令和4年第4回鹿角市議会定例会(行政報告)
令和4年6月3日報告
令和4年第4回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
はじめに総務関係についてでありますが、
山菜採りに伴う遭難事故等の防止対策につきましては、大型連休前の4月28日から十和田高原地区の市道2カ所の通行を規制するとともに、市広報やホームページで入山自粛の呼びかけを行っております。また、5月14日からは、土日の早朝に現地パトロールを実施し、注意喚起を行っております。
しかし、去る5月22日に十和田大湯字大平地内において、山菜採りをしていた方がクマに襲われる人身事故が発生したことから、直ちに鳥獣被害対策実施隊を出動させ、警察、消防と現地確認を行うとともに、現場に事故発生の危険を周知する看板を設置いたしました。また、十和田高原地区でのパトロールに大平地区を追加し、遭難事故等の防止に万全を期しているところであります。
市制施行50周年記念事業につきましては、50周年という節目の年を迎え、今年度は多くの記念事業を予定しておりますが、その第1弾として、去る5月12日に、NHK秋田放送局との共催により、「新・BS日本のうた」の公開収録が文化の杜交流館コモッセを会場にして行われました。
全国から3,423通の応募が寄せられ、抽選で当選された383人に観覧いただきました。豪華な歌手の方々の競演とともに、本市が誇る大湯環状列石の紹介など、本市の魅力を広く発信する絶好の機会となりましたので、残念ながら公開収録を観覧いただくことができなかった皆様にも、明後日5日のBS放送をお楽しみいただきたいと思います。
また、それぞれに思いを込めたメッセージパネルと一緒に写真を撮影する「メッセージフォト」の募集を7月末まで行っているほか、市民から鹿角の風景・行事などの写真を募集する「私が切り撮る鹿角・フォトコンテスト」を8月末までの期限で実施しております。さらに、先般、広報かづの6月号とともに、50周年記念統一ロゴマークシールを全戸配布いたしております。今年度は、年間を通して、市民と共に記念すべき50周年をお祝いしてまいりたいと考えておりますので、市民の皆様にも、さまざまな形で記念事業にご参加いただき、一緒に節目の年を盛り上げていただきたいと思います。
市発注工事を巡る官製談合事件につきましては、入札制度の検証と再発防止対策を調査検討いただくために設置した第三者委員会が、これまでに3回開催され、外部有識者によって意見が取り交わされており、現在は、委員会主導による報告書の取りまとめが進められております。
今後、6月21日に開催される第4回委員会で最終報告書が審議される予定となっており、第三者委員会の報告書の内容を踏まえ、速やかに再発防止策を講じてまいります。
なお、第三者委員会での検討に並行して、市といたしましても、入札制度の中で必要な見直しを行ってきており、今年度4月の入札から、最低制限価格は、開札直前に無作為に抽出した係数を乗じて設定する方法に改め、入札の過程で、情報漏洩などの不正が入り込む余地を排除する改善策を講じております。
令和3年度の「ふるさと鹿角応援寄附」の実績につきましては、件数が1万6,343件、金額が2億3,297万8,763円で、件数、金額ともに過去最高となり、前年度と比較しますと、件数で4%の増、寄附額で17%の増となりました。
返礼品では、先行予約や定期便をはじめた米のほか、キャンプ人気などを背景として需要が増えた薪などが増加しております。今後も引き続き、本市の特産品等を全国にPRするとともに、より多くの方々から応援いただけるよう返礼品の拡充等に取り組んでまいります。
移住の促進につきましては、令和3年度の移住実績は36世帯62人となり、平成27年度の取組み開始から、毎年増加しております。世代別では40代までの比較的若い世代での移住が約9割を占めております。
また、新たな移住コンシェルジュとして、5月2日から、秋田市出身の女性1名が着任し、移住コンシェルジュ2人体制となりました。今後は、さらに1人を募集し、3人体制で移住促進に取り組むこととしておりますので、引き続き、移住に関する積極的な情報発信や、NPO法人と連携したきめ細かなサポート体制の充実を図りながら、移住の取組みを促進してまいります。
次に、民生関係についてでありますが、
住民税非課税世帯等に対する令和3年度臨時特別給付金につきましては、5月31日現在で、3,529世帯に10万円の給付を行っております。家計急変世帯や未申告世帯等の申請が必要な世帯については、9月30日が申請期限となっておりますので、申請漏れがないよう、引き続き周知してまいります。
また、原油価格・物価高騰等に対する国の緊急対策として、令和4年度分の市県民税均等割が新たに非課税となった世帯についても、臨時特別給付金の対象となりますので、遅滞なく準備を進めてまいります。
地域医療の推進につきましては、かづの厚生病院の精神科常勤医師が、今年3月末で退職し、それに伴い、4月以降は、非常勤医師による週3日程度の診療体制になることが発表されておりましたが、その後、4月5日からは、毎週火曜日に岩手医科大学から医師が派遣されることが決定し、現在、週4日程度の外来診療体制となっております。
近年、社会情勢の変化により、これまでにも増して精神科の必要性が高まっておりますので、引き続き、かづの厚生病院や、医師確保に取り組まれている市民団体の皆様とともに、地域医療体制の充実に取り組んでまいります。
令和3年度に国の経済対策として実施した「子育て世帯への臨時特別給付金」につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた子育て世帯を支援する取組みとして、18歳までの対象児童3,581人に対し、一人当たり10万円の給付を完了しております。
また、今年4月に国が示した物価の高騰に対する緊急対策に盛り込まれた、低所得世帯の児童に一人当たり5万円を給付する「子育て世帯生活支援特別給付金」については、6月中に給付を開始できるよう、準備を進めてまいります。
新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、5月末時点での全年代の接種状況は、1回目接種を終えた方が88.1%、2回目接種を終えた方が87.5%、3回目接種を終えた方が76.2%となっております。
5歳から11歳の小児接種については、対象者の53.4%にあたる745人から申請をいただき、接種券を交付しておりますが、このうち1回目接種を終えた方は538人、2回目接種まで終えた方は449人となっております。
また、4回目接種については、対象が3回目接種から5カ月を経過した60歳以上の方と、18歳以上で基礎疾患を有する方などとなっておりますが、市内医療機関での個別接種を6月中に開始できるよう、準備を進めております。接種希望者が安心してワクチン接種ができるよう、引き続き関係機関と連携を図りながら、きめ細かな周知と説明に努め、適切に実施してまいります。
地域コミュニティ活動の維持と活性化につきましては、新たに4つの自治会が、集落活動応援事業を活用し、それぞれの地域資源等を生かした活性化事業に取り組む予定となっていることから、伝統文化の継承や交流の場の確保等により、地域の活性化が図られるよう、集落支援員のサポートなどを通じて自治会の取組みを支援してまいります。
このほか、集落の現状や課題等を把握する状況調査を行った24自治会において、計画策定に向けた話し合いが進んでおりますので、引き続き、地域の主体的な取組みをサポートしながら、地域コミュニティの活性化を図ってまいります。
次に、農業関係についてでありますが、
主食用米の生産につきましては、需要に見合った「生産の目安」である1,990ヘクタールに対し、農家から提出されました5月末時点の作付計画面積は1,954ヘクタールで、目安を36ヘクタール下回っているほか、飼料用米などの新規需要米は、昨年と比較して47ヘクタール増加しております。今後も、需要に応じた生産となるよう、引き続き、水田活用の産地交付金等の制度を周知しながら取り組んでまいります。
国が示した「水田活用の直接支払交付金」の見直しにつきましては、今回の見直しが、農家経営の圧迫や耕作放棄地の増加につながることを危惧し、県や市長会などを通じ、国に対して、慎重な検討と適切な対応を強く要望しているところであり、今後も、県や関係機関と連携し、要望活動を継続してまいります。
キュウリやトマト、シンテッポウユリなどの野菜や花き類につきましては、播種や定植作業などは順調に進んでいることから、引き続き、品質向上と収量の増加が図られるよう、適期防除等について周知してまいります。
果樹につきましては、桃、りんごともに、発芽は平年並みでしたが、4月に入ってから気温が上昇したことで、桃の開花は平年より7日早く、りんごの開花も3日から5日程度早くなっております。今後の結実に向け、病害虫防除の徹底など、適切な栽培管理を関係機関と連携し周知してまいります。
農業の労働力確保につきましては、6月1日にJAかづのに開設された農業版の無料職業紹介所を通じて、人材と農家とのマッチングを図りながら、農家の負担軽減と栽培面積の維持拡大を目指してまいります。
鹿角市植樹祭につきましては、去る5月20日、大湯環状列石周辺を会場に、市制施行50周年記念植樹祭を開催いたしました。例年より植樹面積を拡大し、地元の児童・生徒や市民をはじめ、約150人の参加をいただき、苗木450本の植樹を行っております。参加者には、ブルーベリーの苗木と地元産木材で制作された、大湯環状列石にちなんだ記念品を贈呈いたしております。
次に、観光関係についてでありますが、
大型連休中の入込み状況につきましては、3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークとなったことから、観光施設では前年比149.7%、宿泊者数も159.8%と、大幅な回復が見られております。連休中盤の4月30日から5月4日までは、悪天候によるアスピーテラインの通行止めの影響により、八幡平山頂及びビジターセンターの入込みが低調ではありましたが、市内の2つの道の駅で開催されたイベントなどが、県内外からの観光誘客につながったものと考えており、今後、3年ぶりに開催される夏祭りシーズンに向けて、情報発信を強化してまいります。
八幡平大沼の水位低下への対応につきましては、大沼にある堰堤の脇の護岸が洗掘され、沼の水が大量に流出したことで水位が大きく低下していたことから、自然環境と景観の保全のため、積み土のう工による応急対策を行っております。
JR花輪線湯瀬温泉駅のトイレ閉鎖への対応につきましては、継続使用についてJRと協議を進めてきたところでありますが、5月18日付けで市の管理のもと使用できるとの回答が得られ、JR側との協議が整いましたので、6月1日から使用を再開いたしております。
次に、商工関係についてでありますが、
今年3月の新規高卒者の就職状況につきましては、鹿角管内3校の新規高卒者のうち、就職を希望していた73人全員の就職が決定し、このうち、県内就職率は78.1%で昨年を14.7ポイント上回ったほか、鹿角管内就職率は56.2%で昨年を12.5ポイント上回りました。
コロナ禍に加え、関係機関と連携して実施した各種施策の効果により、地元志向が高まったものと捉えておりますが、新規高卒者にかかる管内求人倍率は3.70倍と依然として高い水準にあることから、企業が求める人材を充足できていない状況にあります。一方で、管内高校の進学率は上昇傾向にあることから、大学生や移住者の求人活動についても支援を強化してまいります。
コロナ禍における経済対策につきましては、事業者の事業継続支援と市内経済の回復を図るためのプレミアム付商品券事業については、市内の全ての加盟店で使用できるプレミアム率20%の「つかエール券」と、大型店等を除く加盟店で使用できるプレミアム率30%の「超つかエール券」に加え、飲食店で使用できるプレミアム率50%の「超食エール券」、ハミングカード加盟店で使用できるプレミアム率30%で電子マネー形式の「鹿角プレミアムペイ」の4種類を発行いたします。4種類を合わせた発行総数は、6万2,000セットで、額面は4億4,600万円分の発行を予定し、今月1日から17日までの期間で購入申込みを受け付けております。その後、7月9日に販売を開始し、購入日当日からの使用が可能で、来年1月末を利用期限としております。
また、魅力満喫かづの観光促進事業の「ぐるっとかづの連泊クーポン券」については、全国を対象に、市内宿泊施設に2連泊または3連泊した場合に、宿泊料金から1人1泊あたり5,000円を割引するクーポンを8,500セット発行する予定で、今月1日から利用を開始し、来年1月末を利用期限としております。
さらに、誘客拡大と観光客の市内周遊を促すためのスタンプラリーを今月1日から開始しております。
ウィズコロナ社会を迎え、修学旅行や旅行代理店によるツアーが徐々に再開してきていることから、今後の観光客数の動向を的確に把握しながら、効果的な取組みを進めてまいります。
地球温暖化対策につきましては、再生可能エネルギー電力自給率が300%を超える本市の特長を生かし、2030年までに、CO2排出量実質ゼロの達成を目指す「ゼロ・カーボンシティ宣言」を、去る3月14日に行いました。2030年でのゼロ・カーボン達成は全国最速となりますので、宣言の実現に向け、今年度は、具体的方策を定める地球温暖化対策実行計画の区域施策編を策定し、行政・市民・民間事業者等が一丸となって脱炭素社会の構築を目指してまいります。
次に、建設関係についてでありますが、
法面崩落によります市道の通行止めにつきましては、去る4月21日未明に、アスピーテラインからふけの湯温泉に通じる市道八幡平線において、法面の崩落が発生し、約40メートルにわたって石積み擁壁が崩れ落ち、道路が完全に塞がれました。さらに、現場は、法面に2メートル近くの積雪が残っており、雪崩の危険性もあったことから、直ちに市道を通行止めにする措置を講じております。
現在、早期復旧に向けて、復旧工事費の算出等にかかる調査設計を進めているところでありますが、応急的に通行を確保するため、仮復旧工事を行い、市道脇への仮設道路の設置により、6月1日から片側交互通行としております。
次に、教育関係についてでありますが、
成年年齢引き下げに伴う意識啓発につきましては、民法改正により、本年4月から、成年年齢が18歳に引き下げられたことから、去る4月19日、十和田高校3年生35人を対象に、成人として必要な知識や関係法令を学んでもらいながら、消費者トラブルの防止につなげるための講座を開催いたしました。8月下旬には、花輪高校で同様の講座を開催することとしており、成年としての意識や教養を高める機会を創出してまいります。
毛馬内の盆踊を含む民俗芸能「風流(ふりゅう)」のユネスコ無形文化遺産への登録につきましては、今年の11月28日から12月3日までの間に開催される、第17回無形文化遺産条約政府間委員会において、審議、決定がなされる見込みとなっております。
市といたしましても、全国民俗芸能「風流」保存・振興連合会の一員として、登録実現に向けた取組みを進めるとともに、登録によって「世界遺産のまち」としてさらに発展していくことを念願し、市民や地域とともに登録に向けた機運を醸成してまいります。
大型連休中の大湯ストーンサークル館の入館者数につきましては、4月29日から5月8日までの10日間の延べ人数は、1,495人で昨年同時期と比較し219%と大幅な増となっております。コロナ禍前の令和元年度の同時期との比較では、98.6%でありますが、修学旅行や団体へのガイド対応数と予約数は大幅に増加しており、世界文化遺産登録の効果が表れてきております。
また、「北海道・北東北の縄文遺跡群」については、関連自治体が連携して、世界遺産登録に向けた推進活動を行ってまいりましたが、今年度からは縄文遺跡群の保存・活用に重点を置いた新たな協定のもと、連携を図っていくこととしており、今後は、遺跡の学術的な魅力をより高めながら、遺跡の価値を多くの方々に伝えてまいりたいと考えております。
スポーツに親しむチャレンジデー2022につきましては、日頃の運動不足の解消や、スポーツに親しむきっかけづくりとして実施されているチャレンジデーは、去る5月25日、全国各地で開催され、本市もこれに参加し、自治会、保育園、学校、企業、各団体から協力をいただき取り組みました。
本市の参加率は22.6%で、対戦相手の群馬県吉岡町(よしおかまち)の参加率21.9%を上回り、僅差ではありましたが、勝利を収めることができました。
コロナ禍での開催となったことにより、目標に掲げた70%をクリアすることはできませんでしたが、チャレンジデーへの参加は、日頃の運動不足の解消や自身の健康管理のほか、運動やスポーツに親しむきっかけとなりましたので、これを機に、引き続き、市民の健康づくりやスポーツに親しむ機会の創出に努めてまいります。
次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、
一般会計については、本日の採決をお願いしております子育て世帯生活支援特別給付金事業費、新型コロナウイルスワクチン接種事業費の追加のほか、庁舎等照明設備改修工事費、米品質向上支援事業費補助金、企業立地助成金、道路補修工事費、公営住宅施設整備工事費、記念スポーツセンター照明設備改修工事費などの追加と、定期人事異動に伴う人件費の調整などを計上しております。
その結果、補正額は合わせて3億8,032万円の追加となり、補正後の予算総額は178億8,109万8千円となりました。
本定例会には、報告案件4件、条例案件1件、補正予算案件2件、合わせて7件のご審議をお願いいたしております。
詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。
この記事に関するお問い合わせ先
総務課 行政班
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電話:0186-30-0203 ファックス:0186-30-1122
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更新日:2024年02月01日