令和2年第6回鹿角市議会定例会(行政報告)

更新日:2024年02月01日

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令和2年11月27日報告

令和2年第6回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 

はじめに総務関係についてでありますが、

「新型コロナウイルス感染症対策」につきましては、7月から9月にかけての感染拡大の第二波が落ち着いてからは、首都圏を中心に感染者数は微増傾向でありましたが、11月に入り、全国的に感染が急激に拡大したことにより、第三波の襲来とされており、感染者が大幅に増加しております。

本市においても、11月12日に市内医療機関に勤務する医師への感染が確認され、その後、県が医療機関の関係職員と入院患者、外来患者のほか、系列の介護老人保健施設の職員と入所者を対象にPCR検査を実施した結果、本日までに、合計4例の感染が確認されております。

市内で初めて感染者が確認されたことを受け、市では、直ちに「鹿角市新型コロナウイルス感染症対策本部会議」を開き、その後の対応等について協議を行っております。また、市民に対し、市ホームページやメール配信サービス、コミュニティFMのほか、臨時広報を全戸に配付し、「人と人の距離の確保」や「マスクの着用」、「手洗いや咳エチケット」、「3密の回避」などの感染症対策の徹底を促すとともに、併せて、個人の特定や憶測による情報拡散など、感染された方々やそのご家族などへの誹謗中傷や差別的な言動を慎み、冷静な対応をしていただくよう、継続的に周知を行っております。

今後、本格的な冬のシーズンを迎え、新型コロナウイルスについても、インフルエンザウイルスと同様に、空気の乾燥と気温の低下などによる感染拡大が懸念されることから、危機感を一層強め、感染予防対策の徹底を呼び掛けてまいりますので、市民の皆様には、気を緩めることなく予防対策を講じてくださいますよう、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。

第7次鹿角市総合計画の策定につきましては、このほど、鹿角市人口ビジョンを改訂し、本市の総人口は、10年後の2030年に24,997人、人口ビジョンの最終年度となる2060年には14,205人と、国立社会保障・人口問題研究所の推計人口を上回って推移し、人口減少は続くものの、将来的には年少人口比率が安定し、生産年齢人口が老年人口を上回ると見込んでおります。

このような将来展望の中で、将来にわたり持続可能な社会システムを構築していくためには、年齢構成のバランスを改善していく必要がありますので、市民一人ひとりが幸せで未来に希望を抱いて暮らせるまちの実現を目指し、「ふるさとを誇り 未来を拓くまち 鹿角」を将来都市像に掲げ、結婚・出産・子育てなどの支援を充実させることで暮らしを守る基本戦略と、外貨獲得や移住の促進などによる攻めの経営戦略によって、将来都市像の実現を目指す基本構想案としております。

また、基本構想に基づく前期基本計画については、来年1月末までに取りまとめ、将来都市像の実現に向けた具体的な施策の体系と取組みの方向性を定めてまいります。

地域間交流の推進につきましては、去る11月20日に、本市での大学生の長期調査研究活動を通して、関係性を深めてきた学校法人武蔵野大学と「包括的連携協力に関する協定」を締結いたしました。

これにより、これまで本市で行われていた大学1年生の研究活動に加え、2年生以上の学生の専門的な調査研究活動が実施されることになり、高等教育機関を有しない本市において、大学生が継続的に本市で活動するサテライトキャンパス機能が新たに構築されることを期待しているところであります。また、大学との連携をさらに深め、学びの力を地域に、地域の力を学びに循環させる域学連携によって地域の活性化につなげてまいります。

鹿角ブランドの推進につきましては、シティプロモーション事業に認定された、東京都の戸越銀座商店街でのイベントが、去る10月2日から25日までの期間の土・日に開催されました。イベントでは、物産販売をはじめ、きりたんぽ鍋や鹿角ホルモンの提供、地酒の立ち飲みなどが行われたほか、店内でのPR映像の放映や、恋する鹿角新聞等の配布など情報発信も行われ、効果的なシティプロモーション活動が展開されております。

ふるさと鹿角応援寄附につきましては、11月24日現在、寄附件数は約6,640件、金額では約8,534万円となっており、寄附額の多かった前年同期と比較して、ほぼ同額で推移しております。また、12月10日からは、新たに三越伊勢丹ふるさと納税のポータルサイトを追加し、利用者層の拡大を図ってまいりますので、例年、寄附額が大きく伸びる年末に向け、返礼品協力事業者との連携を密にし、りんごや米、きりたんぽなど、鹿角が誇る特産品の魅力を発信しながら、より多くの方々から本市を応援いただけるよう取り組んでまいります。

移住の促進につきましては、9月に日本シングルマザー支援協会と共同で実施した「子育てママ応援ツアー」については、首都圏在住で移住に関心のある5家族15人が参加し、本市の保育園やスーパーマーケットのほか、市内3事業所の見学を通して、本市での生活をイメージしていただくとともに、移住者や市民との交流、温泉や旬の食を体験していただきました。参加者からは、「鹿角を大好きになった」、「想像していたより暮らしやすそうだった」などの感想をいただいた一方で、冬の暮らしや雪に対する不安の声が寄せられましたので、不安を取り除きながら、本市への移住に結び付けられるよう、引き続き、きめ細やかな移住相談を行ってまいります。

また、11月に実施した関係人口「鹿角家」ツアーについては、本市との継続的な関わりを希望している鹿角家の会員4人が首都圏から参加し、鹿角家の実家としている古民家の壁の漆喰塗りや市内での農作業体験などで交流を深めております。引き続き、本市を応援し、継続的に関わりたいと思ってくださる方を増やしながら、そうした方々のマンパワーを地域の活性化につなげられるよう、取組みを進めてまいります。

 

次に、民生関係についてでありますが、

地域コミュニティの維持と活性化につきましては、集落支援員活動事業を活用した5つの自治会が、それぞれの地域資源等を生かし、伝統文化の継承や交流の場の確保などを実施しているほか、集落の現状を把握する状況調査を実施した18自治会についても、順次、計画策定に向けた話し合いを進めております。

また、自治会役員のなり手不足や世代間の交流促進など、自治会が抱える課題の解決を図るため、毎年、地域づくりリーダー研修会を行っておりますが、今年度は、新たに、県の「地域の女性リーダー育成事業」と合同で開催したことにより、女性や若者の自治会活動への参加を促す機会としており、引き続き、コミュニティ活動の維持や活性化が図られるよう、支援してまいります。

地域福祉につきましては、高齢者や障がい者の権利や財産を守る成年後見制度について、制度の利用促進に関する基本的な施策を定める成年後見制度利用促進基本計画を今年度内に策定し、制度の利用促進を図ってまいります。

鹿角地域感染症仮設診療所につきましては、現在までに稼働の実績はありませんが、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に備え、引き続き地域における医療体制を確保していくため、仮設診療所の開設期間を来年3月31日まで延長し、PCR検査の体制を維持してまいります。

発熱患者等の相談、診療、検査体制につきましては、発熱等の症状がある患者については、11月16日から、まずはかかりつけ医などの身近な医療機関に電話で相談を行った上で、医療機関の指示に従って受診する方法に変更されたことから、変更内容について全戸配付の臨時広報や市ホームページに掲載し、市民が適切に相談や受診をしていただけるよう、周知しております。

介護予防につきましては、住民主体型の介護予防の取組みとして推奨している「シルバーリハビリ体操」については、3級指導士養成講習会を経て、今年度新たに18人が指導士に加わり、指導士総数は116人となっております。また、去る11月7日に、考案者である大田仁史(おおたひとし)氏をお招きして「シルバーリハビリ体操指導士合同研修会」を開催したほか、今月から2級指導士の養成講習会を開催し、指導士のスキル向上を図るとともに、より多くの高齢者の方々から体操教室に参加いただくための環境づくりに努めており、引き続き、健康寿命県内一を目指して取組みを進めてまいります。

認知症対策につきましては、今年度から、認知症サポーターからステップアップする「オレンジサポーター」の養成を開始しており、これまでに22人を認定しているほか、認知症に対する理解を深めるため、去る10月10日には、「認知症市民セミナー」を開催し、約150人の参加をいただいております。引き続き、地域で高齢者を支える体制づくりに積極的に取り組んでまいります。

 

次に、農業関係についてでありますが、

令和2年産米の作柄につきましては、出穂後の好天により登熟及び生育が順調に推移したことから、現時点で一等米比率は90.7%となり、前年から3.3ポイント上昇しております。また、本市を含む県北地域の作況指数は「105」の「やや良」で、10アール当たりの予想収量は、平年比30キログラム増の587キログラムと公表されており、十分な収穫量を確保できたものと捉えております。

野菜につきましては、露地栽培の収穫作業は10月でほぼ終了しておりますが、キュウリやトマトなど主力作物は、夏場の長雨や日照不足などの天候不順により、収量は昨年を下回る結果となったものの、野菜全般が全国的な品薄により高値で取引されたことから、販売額は増加しております。

「北限の桃」につきましては、結実数が多く、肥大時期の天候が安定したことから、相当数の収量を期待しておりましたが、収穫期にせん孔細菌病が増加したことに加え、9月上旬から中旬にかけての降雨により、果実の軟化や落下が多くなり、JAの集荷量は前年比80%に留まっております。しかしながら、果樹についても、天候不順で他産地の出荷量が減少し、市場価格が値上がりしたことから、販売額は前年比105%の約1億3,900万円となっております。本市の誇る「北限の桃」は、市場からの引き合いが多く、認知度と需要は高まってきておりますので、引き続き、関係団体と連携し、生産指導や作付拡大を支援しながら、生産量の増加を目指してまいります。

畜産関係につきましては、去る10月27日に鹿角家畜市場へ短角・褐毛を含めて57頭が上場され、54頭の売買が成立しておりますが、このうち日本短角種は40頭が取り引きされ、税抜きの平均価格は、昨年を8,571円上回る26万8,000円で、公共牧野の牧草の生育が良好であったことにより、子牛が順調に生育し、昨年を上回る取引価格につながったものと捉えております。今後につきましても、畜産農家や関係団体と連携を図りながら、計画的に増頭対策に取り組むとともに、枝肉出荷頭数100頭台を目指し、一層の販売促進に努めてまいります。

鳥獣被害防止対策につきましては、今年のクマの目撃件数及び被害件数は、昨年より3割ほど増えており、7月下旬から9月上旬の特定の期間に被害が集中したほか、花輪市街地東側の住宅地での出没や畜産への被害が相次ぐなど、これまでとは出没の傾向が変わってきております。

近年は、特に、クマの出没が市街地に近い場所で多発していることから、引き続き、関係機関と連携を図りながら、市民への情報提供や広報等による注意喚起に努めるとともに、鳥獣被害対策実施隊による迅速な駆除体制を維持してまいります。

 

次に、観光関係についてでありますが、

観光振興につきましては、市の観光応援事業として展開した、最大1万円を助成する宿泊プラン・プラチナプランについては、8月31日までの対象期間に1万189泊が利用され、当初想定していた1万泊を上回る実績となりました。また、9月1日からは、3,000円の助成で地域の特産品などを提供する宿泊プラン・ゴールドプランを販売しており、10月末現在で、約1万8千泊分が販売されておりますが、引き続き多くの方に利用いただけるよう、PRを継続してまいります。市の宿泊応援プランは、秋田県プレミアム宿泊券や国のGo Toトラベルとの併用が可能であることから、それらとの相乗効果もあり、観光客や近隣からの修学旅行による入り込みが徐々に増加しており、観光客数及び宿泊客数は、前年比約80%まで回復しております。

また、コロナ禍における新しい旅行のスタイルとして、歴史文化や食、スポーツなどをオンラインで体験することができる観光体験ツアーを実施し、好評を得ておりますので、引き続き、コロナ禍で苦境を強いられている観光業界の需要回復に向け、積極的に取り組んでまいります。

 

次に、商工関係についてでありますが、

雇用関係につきましては、9月末現在の、ハローワーク鹿角管内における来年3月の新規学卒者の求人状況は、事業所は80社、求人数は197人であり、前年同期と比較し、16社49人の減少となっております。コロナ禍により、新卒高校生の採用スケジュールが例年より1カ月遅くなっていることから、現時点では内定者数の公表はされておりませんが、感染症への不安から、県外就職希望から県内へ希望を変更する動きがみられる状況にあります。引き続き、ハローワークや商工会などの関係機関と連携しながら、高校生の地元就職を支援してまいります。

旧鹿角パークホテルの再開への支援につきましては、中心市街地の賑わいと経済活動の拠点である同ホテルの再開に向け、私自ら、多方面にお願いをしてきたところでありますが、このほど、本市出身の実業家が、ホテルの新たな経営体となる鹿角プランニング株式会社を設立し、11月12日には同ホテルの土地・建物を取得し、今後、ホテル事業の再開に向けた改修工事が実施されることとなりました。

こうした経緯を踏まえ、市といたしましては、ホテルが周辺の飲食店や納入業者、タクシー・代行業等へ与える影響が非常に大きく、その再開を待ち望んでいる多くの市民や事業者の声に応えるためにも、一日でも早くホテルが再開されるよう積極的に支援していく必要があるものと考え、そのための補正予算を本定例会に提出いたしております。

コロナ禍における経済・雇用対策につきましては、10月31日現在で、コロナ対応資金の借入に対する利子補給助成が120件、地域雇用維持支援金24件、事業継続支援金180件の申請を受け付けております。

プレミアム付飲食券については、現在、販売率は約7割となっておりますが、販売取扱所を増やし、販売促進に努めているところでありますので、多くの方々に積極的にご利用いただき、コロナ禍で苦境に立たされている市内飲食店を応援いただけるよう、引き続きPRを展開してまいります。

 

次に、建設関係についてでありますが、

市道除雪につきましては、去る11月19日に受託業者をはじめ関係者による除雪会議を開催し、除雪計画に基づく態勢を整えております。

今期は、市道総延長の52.4%にあたる約530キロメートルに農道等を加えた、約554キロメートルについて、除雪機械110台で除雪作業を実施することとしており、冬期間における安全・安心な道路交通の確保に努めてまいります。

 

次に、教育関係についてでありますが、

学校等再編計画につきましては、令和3年度からの「柴平小学校」への統合を控え、花輪北小学校で10月24日に、平元小学校で10月31日に、それぞれ実行委員会主催による閉校記念事業が開催されております。今後、来年2月までに統合校舎の大規模改造工事を終えることとしており、統合校の開校に向けた準備を計画的に進めてまいります。

各種スキー大会につきましては、第76回国民体育大会冬季大会スキー競技会については、2月18日から21日までの4日間の日程で、また第94回全日本学生スキー選手権大会については、2月24日から28日までの5日間の日程で予定通り開催されることから、大会の開催に万全を期してまいります。

 

次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、

今回の一般会計補正予算は、中心市街地中核ホテル再生支援事業補助金の追加やGIGAスクール整備事業の委託料の追加などについて本日の採決をお願いするほか、ふるさと鹿角応援基金積立金の追加、ふるさと鹿角応援寄附に係る報償費等の追加、精算に伴う国庫負担金の返還金等の追加、障害者等自立支援給付扶助費等の追加、園芸メガ団地整備事業費補助金の追加、除雪委託料の追加、小学校の空調整備工事費の追加などを計上しております。

その結果、補正額は、合わせて10億6,489万5千円の追加となり、補正後の予算総額は230億9,351万8千円となりました。

特別会計については、国民健康保険事業特別会計では一般被保険者療養給付費の追加、後期高齢者医療特別会計では後期高齢者医療広域連合納付金の追加、介護保険事業特別会計では地域密着型介護サービス給付費の追加等となっております。

本定例会には、報告案件1件、工事の変更契約案件6件、第7次総合計画基本構想の策定案件1件、過疎地域自立促進計画の変更案件1件、指定管理者の指定案件14件、市道案件2件、条例案件6件、補正予算案件5件、合わせて36件のご審議をお願いいたしております。

詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。

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