令和7年第6回鹿角市議会定例会(行政報告)
令和7年8月29日報告
令和7年第6回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、まずは、8月19日から21日にわたり発生した大雨により被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
今回の大雨被害につきましては、19日からの断続的な雨により、19日午後7時29分に災害連絡室を設置し警戒にあたり、19日午後7時50分には、土砂災害警戒情報が発令されております。その後も雨が降り続いたため、20日午前10時30分に災害警戒対策室を設置し、午後1時9分には災害警戒本部を設置するとともに大湯川流域と熊沢川流域に避難指示を発令しております。午後4時31分に気象庁から東北北部地方に線状降水帯の発生予測情報が発表されたことから、午後5時19分に市内全域に高齢者等避難を発令しました。市内8カ所に開設した避難所では、24世帯47人を受け入れましたが、大雨や土砂災害の恐れが低くなったことから、21日午前7時30分に避難指示、高齢者等避難を解除し、避難所をすべて閉鎖いたしました。
今回の大雨では、人的被害は免れたものの、市内の道路、農地、宅地などで、冠水、流出等の被害が報告されておりますので、被災箇所の早期復旧に全力を挙げて取り組んでまいります。
それでは、諸般の報告を申し上げます。
はじめに総務関係についてでありますが、
第7次総合計画後期基本計画の策定につきましては、このたび、後期基本計画の策定に先立ち、本市の人口動態の変化を踏まえ、将来の新たな人口の展望を提示することを目的として、「鹿角市人口ビジョン」の改訂を行いました。
改定した人口ビジョンでは、若年女性をはじめとする若者層の急速な転出拡大が人口減少の最大の課題であることから、若者に関する取組みを最重要政策に位置付け、若者が「帰ってきたい」「住み続けたい」と思える魅力あるまちを形成し、安心して子どもを持ち、育てられる環境の整備が重要であるとしております。
第7次総合計画後期基本計画では、こうした方向性を踏まえた具体的な取組内容を明らかにし、人口構造の若返りを通じた持続可能な地域社会の構築を目指してまいります。
かづのキャンパス構想の推進につきましては、8月3日から9月10日まで包括的連携協定を締結している武蔵野大学の学生を受け入れております。今後、10月には大正大学地域創生学部公共政策学科の学生を受け入れる予定としており、今年度は2大学から総勢37人の学生を受け入れることとしております。
また、武蔵野大学のウェルビーイング学部における長期地方実習プログラムの誘致などに向け、7月30日に大学を表敬訪問し、本年4月に就任された小西学長と懇談を行い、学長から、本市での実施に向けて前向きなご回答をいただいております。
今後も、大学の研究・知見を政策形成に反映させるとともに、将来的なサテライトキャンパスの設置を目指し、大学研究プログラムの通年受入れの実現に向けた取組みをさらに推進してまいります。
出会い応援につきましては、去る7月26日に、出会いイベントを開催し、男女各7人が参加し、クラフトコーラ作りやグループトークなどで交流を深め、3組が連絡先を交換しております。
次に、民生関係についてでありますが、
定額減税補足給付金の不足額給付につきましては、令和6年分所得税が確定したことにより、令和6年度に実施した定額減税および調整給付の給付額に不足が発生した方や、当初給付および非課税世帯給付金の対象外となっていた方などに対し、不足額を給付しております。
7月31日付で3,241人に給付のお知らせ及び確認書を送付し、随時給付手続きを進めております。確認書の提出期限を10月31日までとしておりますので、期限までに申請されるよう呼び掛けてまいります。
地域医療の推進につきましては、6月30日に、秋田県・鹿角市・小坂町が、岩手医科大学に設置している寄附講座の事業として、市民町民公開講座を開催いたしました。岩手医科大学神経精神科学講座の大塚教授から、「こころの健康」をテーマに、こころの健康づくりの大切さ、ストレスへの対処法等について講演をいただき、130人が聴講しました。
また、7月27日には、今回で9回目となる岩手医科大学見学ツアーを実施し、児童・生徒・保護者を合わせ30人の方から参加をいただきました。当日は、医学部・歯学部・薬学部・看護学部が同一キャンパスにある環境の中で、体験実習、ミニ講義を体験したほか、ドクターヘリの見学、大学の理事長との懇談会が実施されました。
こうした事業への参加をきっかけとして、医師をはじめ、看護師、薬剤師等の医療専門職に興味や関心を持たれている方々が、志をさらに高くし、将来、医療の道に進まれることを期待しております。
ヤングケアラー支援につきましては、支援を必要とする児童生徒の実態把握と、子どもたちのヤングケアラーに対する認識を広げ、相談窓口の周知を図ることにより、状況に合わせ早期に支援に繋げることを目的に、昨年度に引き続き、市内の4年生以上の小学生、中学生、高校生の1,619人を対象にアンケート調査を実施しました。対象者のうち83.9%、1,359人から回答を得ており、ヤングケアラーの認知度に関する質問に、「知っている」と回答した割合は、840人、61.8%となり、昨年から25.9ポイント上昇し、ヤングケアラーの認識の広がりがみられる結果となりました。
今後もアンケート結果を基に、関係機関や教育現場とも情報を共有しながら、適切に対応してまいります。
八幡平地区の公共交通につきましては、路線バス廃止後の代替交通について、10月1日から鹿角花輪駅と八幡平市民センターを結ぶ「八幡平循環線」の運行と、各集落と乗り継ぎ拠点となる八幡平市民センターを結ぶデマンド型の乗り合いタクシー、愛称「はちタク」の実証運行を開始いたします。
循環バスは平日1日6便、1乗車200円の運賃で運行することとしており、「はちタク」は、1乗車600円のほか1日1,000円、1か月3,600円の定額プランを設けております。
事前予約により、自宅から八幡平地区内の指定の場所まで、乗り合い運行となる「はちタク」の利用方法については、八幡平地区にチラシを配布して周知を行っております。また、9月13日に、2回目となる住民説明会を開催することとしており、実証運行がスムーズにスタートできるよう、準備を進めております。
次に、農林業関係についてでありますが、
水稲の生育につきましては、5月下旬から6月上旬までの低温の影響により、平年に比べて茎数が2割ほど少ない状況で推移しましたが、一穂着粒数が2割ほど多いため、平米当たり着粒数は平年並みとなっております。
今後は、7月以降の高温の影響によりカメムシ類の活動が活発化しているほか、葉いもち病の発病率がやや高くなっていることから、収穫期に向け、品質と収量確保のため、病害虫防除の確実な実施と適期刈取りについて周知してまいります。
果樹でありますが、モモについては、春の開花の遅れにより昨年より5日程遅い生育となっており、猛暑の影響で若干小ぶりとなっておりますが、8月上旬の「あかつき」に続き、主力品種の「川中島白桃」の収穫が始まっており、糖度、品質共に良好であります。
リンゴについては、主力品種である「ふじ」の着果量と肥大状況は平年並みで順調に生育しておりますが、害虫の発生が平年より多い見込みとなっておりますので、今後は、収穫期までの適正な栽培管理について、関係機関と連携しながら周知してまいります。
キュウリやトマト、枝豆などの野菜につきましては、6月から8月上旬にかけての高温、少雨の影響により品質にある程度の影響は出ているものの、全体的な出荷量は前年並みに推移しております。また、シンテッポウユリについては、生育が早まったものの品質・収量ともに平年並みとなっており、今後の秋彼岸需要に向け、安定した品質と収量が確保できるよう、関係機関と連携して生産振興を図ってまいります。
「かづの旬食フェスタ」につきましては、9月20日、21日の2日間、道の駅おおゆを会場に、鹿角産農畜産物の販売にこだわった内容で開催いたします。新鮮な野菜や果物の販売のほか、鹿角産の農畜産物を使用した飲食ブース、かづの牛GI登録を記念したバーベキューコーナーを設置する予定としており、市内外に本市の農畜産物のおいしさを宣伝してまいります。
農産物の盗難防止につきましては、鹿角管内での被害を防止するため、各関係機関が連携し、今年度から定期的にパトロールを実施することといたしました。8月26日に実行委員会を開催し、パトロールを開始しております。
鳥獣被害防止対策につきましては、緊急ツキノワグマ誘引樹木伐採事業については、8月23日現在で、42件301本に対して補助金交付を決定し、そのうち、36件266本の伐採が完了しております。
ツキノワグマの出没については、昨年8月末時点の目撃件数142件に対し、今年度は8月26日現在で382件と、昨年の2倍を超える状況となっていることから、被害防止に向けた緊急の対応として、箱罠を5基、増設することとしており、捕獲強化に努めてまいります。
また、8月22日に開催された秋田県市長会において、クマの個体数の管理と被害低減に主体的に取り組むこと、市町村が行う対策について人的、財政的な支援を拡充すること、クマの生態と行動を調査し、徹底した周知を図ることを国に要望するよう緊急提案を行い、全会一致で承認されましたので、今後、クマ対策について県市長会を通じて国に強く要望してまいります。
森林経営管理制度につきましては、十和田瀬田石地区と十和田大湯地区を対象に、市から森林所有者へ今後の森林の経営や管理について意向調査を行ってまいります。
昨年度意向調査を実施した十和田大湯折戸地区と大平、田代平地区につきましては、今後の経営管理方法を定める経営管理権集積計画を作成してまいります。
また、国土調査が未実施となっている十和田大湯黒森山地区について、森林の境界に関する合意形成を行ってまいります。
次に、観光関係についてでありますが、
主な夏祭りの入り込み状況につきましては、花輪ばやしについては、初日は多くの方々からご来場いただき、駅前行事を中心に、多くの観覧客で賑わいましたが、2日目となる20日は災害級の大雨となり、屋台運行及び駅前行事が中止となり、異例の縮小開催となったことから、10万5千人と昨年の19万8千人から半減しました。
毛馬内盆踊りについては、一般の踊り手の参加に加え、地元団体による大太鼓響演や語り部による伝説を披露するなど、入込み数は1万3千人となりました。
このほか、花輪ねぷたは2万人、大湯大太鼓まつりは800人となり、夏祭り全体では、昨年と比較して約3割の減となりました。
観光アクセス充実対策事業につきましては、10月1日から、十和田湖・鹿角花輪駅間について、秋田県ハイヤー協会鹿角支部との連携協力により、デマンド型の乗り合いタクシー、愛称「観光旅(たび)タク」の運行を開始いたします。「観光旅タク」は、実証運行としてスタートしますが、通年運行とし、要望がある場合には、小坂町や中滝ふるさと学舎、尾去沢鉱山でも乗り降り可能とします。
また、昨年8月1日から、八幡平エリアの志張温泉・八幡平山頂間で運行している自家用有償旅客運送「ドラゴン号」を、10月1日から「観光旅タク」の運行開始に合わせて鹿角花輪駅まで運行を延伸することとしており、「観光旅タク」と「ドラゴン号」の組合せにより、観光アクセスの利便性の向上を図ってまいります。
花輪線の利用促進につきましては、盛岡方面の沿線住民から、秋田県側の花輪線沿線の観光スポットなどを知っていただき、花輪線の利用につなげるため、花輪線を利用したツアーを実施しております。去る7月12日には、八幡平大沼自然探勝路をガイド付きで散策する日帰りツアーに23人が参加しました。
また、7月18日、19日には、小坂町や小坂鉄道レールパークからも協力いただき、「ブルートレインあけぼの」に宿泊するツアーを実施し、25人が参加しました。
さらに9月7日には北限の桃狩りと大湯環状列石をめぐる日帰りツアーの実施を予定しております。
これまで実施したツアーの参加者からは、今回のツアー参加を機に、また花輪線に乗って旅行をしたいとの意見もいただいておりますので、引き続きツアーの充実を図り、花輪線利用と周遊観光の促進を図ってまいります。
また、花輪線利用促進協議会では5月10日から10月27日までの期間、鹿角花輪駅から北森駅までの区間で、車内にスポーツタイプの自転車を持ち込んで乗車できる「サイクルトレイン」の実証実験を行っております。8月までの利用状況は24人となっており、関東方面からの利用も見られます。
今年で2年目の取組みとなりますが、今後も、沿線自治体および関係機関と連携し利用促進の取組みを進めてまいります。
なお、花輪線は8月20日の大雨の影響により大滝温泉駅から東大館駅間において路線設備の被害が4か所確認されたことから、鹿角花輪駅から大館駅の区間が運休となっております。JRからは、9月下旬の運転再開および代行輸送の早期実施に向けて準備を進めていると伺っておりますが、今後もJR及び沿線自治体からの情報収集と市民への情報提供に努めてまいります。
葛飾区四つ木地区との都市農村交流関係につきましては、8月17日から20日までの日程で、よつぎ小学校の児童16人と引率者8人を受け入れ、野菜や桃の収穫などの農業体験のほか、座禅体験、みそ付けたんぽ作り体験、花輪ばやし子どもパレードへの参加など、本市ならではのさまざまな体験を通じて、本市に愛着を持っていただく機会になったものと考えております。
次に、商工関係についてでありますが、
燃料価格高騰対策事業につきましては、燃料価格の高騰により厳しい経営環境に直面している市内物流事業者を支援するため、「トラック運送燃料高騰対策支援事業」を実施しており、8月25日現在で8事業所150台に対し支援金を給付しております。
また、物価高騰などにより消費が落ち込み、影響を受けている市内の小売店等の事業継続支援と市内経済の活性化を目的として、「デジタルプレミアムペイ発行事業」を実施しております。7月号広報やメール配信等によりPRを行った結果、発行予定総数4,000セットに対し応募期限の7月24日までに2,432セットの応募がありました。チャージ期間は8月末までとなっており、期限までに販売されない分については、10月以降に再販売をすることとし、準備を進めております。より多くの市民の皆様から、小売・飲食店・サービス業等の事業者を応援していただけるよう、引き続き周知しながら活用を促進してまいります。
脱炭素行動事業者認定制度につきましては、7月4日に、脱炭素につながる優れた取組みを実践された八重樫建設株式会社、鹿角エヌ・シー・エル株式会社、株式会社恋する鹿角カンパニーの三事業者を表彰しております。今回表彰した事業者は、再エネ電気への切替えや省エネ設備への更新等に率先して取り組むほか、エネルギーの見える化や省資源化など、他の模範となる特徴的な取組みを実施されております。
省エネ家電購入支援補助金につきましては、補助金の申請期限である7月末までに69件の申請がありました。申請総額が予算額に達しなかったため、9月1日から追加で募集を開始いたします。
今後も、市民が身近に取り組める事業を展開し、カーボンニュートラル達成に向け取組みを進めてまいります。
次に、教育関係についてでありますが、
この度、文部科学省による「令和7年度子供の読書活動優秀実践図書館表彰」において、花輪図書館が文部科学大臣表彰を受賞いたしました。この表彰は、平成14年度から行われており、子供が積極的に読書活動を行う意欲を高める活動を推進するため、特色ある優れた実践を行っている全国の学校や図書館、団体等に贈られるもので、今年度の全国の受賞施設43館の一つに選定されたものです。
十和田図書館につきましては、10月1日にリニューアルオープンいたします。これに先立ち、9月6日には、秋田県出身の昆虫学者である前野ウルド浩太郎氏を講師に迎え、十和田市民センターで記念講演会を開催することとしており、講演会終了後には十和田図書館の内覧会を行います。これを機に、市民の皆様に読書の楽しさや魅力を伝え、さらなる読書活動の推進につなげてまいります。
次に、スポーツ振興についてでありますが、
「浅利純子杯争奪第19回鹿角駅伝」につきましては、7月26日に、青森県や岩手県からの参加を含む66チームにより熱戦が展開されました。アップダウンの厳しい花輪スキー場のローラースキーコースに特設コースを設け、暑い中での大会となりましたが、地元参加では、小学生女子の部で花輪アスリートクラブAが優勝を果たし、同じく男子の部ではTS-SKANDA男子Aが準優勝となるなど健闘し、大いに盛り上がりました。
第78回目を迎えた「十和田八幡平駅伝競走全国大会」につきましては、これまで8月7日に固定していた開催日を、今年度から8月の第一土曜日に変更し、8月2日に開催いたしました。昨年度から4チーム多い17チームが出場し、真夏の鹿角で熱いレースが繰り広げられ、コモディイイダが最終区間の5区で3人抜きの快走を見せ、逆転で初優勝を飾りました。
第36回全国ローラースキー選手権大会につきましては、8月9日から11日まで、花輪スキー場のローラースキーコースを会場に開催され、小学生から一般まで287人が参加しております。国際スキー・スノーボード連盟の公認大会として、国内では最高峰のローラースキー大会となっており、日本代表として冬季オリンピックに出場した選手のほか、韓国、台湾などから10人の海外選手が出場いたしました。
各大会とも多くの参加者を得て盛会裏に終了しておりますので、今後も引き続き全国規模の大会を積極的に開催しながら、「スキーと駅伝のまち鹿角」を全国に発信してまいります。
次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、
一般会計については、農地利用効率化等支援事業費補助金、地場産業原料米価格高騰対策交付金などの追加と、人事異動に伴う人件費の調整分などを計上しております。
その結果、補正額は1億91万9千円の増額となり、補正後の予算総額は191億3,801万4千円となりました。
特別会計及び企業会計については、国民健康保険事業特別会計では、保険事業費納付金の調整等、下水道事業会計では、人件費の調整を行っております。
本定例会には、人権擁護委員の諮問案件1件、条例案件3件、上水道事業剰余金処分案件1件、補正予算案件3件、決算認定案件2件、合わせて10件のご審議をお願いいたしております。
詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜りますようお願いいたします。
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総務課 行政班
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更新日:2025年08月29日