令和5年第4回鹿角市議会定例会(行政報告)

更新日:2024年02月01日

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令和5年6月1日報告

はじめに、鹿角市教育委員会事務局の職員が、公金等を着服した事件についてであります。過去に同様の事案が発生した際に、再発防止に向け、公金等の管理方法を見直し、チェック体制の構築に努めてきた中で、このような事件が発生したことを、市政運営の総括者として大変重く受け止め、責任を痛感しております。二度とこうした不祥事を発生させないよう、定期的に出納状況をチェックし、その結果を会計管理者に報告することを義務付け、通帳を使用する際には、都度、通帳使用簿に記入すること、特定の職員のみに出入金を行わせないことなどを徹底するとともに、すべての団体で会計事務取扱マニュアルを作成し、事務改善とチェック体制の強化を図ったところであります。また、特に管理監督職に対しては、業務の執行管理において常に職責を全うするよう強く指示しております。引き続き、各種団体の会計事務における再発防止対策を徹底するとともに、一日も早く市民の皆様の信頼を回復できるよう総力を上げて取り組んでまいります。

 

それでは、令和5年第4回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 

はじめに、総務関係についてでありますが、

令和4年度の「ふるさと鹿角応援寄附」の実績につきましては、件数が2万2,118件、金額が3億3,515万2,876円と、件数、金額ともに過去最高となり、前年度と比較して、件数で35.3%の増、寄附額では43.8%の増となりました。返礼品では、寄附者からの評価が高く、リピートが定着してきているアップルパイが全体件数の約23%を占めているほか、根強い人気があるりんご、新米の先行予約や定期便などを始めた米、キャンプ人気を背景とした薪、テレビの全国放送の反響が大きかった鹿角ホルモンなどに対する寄附が増加しております。引き続き、関係機関と連携しながら、本市特産品等の魅力を積極的にPRし、より多くの方々から本市を応援いただけるよう取り組んでまいります。

移住の促進につきましては、令和4年度の移住実績は42世帯62人となり、世帯数は事業開始から最多となりました。世代別では、40代までの比較的若い世代が約7割を占め、そのうち20代が過去最多の19人となっております。引き続き、移住に関する情報を積極的に発信するとともに、NPO法人と連携してきめ細やかなサポート体制を整えながら、移住の取組みを促進してまいります。

官製談合再発防止に向けた入札制度の見直しにつきましては、昨年度から導入しているランダム係数を用いた変動型の最低制限価格方式に加え、今年度の4月から、低入札価格調査制度の運用を開始しております。昨年度に設置した、外部有識者から成る入札監視委員会を通じて公正性と透明性を確保しながら、引き続き公正・公平な入札制度に向けた改革を進めてまいります。

消防団活動の充実につきましては、女性消防団員の加入促進や消防団協力事業所の登録などを進めておりますが、少子化の進展等により、特に若年層の入団者が減少し、消防団員の確保が厳しい現状にあることから、消防力の維持に向け、消防団組織の見直しが課題となっております。このことから、消防団と協議のうえ、消防団員の定数と資機材等の配備の見直しを進めているところであり、今後、地区ごとに開催する説明会を通じて、地域の意見を取り入れながら消防団活動の充実を図ってまいります。

 

次に、民生関係についてでありますが、

子育て世帯生活支援特別給付金給付事業につきましては、3月分児童扶養手当受給者及び4月分新規児童扶養手当受給者の205世帯と、令和4年度給付金のひとり親世帯以外分の支給対象者87世帯を対象とし、去る5月30日に、対象児童481人に一人当たり5万円を給付いたしました。なお、児童扶養手当を受給していないひとり親世帯で、物価高騰の影響を受けて家計が急変している世帯や、令和5年1月1日以降の収入が急変した児童手当受給者等の世帯については、随時申請を受け付け、一人当たり5万円の給付金を支給してまいります。

エネルギー・食料品価格等の物価高騰に対する緊急対策につきましては、物価高騰の負担感が大きい低所得世帯への負担を軽減するため、令和5年度の市県民税均等割非課税世帯や家計急変世帯を対象に3万円の給付を行うこととし、準備を進めてまいります。

地域医療の推進につきましては、本市の医療機関開設資金を活用した「かづのファミリークリニック」が、4月6日にオープンいたしました。小児科・耳鼻咽喉科・内科・呼吸器内科の4つの診療科を持つ新たなクリニックがオープンしたことは、「適切な医療を受けられる体制を整える」ことを市政の方針に据えて重点的に取り組んでいる中、地域医療の充実に向けた前進であります。

また、今後の地域医療に関わる動向として、現在、秋田県の次期医療計画の策定が進められており、この中で一般的な入院治療を完結できる圏域として定めている2次医療圏について、現行の「大館・鹿角医療圏」を含む8医療圏から、3または5医療圏に見直す案が示されております。こうした県の動向を踏まえ、今後の地域医療を取り巻く課題などを関係機関と協議していく必要がありますが、本市といたしましては、引き続き、医師をはじめとした医療従事者の確保や開業支援に注力するとともに、岩手医科大学及び弘前大学とも連携を図りながら地域医療体制の充実に向けて取り組んでまいります。

健康づくりの推進につきましては、市民の健康づくりなどに関して、ノウハウ等を有する事業者と連携して取組みを進めるため、去る4月24日に、RIZAPグループ株式会社と「健康増進等に関する連携協定」を締結いたしました。これにより、同社が有する食事や運動方法に関するノウハウを活用し、市民の運動習慣の定着につながる働きかけを強化し、市民一人ひとりの健康の増進を図ってまいります。今年度は、6月4日に開催する第1回健康セミナーを皮切りに5回のセミナーを開催するほか、特定保健指導プログラムの実施や指導者向けワークショップの開催、RIZAPコラムによる情報発信を実施してまいります。

予防接種事業につきましては、疾病の発症や重症化予防のため、新たに乳幼児のおたふくかぜワクチンと成人の帯状疱疹ワクチンの接種費用を助成するため、これに関連する補正予算案を本定例会に提案いたしております。

新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、特例臨時接種期間が今年度末までに延長されたことから、これまでと同様に自己負担無しでのワクチン接種を進めております。現在実施しているワクチン接種は、これまでに2回以上の接種を終えた方を対象者とし、65歳以上の方や基礎疾患のある方、医療従事者等については、5月から8月までの春夏と9月以降の秋冬に、それぞれ1回ずつの接種を可能とし、それ以外の5歳以上の方については、秋冬に1回の接種を可能としております。現在、市内医療機関での個別接種を実施しており、5月29日現在、2,735人の方が接種しており、引き続き、接種希望者が安心してワクチン接種ができるよう、きめ細やかな周知に努め、関係機関と連携を図りながら実施してまいります。

地域コミュニティの維持と活性化につきましては、 去る5月17日に自治会長会議を開催し、市から自治会への連絡事項をお伝えするとともに、意見交換を通して自治会との連携を強化しております。また、集落の課題解決に向けた話し合いや状況調査等を進めるほか、集落活動応援事業による支援後においても集落の活動を継続的にサポートしていくため、今年度から集落支援員を1人増員し、支援体制を強化しております。引き続き、自治会へ出向きながらフォローアップを継続し、さらなる地域コミュニティの活性化を推進してまいります。

 

次に、農業関係についてでありますが、

主食用米の生産につきましては、需要に見合った「生産の目安」である1,915ヘクタールに対し、農家から提出されました5月26日現在の計画面積は、「生産の目安」を47ヘクタール上回る1,962ヘクタールとなっております。このため、需要に応じた米の生産となるよう、今後の経営所得安定対策等交付金の本申請に向け、関係機関と連携し、水田活用の産地交付金などの制度を周知しながら取り組んでまいります。

キュウリやトマト、シンテッポウユリなどの野菜や花き類につきましては、低温や天候不順の影響を受けているものの、播種や定植作業などは順調に進んでいることから、品質向上と収量の増加が図られるよう、適期防除等について周知してまいります。

果樹につきましては、3月から暖かい日が続いたことから、桃、りんごともに、発芽が平年よりも12日早く、開花も、桃は12日、りんごは11日早い生育となりました。開花以降の天候不順や、4月下旬の低温と霜の影響により一部の地域や品種に被害が確認されておりますので、今後の結実状況を注視しながら、関係機関と連携して、病害虫防除の徹底など適切な管理を周知してまいります。

スマート農業の推進につきましては、4月24日から、高い精度の位置情報を測位することができるRTK基地局の運用を開始し、現在、10ライセンスを貸与し、主にトラクターによる耕起・代かき作業に活用されております。

農林業施設災害の復旧状況につきましては、5月31日時点で、農地については、12カ所のうち、完成が2カ所、施工中が7カ所、農業用施設については、42カ所のうち、完成が3カ所、施工中が10カ所、入札公告中が11カ所となっております。

また、林道施設の1件については、現在、入札公告中となっております。引き続き、関係農家等との調整を図りながら、早期の復旧を目指してまいります。

鹿角市植樹祭につきましては、去る5月19日に大湯環状列石周辺を会場に開催し、市内の児童・生徒や関係者、一般参加の市民など約200人から参加いただき、苗木229本を植樹しております。植樹祭を通じて、世界文化遺産である大湯環状列石の魅力を再認識していただきながら、二酸化炭素の抑制と自然保護への意識啓発が図られたと考えております。

 

次に、観光関係についてでありますが、

大型連休中の入込み状況につきましては、コロナ禍における行動制限がなくなったことにより、県外や海外からの入込みが増加し、観光施設では前年比112%、宿泊者数も112.3%となり、コロナ禍以前の入込みには及ばないものの、回復傾向が見られております。また、八幡平山頂の入込みは前年比203%となり、連休中盤の5月3日から5日にかけて天候に恵まれたことに加え、市内の2つの道の駅で開催されたイベントなどによって周遊性が向上したことが、入込みの増加につながったものと捉えております。

今後につきましても、夏祭りなど本格的な観光シーズンが控えておりますので、国内外からの観光誘客に向け、積極的に事業を展開してまいります。

JR花輪線の全線運転再開につきましては、早期復旧に向けて、秋田県や、沿線の八幡平市、盛岡市、大館市、滝沢市と連携し、JR東日本盛岡支社に対して要望活動を行うとともに、機会を捉えて関係各方面に応援を要請してまいりました。こうした関係者一丸となった活動が実を結び、去る5月14日に全線運転再開となりました。

運転再開の記念イベントとして、再開日当日に鹿角花輪駅で花輪ばやし、十和田南駅では毛馬内盆踊りの実演により列車を出迎えたほか、花輪線を利用した観光ツアーを実施いたしました。また、かづの商工会による紅白餅の配布なども行われ、運転再開の歓迎ムードが高まり、今後の利用促進に弾みがついたものと捉えております。

利用促進に向けた取組みとして、運転再開翌日の5月15日に、秋田県と花輪線利用促進協議会との共催でJRローカル線活性化研究会が開催され、乗客の呼び込みに成功したローカル線の取組み事例を学びながら、関係者間で利用拡大に向けた認識を共有しております。

JR花輪線は、通勤・通学に必要な公共交通であることに加え、本市の観光施策に欠かすことのできない路線であることから、今後、秋田県及び、花輪線利用促進協議会で利活用について検討を進めてまいります。

 

次に、商工関係についてでありますが、

雇用関係につきましては、今年3月の新規高卒者の就職状況については、鹿角管内3高校の就職希望者51人全員の就職が決まっております。県内就職率は62.7%で、昨年を15.4ポイント下回り、また、鹿角管内就職率は54.9%で昨年を1.3ポイント下回っており、新型コロナウイルス感染症の落ち着きとともに、県外就職志向に転換しているものと捉えております。また、新規高卒者にかかる管内求人倍率は6.47倍と依然として高い水準にある中で、管内高校の進学率が上昇傾向にあることから、労働力の確保を図るため、大学生や移住者の求人活動についても強化してまいります。

地球温暖化対策につきましては、2030年カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向け、地球温暖化対策を強力に推進していくため、去る3月27日に、具体的な取組み方策を定めた「鹿角市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定いたしました。計画では、2030年度における二酸化炭素排出量を22.1万トン、適切な森林管理による二酸化炭素吸収量を14.8万トンと推計し、差引き7.3万トンの二酸化炭素を削減することを目標としております。目標の達成に向け、かづのパワーが本市の豊富な再生可能エネルギー電力を供給することを軸に据えるとともに、新規再生可能エネルギー発電設備の導入や、省エネ設備への更新、EV社会の実現を目指した率先的な取組みなどを進めていくこととしております。また、市民・民間事業者・行政等が一体となって、脱炭素社会の実現に向けた取組みを展開しながら、暮らしやすく将来性のあるまちづくりを進めていくことで、仕事と人の呼び込みにつなげてまいります。

本市のカーボンニュートラルの実現に重要な役割を担うかづのパワーについては、売電事業を再開した令和4年度の当期利益が1,280万円となり、電力を取り巻く情勢が不安定な中にあって、事業が順調に推移しております。引き続き、かづのパワーと連携しながら、地域経済の活性化に資する先駆的な取組みを推進してまいります。

 

次に、建設関係についてでありますが、

公共土木施設災害の復旧状況につきましては、国の補助事業に採択された市道及び河川15カ所のうち14カ所について、年度内の復旧に向け工事に着手しております。また、被災により通行止めとなっている橋りょうについては、順次復旧に向け、設計及び工事発注の準備を進めてまいります。

 

次に、教育関係についてでありますが、

中学校部活動の地域移行につきましては、スポーツ庁及び文化庁から示された「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」に基づき、休日の中学校部活動の地域移行における課題を整理し、今後の方向性を検討するため、中学校のほか、市内スポーツ団体、文化団体、PTA等で組織する「鹿角市部活動地域移行検討委員会」を設置し、去る5月25日に第1回目の検討委員会を開催いたしました。会議では、それぞれの立場からさまざまな意見や要望をいただいており、将来にわたって子供たちにとって望ましい活動環境を整えていくことができるよう、検討を重ねてまいります。

大湯ストーンサークル館の入込み状況につきましては、令和4年度までの大湯環状列石JOMON体感促進事業により、ガイダンス映像のほか、遺跡周遊アプリ、出土品ホログラムなどのコンテンツや、体験プログラムを整備したことで、大湯環状列石の魅力をより深く、よりリアルに体感できる環境が整っております。こうした取組みの成果として、今年の大型連休には、特に個人客の入込みが増加するとともに、新たな映像コンテンツが大変好評で、来訪者の滞在時間が大幅に増加しております。

スポーツ振興につきましては、昨日5月31日に開催しましたチャレンジデー2023について、今年の対戦相手は北秋田市となり、初めての県内対決で、「世界文化遺産対決」としても注目されましたが、本市の参加率が35.4%で、北秋田市が51.6%という結果で、残念ながら勝利を収めることはできませんでした。開催にあたりまして、自治会、保育園、学校、企業、各団体など多くの皆様からご協力をいただきましたことに、心より感謝を申し上げます。全国一斉のチャレンジデーは今年で終了となりますが、これまでチャレンジデーの参加を通じて、日頃の運動不足解消やスポーツに親しむきっかけづくりに継続的に取り組んでまいりましたので、今後につきましても、こうした市民一体となった取組みを地域の活力創出につなげてまいりたいと考えております。

第79回国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会につきましては、令和7年に本市において開催されることが決定いたしました。令和4年の第77回大会に続き、3年ぶり7回目の開催で、国民スポーツ大会に名称が変更されてからは、本市においては初めての開催となります。

本市では、関係機関や地域の皆様から協力をいただきながら、平成30年に開催した全国中学校スキー大会から、毎年、全国規模の大会を開催しており、こうした運営実績が高い評価を得ているものと考えております。大会開催まで2年足らずの準備期間となりますが、実施主体である秋田県及び関係機関と連携し、万全の準備を進めてまいります。

次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、

一般会計については、本日の採決をお願いしております電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金給付事業費、くらし応援プレミアム付商品券事業費、エネルギー利用効率化促進事業費の追加のほか、自治会等コミュニティ活性化支援事業費、再エネ導入事業費、道路補修工事費、河川整備工事費、小学校の施設改修工事費等の追加と、定期人事異動に伴う人件費の調整などを計上しております。

この結果、補正額は合わせて5億5,867万5千円の追加となり、補正後の予算総額は195億5,752万5千円となりました。

本定例会には、報告案件4件、人事案件14件、物品購入案件1件、条例案件3件、補正予算案件2件、合わせて24件のご審議をお願いいたしております。

詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。

この記事に関するお問い合わせ先

総務課 行政班

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電話:0186-30-0203 ファックス:0186-30-1122
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