き市民のご意見を伺いながら、前期5年間の目標と取り組むべき事業を取りまとめ、年明け1月頃に策定予定としております。

鹿角ブランドの推進につきましては、高校生が主役となって、ふるさと鹿角の風景や食、歴史などの魅力を発信する「かづの高校生広報室」について、今年度、市内2高校の6人のメンバーにより第4期の活動をスタートさせております。メンバーそれぞれの鹿角に対する深い愛着と、メディアやSNSを活用した高校生ならではの感性を生かした情報発信力に、大いに期待しているところでありますので、若い世代の興味・関心を集められるよう、活動をサポートしてまいります。

防災体制の充実につきましては、本市では、現在、県が実施した市内の主要河川における浸水想定区域の見直し結果に基づき、新たな洪水ハザードマップを作成しておりますが、第1避難所の「錦木地区市民センター」が、大湯川が氾濫した場合に3メートル未満の浸水想定エリアとなることを確認し、大雨などの水害時においては、避難所として活用できないと判断いたしました。これにより、今後は、十和田市民センターにおいて対応するとともに、新たに毛馬内保育園を第2避難所に指定し、十和田市民センターの収容人員の不足が見込まれる場合には、直ちに毛馬内保育園を避難所として開設いたします。なお、地震など、水害以外の災害時においては、これまでどおり、錦木地区市民センターを優先して開設いたしますが、見直し後の避難所については周知徹底を図り、引き続き、災害対策に万全を期してまいります。

移住の促進につきましては、コロナ禍により、東京での移住フェアや相談会の中止が相次いでいることを受け、今年度は新たな情報発信ツールとして、YouTubeチャンネル2件による動画配信のほか、8月には、シングルマザーを対象に、初のオンラインによる移住相談会を開催いたしました。相談会では、本市の魅力や移住制度の紹介のほか、地元事業者3者によるオンラインPR等により、本市に興味を持たれた方もいるなど、充実した相談会となりました。今後は、「子育てママ応援移住ツアー」の開催を予定しており、感染予防対策を徹底しながらツアーの受入れを行うとともに、引き続き、積極的な情報発信と、NPO法人と連携した移住者へのサポート体制の充実を図ってまいります。

特別定額給付金につきましては、去る8月17日に申請期限を迎え、対象となる1万2,915世帯のうち、辞退者等を除く、1万2,873世帯から申請があり、申請率は99.7%でありました。支給総額は、3万112人分の30億1,120万円であり、人数に対する支給率は99.9%となっております。

 

次に、民生関係についてでありますが、

交通安全対策の推進につきましては、本市では、各関係機関や団体をはじめ、市民が一丸となって交通事故防止活動を推進しておりますが、去る7月20日に、交通死亡事故抑止継続730日を達成し、秋田県知事表彰と秋田県警察本部長顕彰を受けております。

今後も、交通安全対策の充実を図るとともに、交通ルールの順守と交通マナーの徹底に向け、交通安全意識の啓発に努めてまいります。

子育て支援につきましては、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策である臨時特別給付金として、児童一人につき1万円を給付する国の「子育て世帯への臨時特別給付金」と、1世帯につき1万円を給付する市の「子育て応援給付金」について、別に申請手続が必要な公務員支給対象者を除く、一般支給対象者1,604人への給付が完了しております。

また、児童扶養手当受給者を支給対象とする国の「ひとり親世帯臨時特別給付金」については、受給対象者221人に、基本給付として、1世帯5万円、第2子以降1人につき3万円を給付いたしております。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で家計が急変した方については、追加給付として、申請により1世帯につき5万円の給付が受けられるほか、所得制限や年金等の受給により、児童扶養手当の給付を受けていない方も本給付金の対象となる場合がありますので、引き続き給付金制度の周知を図り、子育て世帯の経済的な負担の軽減を図ってまいります。

放課後児童クラブについては、感染症予防のため、利用者にはマスク等の着用をお願いしておりますが、熱中症予防対策として、小学校の夏季休業前に、全ての放課後児童クラブにエアコンを設置いたしました。引き続き、感染症予防のために定期的な換気を行いながら、適切な保育環境を維持してまいります。

 

次に、農業関係についてでありますが、

水稲につきましては、草丈、茎数、葉数ともに順調に生育し、例年並みの出穂期を迎えていることから、今後も天候に注視しながら、病害虫防除の確実な実施と適期刈取りによる品質確保を周知してまいります。

果樹につきましては、桃は8月中旬に始まった「あかつき」に続き、主力品種の「川中島白桃」の収穫・出荷が始まりましたが、今年は、着果数が例年に比べるとやや多く、果実も順調に肥大し、糖度も良好でありますので、本市が誇る「かづの北限の桃」の美味しさを市場関係者等に、より強くPRしてまいります。

野菜や花きにつきましては、全国的な天候不順により、品薄傾向となったことから、枝豆やキュウリなど、野菜類全般にわたり高値で推移しております。また、本市の新たなブランド産品に位置付けているシンテッポウユリについては、日照不足の影響により作柄はやや不良でありましたが、お盆時期の市場予約分の収量は確保できております。今後は、秋彼岸需要に向け、安定した品質を維持できるよう、関係機関と連携して生産振興を図ってまいります。

鳥獣被害防止対策につきましては、今年のクマの目撃と食害等の通報件数は、8月31日時点で154件、被害件数は60件と、例年並みとなっておりますが、出没の少なかった昨年と比較しますと、1.6倍に増加しております。出没や農作物の被害報告は、7月中旬までは例年より少なく推移していたものの、7月下旬以降から急激に増加し、特に、花輪市街地の東側の住宅地での出没が多く、花輪中学校周辺では、日中の目撃が相次いだほか、十和田高原地区では、畜産への被害が連続して発生しております。

さらには、8月末に、高校生が襲われる痛ましい人身事故が発生いたしました。今後、収穫期を迎え、果樹を中心とした農作物被害や人里への出没が増えることが懸念されることから、引き続き、広報等による注意喚起や、メール配信サービスによる迅速な情報提供のほか、自己防衛策についての出前講座の開催など、関係機関と連携しながら、人身事故や農作物の被害防止策を強化してまいります。

 

次に、観光関係についてでありますが、

市内の宿泊業を応援する観光応援事業につきましては、北東北3県の在住者を対象とした、最大1万円引きの宿泊プラン・プラチナプランについて、去る6月29日より販売いたしましたが、予定していた1万泊分がわずか5日間で完売し、大きく落ち込んでいた宿泊者数は、昨年同期と比較し、7割程度まで回復しております。さらに、今月1日からは、東北6県在住者を対象に、3,000円の助成で、地域の特産品なども楽しむことができる宿泊プラン・ゴールドプランを開始しておりますので、ぜひ、多くの方々にご利用いただきたいと思います。

今年中止となった「花輪ばやし」と「毛馬内盆踊り」の夏祭り動画配信につきましては、去る8月19日、YouTubeチャンネルを利用したプレミアムライブ配信を行い、現在までの動画再生回数は約2万回となっており、多くの方から視聴いただいております。また、8月29日からは、オンラインでガイド付きの観光と市の特産品を楽しむことができる体験型オンライン観光商品を、地域DMOで販売しており、第1回目は、大湯環状列石をツアー形式で紹介し、事前に送付した特産品などを一緒に味わいながら、ツアー参加者とのリモート交流を行っております。今後も、コロナ禍においても楽しんでいただける企画や商品の販売等により、引き続き観光産業への影響を最小限に抑えられるよう積極的に取り組んでまいります。

 

次に、商工関係についてでありますが、

雇用関係につきましては、7月末現在の、ハローワーク鹿角管内における来年3月の新規学卒者に対する求人状況は、事業所は79社、求人数は193人となっており、昨年同期と比較して5社、50人の減少となり、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける形となっております。

管内3高校の就職希望者数は73人、うち県内希望者が42人で、昨年とほぼ同様となっておりますが、コロナ禍で就職活動の環境が変化したことにより、就職希望先を例年より早めに決定する生徒が多くなっている状況にあります。今年度からはSNSを活用した就職情報の配信事業を開始しており、地元就職情報交換会の中止の影響が生じることのないよう、引き続き、関係機関と連携しながら、高校生の地元就職を支援してまいります。

コロナ禍の経済・雇用対策につきましては、8月31日現在、コロナ対応資金の借入に対する利子補給助成が119件、地域雇用維持支援金14件、事業継続支援金167件の申請を受け付けており、緊急事態宣言の発出等で経済活動が大幅に制限されたことによる影響に対し、迅速に対応しております。また、需要回復を図る対策として、大手ECショッピングモール内への地域産品販売サイトの構築、プレミアム付き商品券・飲食券の販売を実施しており、引き続き、市内経済の動向を注視しながら、利用促進と消費喚起に努めてまいります。

 

次に、建設関係についてでありますが、

鹿角花輪駅前整備事業につきましては、全ての整備工事が完了し、供用を開始しておりますが、歩行空間を充実させ、通行の安全性を確保するとともに、段差や障害物を無くし、花輪ばやしなどの開催に配慮することにより、賑わいを生み出す空間へとリニューアルいたしましたので、昨年オープンした駅前観光案内所と併せ、市民をはじめ、多くの方々からご利用いただき、本市の玄関口として、皆様から愛される駅前広場となることを願っております。

 

次に、教育関係についてでありますが、

コロナ禍における市内小・中学校の状況につきましては、1学期は、臨時休業をはじめ、部活動やプールなど、あらゆる活動において自粛や制限が行われたものの、大きな混乱は見られなかったほか、臨時休業による各教科の学習進度の遅れについては、夏季休業日を短縮して授業日を設定したことにより、おおむね取り戻すことができております。

2学期以降は、延期となっていた運動会や修学旅行のほか、学習発表会や文化祭などの大きな学校行事についても、感染症の状況を十分に踏まえながら、また、感染防止対策をしっかり行った上で、可能な限り実施していく予定としております。

大湯環状列石を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録につきましては、本日から今月15日にかけて、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議・イコモスによる現地調査が行われており、大湯環状列石においては、6日に調査が行われる予定であります。現地調査に向けては、これまでに、縄文遺跡群世界遺産登録推進本部を中心として、文化庁および4道県の関係自治体と共に、総力をあげて準備を進めてきたところでありますので、世界遺産にふさわしいとの評価を得られるよう、万全を期して対応してまいります。

 

次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、

一般会計については、戸籍システム改修委託料の追加、新型コロナウイルス感染症緊急対策にかかる施設消耗品費および備品購入費等の追加、湯瀬地区の消融雪設備補修工事費等の追加、私立幼稚園施設型給付金の追加、体育施設の改修工事費の追加などを計上しております。

その結果、補正額は8,836万円の追加となり、補正後の予算総額は219億6,238万9千円となりました。

企業会計については、定期人事異動に伴う人件費の調整のほか、給水装置および配水管等の工事費の追加等を行っております。

本定例会には、報告案件1件、人権擁護委員の諮問案件1件、専決処分の承認案件1件、物品の購入案件1件、剰余金処分案件1件、補正予算案件2件、決算認定案件1件、合わせて8件のご審議をお願いいたしております。

詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。

この記事に関するお問い合わせ先

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