令和7年第7回鹿角市議会定例会(行政報告)
令和7年11月28日報告
令和7年第7回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
はじめに総務関係についてでありますが、
ショプロン市との国際交流事業につきましては、去る10月15日から20日までの6日間、ファルカシュ・ツィプリアン市長以下9人の行政視察団が9年ぶりに本市を訪れましたが、歓迎レセプションや市内視察を通じた市民や事業者との交流により本市への理解を一層深めていただきました。今後の両市の交流発展に向けた協議により、青少年ホームステイの再開やスポーツ交流の推進、さらには特産品やワインなどの食文化を活かした交流の展開など、友好関係をより一層深化させていくことで合意しております。また、本市の長年にわたる友好と信頼への貢献を高く評価していただき、ショプロン市における最高位の名誉表彰である「最も忠実なる都市名誉賞」を賜りましたほか、両市の長年にわたる交流の歩みや、日本語語学指導員を中心とした日本語教育活動を通じて、多くのショプロン市民の日本への関心が高まり、日本文化に親しむようになったことが高く評価され、「ハンガリー国内地方自治体優良事例プログラム2025」において、両市の姉妹都市提携交流が優良事例の第3位に選出され、表彰されております。これもひとえに、これまでショプロン市で日本語教育に携わってこられた歴代の日本語語学指導員の皆様や活動を支えてくださっている鹿角国際交流協会をはじめ、両市の市民の皆様のご支援と関心の賜物であり、心より感謝申し上げます。今後も、ショプロン市との絆をさらに強固なものとし、市民の皆様が互いの文化や暮らしをより身近に感じられるよう、交流を重ねてまいりたいと考えております。
地域間交流につきましては、11月1日と2日の2日間、東京都葛飾区柴又帝釈天周辺を会場に、「寅さんサミット2025」が開催され、本市から文化交流イベントで花輪ばやしの演奏と町踊りを披露したほか、きりたんぽ鍋やりんごなど本市特産品の販売ブースも、大盛況となりました。また、柴又商店街の店舗とのコラボレーションにより、鹿角産のブルーベリーを使ったロールケーキやドリンクがイベント限定で販売され、本市特産品のPRと食を通じた地域間交流が図られております。
次に、民生関係についてでありますが、
定額減税補足給付金の不足額給付につきましては、令和6年分所得税が確定したことにより、令和6年度に実施した定額減税および調整給付の給付額に不足が生じた方や、当初給付および非課税世帯給付金の対象外となっていた方など申請期限の10月31日までに申請された3,143人に給付を完了しております。
地域医療ビジョンの策定につきましては、まずは医療を提供する側の状況を把握するため、8月から10月にかけて、市内の全医療機関を対象に、経営状況や今後の見通しのほか、鹿角地域で担うべき医療の課題についてアンケート調査と意見交換を実施しております。今後は、12月7日に開催する住民集会で地域医療の現状に対する理解を深めていただいたうえで、市民から地域医療に対する意見を伺い、持続可能な医療の在り方について検討していくこととしております。
子育て支援の充実につきましては、令和8年度の保育園、認定こども園等の就学前の教育・保育施設の利用定員は、花輪地区で来年4月の新規開設を予定している家庭的保育事業所「ベビールームりんごの木」を含め、890人を予定しております。施設数は増加するものの、各施設の入所率を勘案し一部の施設で利用定員を減らし、全体としては今年度と同じ定員となっております。11月4日から入園申込みの受付けを開始しており、来年2月中に入園の利用承諾書を発行する予定としております。
八幡平地区の公共交通につきましては、10月1日からデマンド型乗合タクシー「はちタク」の実証運行をスタートさせており、11月26日現在の登録会員数は56人、10月の1か月間での運行実績は140件と順調な滑り出しとなっております。今後は、利用者のアンケート調査や事業者ヒアリングなどを実施しながら、より利便性の高い交通サービスを提供できるよう、運行計画の検討を行ってまいります。
男女共同参画社会の推進につきましては、去る11月10日、男女が共に働きやすい環境づくりと、仕事と生活の調和のとれたライフスタイルの推進を実践する優良企業として、株式会社小板橋建設を表彰しております。今後も、優良企業表彰や基礎講座を通じて、男女がともに働きやすい環境と、仕事と生活の調和の取れたライフスタイルを周知しながら、職場や家庭、地域等で、男女が性別にとらわれることなく、個性と能力を発揮できる社会づくりを進めてまいります。
次に、農林業関係についてでありますが、
令和7年産米の作柄につきましては、7月の高温・少雨に伴う渇水や8月の豪雨による作柄への影響が危惧されましたが、本市を含む県北地域の作況単収指数は、「102」の「やや良」となり、10アール当たりの予想収量は、平年収量より19キログラム多い578キログラムと公表されております。令和7年産米の概算金は、民間在庫量が少ないことが影響し、前年から大幅に値上がりしておりますが、現在の需給状況からいくと、来年産も今年と同等の供給が続く場合、大きく値下がりする恐れもあることから、需要に応じた生産を呼び掛けてまいります。また、燃料費をはじめとする生産コストの高止まりが続いていることから、国や県をはじめ、関係機関と連携し、コスト削減などの支援に取り組んでまいります。
野菜につきましては、キュウリやトマトなど主力作物は、7月の高温や8月の大雨の影響で品質や収量が低下したことにより、JAの販売額は昨年の9割程度という結果となりました。
「北限の桃」につきましては、肥大時期の渇水や降雨により生育に影響を受けたほか、鳥やカメムシの被害が多く発生したことから、JAの集荷量は昨年の7割程度となっており、販売単価は昨年を上回ったものの、販売額は1億3,000万円と昨年より2,500万円下回る結果となっております。認知度の向上により需要は高まっており、販売単価も上昇傾向にあるほか、産直販売での売上げも好調であることから、引き続き関係団体と連携し、さらなるブランド力の向上に向けて生産指導や作付拡大を支援してまいります。
畜産につきましては、10月21日に鹿角家畜市場へ短角・褐毛の子牛、合わせて29頭が上場され、25頭の売買が成立しております。このうち日本短角種は20頭が取引され、税抜きの平均価格は28万909円で、昨年を8万円ほど上回りました。今年1月のGI登録により日本短角種への注目が大きく高まっていることが、大幅な値上がりにつながったものと捉えております。また、10月19日に開催した第23回かづの畜産まつりでは、過去最高の人出となったほか、かづの旬食フェスタや食の交流まつりにも出店し、市内外の多くの方々からかづの牛を堪能していただきました。今後につきましても、畜産農家や関係団体と連携を図りながら、より一層のブランド化と販売促進に取り組んでまいります。
鳥獣被害防止対策につきましては、11月26日現在、クマの目撃件数は904件で、昨年と比較して735件の増となり、過去最高の目撃件数であった一昨年と比較しても587件の増と大きく増加しております。人身被害件数も7件発生し8人の方が受傷しており、昨年比較で4人の増となっております。また、有害鳥獣駆除による捕獲頭数は300頭で、昨年と比較して251頭の増となり、一昨年との比較では151頭の増となっております。今年の異常出没の要因は、ブナの実の大凶作に加え、どんぐり等の実りが少なかったこと、一昨年に大量に里に降りてきた熊が、そばやコメなどの果実以外の捕食を覚えたことなどにあると推察しております。こうした状況において、県知事の防衛大臣への要望により、自衛隊による市町村の後方支援が行われることとなり、本市では県内でいち早く11月5日から自衛隊からの後方支援をうけた活動を行ってきているところであります。支援活動の内容につきましては、自衛隊員の派遣人員が18人、箱罠の移設が44件、捕獲した熊の搬出が3件、そのほかドローンによる情報収集が12件となっており、自衛隊の献身的な活動が市民の安全安心につながったほか勇気づけられた市民が多かったものと推察しており、県及び防衛省に厚く感謝申し上げます。
次に、観光関係についてでありますが、
観光アクセス充実対策につきましては、秋田県ハイヤー協会鹿角支部との連携協力により、10月1日から十和田湖・鹿角花輪駅間において、デマンド型の乗り合いタクシー「観光旅タク」の実証運行を開始しており、開始1か月で、51便が運行され、69人の乗車がありました。秋の観光シーズンということもあり、好スタートであったと捉えております。今後も観光客の増加につながるよう、路線の周知と利便性の向上を図ってまいります。
インバウンド強化対策につきましては、去る11月12日から14日までの3日間、県知事や県内2市長とともにタイでのトップセールスを実施いたしました。タイでは、日本政府観光局バンコク事務所、在タイ日本国大使を訪問したほか、観光誘客セミナーに参加し、旅行会社など約40社に対しプレゼンテーションを行ったほか、本市独自に旅行会社のウェンディアジアを訪問し、本市の自然、温泉、食、雪などの観光コンテンツのPRを主体に誘客活動を行ってまいりました。今回を契機に、海外の旅行会社に対して、本市の魅力を積極的かつ継続的にPRすることで、さらなるインバウンド観光客の誘客に努めてまいります。
次に、商工関係についてでありますが、
新規学卒者の就職内定状況につきましては、鹿角高校における来年3月卒業見込みの生徒のうち、就職希望者は44人で、このうち県内事業所への就職希望者は30人となっております。9月末現在の就職内定者は30人で、県内が18人、うち鹿角管内が13人で、昨年同時期と比較して5人の減となっております。就職希望者全体の内定率は68.2%となり、昨年同様に早い時期に内定が出されております。ハローワーク鹿角と締結している雇用対策協定に基づく取り組みのほか、かづの商工会、鹿角地域振興局、小坂町を含めた関係機関による各種対策が、企業からの求人の早期提出と、高校での市内就職の勧奨につながり、早期内定に結び付いたものと捉えております。引き続き、就職内定率100%の早期達成に向け、取り組みを進めてまいります。
燃料価格の高騰により厳しい経営環境に直面している市内物流事業者を支援する「トラック運送燃料高騰対策支援事業」につきましては、11事業所167台を対象に支援金を給付しております。
「デジタルプレミアムペイ発行事業」につきましては、発行総数4,000セットに対し8月末までの販売数は2,098セットと、発行総数を下回ったことから、10月17日から先着順で再販売を行い、同日に完売しております。今後は1月末となっている使用期限などを周知しながら活用を促進してまいります。
次に、地球温暖化対策についてでありますが、
11月27日現在の補助金交付決定状況は、再エネ導入事業については、自家消費型太陽光・蓄電池導入8件、遊休市有地を活用した地域向け電源導入1件、エネルギー利用効率化促進事業については高効率空調等の導入100件、省エネ家電の購入104件となっております。また、再エネ電気料金負担軽減支援事業については、再生可能エネルギー由来の電気を使用する個人や事業者の電気料金の一部を助成しており、補助制度の利活用、再生可能エネルギー由来の電気の使用を促し、事業者や市民の光熱費の削減と脱炭素化を着実に進めながらカーボンニュートラル達成に向け取り組みを進めてまいります。
次に、建設関係についてでありますが、
市道除雪につきましては、去る11月21日に受託業者をはじめとする関係者による除雪会議を開催し、除雪計画に基づく態勢を整えております。今期は、除雪路線の見直しを行い、昨年から約19キロメートルの減少となる除雪延長約555キロメートルについて、除雪機械109台の体制で、冬期間における安全・安心な道路交通の確保に努めてまいります。
次に、教育関係についてでありますが、
十和田図書館につきましては、10月1日のリニューアルオープン後1か月の入館者数が5,848人、貸出冊数が3,957冊となり、前年10月と比較し入館者数は4倍、貸出冊数は2.2倍となりました。十和田市民センターとの複合施設化や開館時間の延長により、利便性が向上したことに加え、市民の皆様の十和田図書館に対する大きな期待の表れであるとも感じております。これを弾みに、より一層市民の皆様に読書の楽しさや魅力を伝え、さらなる読書活動の推進につなげてまいります。
次に、スポーツ振興についてでありますが、
第80回国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会が、令和8年2月14日から16日までの日程で開催されます。本大会は分離開催であり、主会場は青森県大鰐町となりますが、ジャンプ・コンバインド競技は本市が会場となります。今年2月の第79回大会に続く開催となり、本市を全国へPRする絶好の機会であるとともに、地域への経済効果も期待できる有意義な大会として捉えておりますので、関係機関と連携して、万全の態勢で準備を進めてまいります。
次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、
一般会計については、除雪委託料、障害者自立支援扶助費、融雪施設改修工事費、給与改定に伴う人件費の追加などを計上しております。
その結果、補正額は7億5,494万4千円の増額となり、補正後の予算総額は199億6,367万5千円となりました。
特別会計については、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険事業特別会計で、人件費の追加等を計上しております。
事業会計については、上水道事業会計、下水道事業会計で、人件費の追加等を計上しております。
本定例会には、物品の購入案件1件、第7次総合計画基本構想の変更案件1件、指定管理者の指定案件12件、市道案件1件、条例案件7件、補正予算案件6件、合わせて28件のご審議をお願いいたしております。
詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。
この記事に関するお問い合わせ先
総務課 行政班
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電話:0186-30-0203 ファックス:0186-30-1122
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更新日:2025年11月28日