令和6年第6回鹿角市議会定例会(行政報告)
令和6年11月29日報告
令和6年第6回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
はじめに総務関係についてでありますが、
防災対策につきましては、県が、今年の元日に発生した能登半島地震を教訓に、能登半島と同様の被害が懸念される男鹿地域と、内陸型地震を想定した本市の震災対策について検討するため、今年4月に、防災の専門家のほか、男鹿市、鹿角市などを委員とする検討委員会を立ち上げております。委員会では、両地域の防災上の課題を洗い出し、年度内に両地域の防災・減災の方針が取りまとめられる予定となっております。本市といたしましても、市民の安全安心を確保するため、この委員会に参加し地震対策の検討を進めております。
ショプロン市との交流につきましては、鹿角国際交流協会を通じて、第13代の日本語語学指導員として秋田市出身の佐藤花純さんを派遣し、9月27日から活動を開始しております。現地では、日本語習得のニーズが高まってきていることから、日本語教室の開催のほか、日本や鹿角の文化を紹介するワークショップの開催などを通じ、両市民の相互理解や交流のかけ橋役として活躍されることを期待しております。
出会い応援につきましては、9月15日に、出会いイベント『第11回かづの縁結びオータムバスツアー』を開催いたしました。男性6人、女性4人が参加し、大湯ストーンサークル館の謎解きゲームやアウトドアでの栗拾い体験などを通じて交流を深め、3組のカップリングが成立しております。
地域間交流につきましては、11月2日と3日の2日間、東京都葛飾区柴又帝釈天周辺を会場に、「寅さんサミット2024」が開催され、本市から文化交流イベントで花輪ばやしの演奏と町踊りを披露したほか、きりたんぽなどの販売ブースに長蛇の列ができるなど、大盛況となりました。また、柴又商店街の店舗とのコラボレーションにより、鹿角産の桃を使ったどら焼きがイベント限定で販売され、本市の特産品のPRに加え、食を通じた地域間交流に結び付いております。
関係人口の創出につきましては、地方に関心のある首都圏住民に関係人口になってもらい、地域とのつながりの構築と本市の抱える地域課題に取り組む人材育成講座「かづコトアカデミー」については、10月18日から20日まで、本市で現地フィールドワークを開催いたしました。首都圏在住の6人と鹿角市在住の5人が参加し、地域づくり活動を実践している方々の活動拠点の訪問のほか、メイン講師を務めているソトコト編集長の指出一正氏の講演などを通じ、本市との関わり方の発掘や、実践プランの作成が行われております。今後につきましても、本市と首都圏在住の参加者が、さらなる交流を深めることでネットワークを広げながら、まちづくりの活動を実践してまいります。
鹿角高等学校の支援につきましては、鹿角地域唯一の高校を地域一体となって支援するため、民間主導による「鹿角高等学校支援協議会」が10月23日に設立され、本市も設立の趣旨に賛同し、協議会に参画しております。協議会では、当面の活動計画を下宿先の確保による市外生徒の就学支援や、地元企業への就職支援としておりますので、民間と行政が連携しながら取組みを進めてまいります。
次に、民生関係についてでありますが、
自治会活動の充実につきましては、11月8日に、全自治会を対象とした地域づくりリーダー研修会を開催いたしました。あきたF・F推進員として活動されているエンパワーメントwith代表の加賀谷七重氏による「自治会活動は女性の参画が鍵 ~見える化、繋がり、巻き込み力~」と題した講演や、ワークショップを通じ、自治会における女性活躍の重要性について理解が深められております。
男女共同参画社会の推進につきましては、10月11日に、男女共同参画基礎講座を開催し、秋田県理事の丹治純子氏から、「男性の家事・育児参画の推進について」をテーマに、ワーク・ライフ・バランスの推進による企業へのメリット等についてご講演をいただいております。また、講座の開催に合わせ、今年度のワーク・ライフ・バランス優良企業として、株式会社柳沢建設を表彰しております。こうした取組みを継続しながら、男女が共に働きやすい環境づくりと、仕事と生活の調和のとれたライフスタイルを促進してまいります。
災害弔慰金等支給審査委員会につきましては、9月24日に5人の委員を委嘱しており、今後、災害による関連死が疑われる事案が発生した場合に、審査委員会を開催し迅速に対応してまいります。
電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金につきましては、今年度新たに住民税非課税世帯及び均等割のみの課税となった世帯等を対象とし、申請期限の10月31日までに申請を受け付けた511世帯に10万円を給付いたしました。このうち18歳未満のこどもがいる39世帯には、一人あたり5万円の加算給付を行っております。
定額減税補足給付金につきましては、定額減税の対象となる方で、所得税と住民税から減税しきれないことが見込まれる方に、定額減税補足給付金を給付しております。申請期限の10月31日までに申請を受け付けた5,770人に給付を行っております。
熱中症対策につきましては、市内の38施設からご協力いただき、7月1日から10月23日まで、クーリングシェルターを運用いたしました。今年度、秋田県内で熱中症特別警戒アラートは発令されませんでしたが、熱中症警戒アラートの発令が1日あり、その際は36施設から開放いただき、大型スーパーなどで多くの方の利用がありました。来年度は、4月の第4水曜日から運用する予定としておりますので、引き続き指定施設からご協力をいただきながら、熱中症による健康被害の防止に努めてまいります。
地域医療体制につきましては、先般、岩手医科大学の学長が本市を訪れ、令和7年4月から、かづの厚生病院小児科への常勤医師の派遣を取り止め、同時に小児科入院病床の受け入れも中止するとの説明を受けております。本市といたしましては、鹿角地域で唯一、小児科入院病床を有するかづの厚生病院で受け入れができなくなることにより、子育て環境に大きな影響が及ぶことから、去る25日に、小坂町長とともに、県に対して病床継続に向けた要望書を提出しております。今後とも関係機関に対する要望活動を行い、病床の継続に向けて取り組んでまいります。
次に、農林業関係についてでありますが、
令和6年産米の作柄につきましては、田植え後の5月下旬までの低温と日照不足に加え、7月中旬以降も日照不足となりましたが、出穂期以降は概ね天候に恵まれたことから、本市を含む県北地域の作況指数は、「103」の「やや良」となり、10アール当たりの予想収量は、高温障害のあった令和5年産より40キログラム多い572キログラムと公表されております。令和6年産米の概算金は、民間在庫量が少ないことが影響し、前年から大きく値上がりしておりますが、燃料費をはじめとする生産コストの高止まりが続き、依然として農業経営をひっ迫させている状況にあることから、国や県をはじめ、関係機関と連携し、コスト削減などの支援に取り組んでまいります。
野菜につきましては、キュウリやトマトなど主力作物は、7月中旬からの日照不足、8月の高温の影響により、収量は低くなったものの、高単価で推移したことから、JAの販売額は昨年を上回る結果となりました。
「北限の桃」につきましては、肥大時期に降雨があったものの、概ね天候に恵まれ、JAの集荷量、販売額ともに昨年を上回り、販売額は1億5,500万円となっております。また、産直販売での売上げも好調で、認知度の向上によって需要がますます高まっていることから、引き続き、関係団体と連携し、さらなるブランド力の向上に向けて生産指導や作付拡大を支援してまいります。
畜産につきましては、10月22日に鹿角家畜市場へ短角・褐毛(かつもう)の子牛、合わせて59頭が上場され、49頭の売買が成立しております。このうち日本短角種は19頭が取引きされ、税抜きの平均価格は20万円となり、昨年を5,000円程度上回る結果となりました。物価高騰の影響による消費者の節約志向などで枝肉の需要低迷が続いていることや、飼料代の高止まりなどの影響により、繁殖農家や肥育農家が生産コスト削減のために子牛の購入価格を抑制する傾向が続いており、小幅な値上がりになったものと捉えております。また、10月20日に開催した第22回かづの畜産まつりでは、市内外の方々がかづの牛を堪能し、大変盛況となりました。今後につきましても、畜産農家や関係団体と連携を図りながら、より一層の販売促進に取り組んでまいります。
第147回秋田県種苗交換会につきましては、11月1日から5日までの日程で開催し、市民並びに関係団体の協力により、盛会裏に終えることができました。会期中は好天にも恵まれ、5日間で62万人の来場者が訪れ、主会場を中心に大いににぎわいました。主会場を総合運動公園に集約し、農産物展示や物販コーナーを回遊できるレイアウトは来場者から好評を得たほか、今回初めて採用した「パークアンドライド方式」により、主会場周辺での大規模な渋滞を防ぎ、この方式の要となるシャトルバスを円滑に運行することができております。種苗交換会の開催を通して、鹿角地域や農産物の魅力を十分にPRするとともに、地域経済の活性化につながったものと考えております。
鳥獣被害防止対策につきましては、クマの出没等の状況については、10月末までの目撃・被害通報件数は151件で、昨年の同時期と比較して129件の減となり、大きく減少しております。そのうち被害件数は25件で、昨年と比較して47件減少しているものの、4件の人身事故が発生しております。また、有害鳥獣駆除による捕獲頭数は49頭で、昨年より100頭の減となっております。今年は、ブナの実りがよく、山に食べ物が豊富にあったことに加え、誘引木の伐採をはじめとした出没対策の効果もあり、出没件数の減少につながったものと捉えております。緊急ツキノワグマ誘引樹木伐採事業では、139件690本分に補助金の交付を決定し、そのうち、11月19日現在で、131件653本の伐採が完了し、2,507万610円の補助金を交付しております。山の実りに関しましては、豊作の次の年は不作になるとの見方もあることから、今後につきましても捕獲体制の確保、出没対策の周知啓発に努めてまいります。なお、去る11月27日に、浅尾環境大臣が、クマの出没対策の現場を視察するため、本市の大湯と八幡平の現場を訪れており、この機会に、猟友会の会員や市の担当職員が、大臣に対し、クマ出没時の対応の実情について直接説明を行っております。本市としましても、国が取組みを進めている鳥獣被害防止対策に、引き続き協力してまいりたいと考えております。
森林経営管理制度につきましては、森林所有者から市が経営を委託された花輪内山・甘蕗区域の経済林について、経営管理を「意欲と能力のある林業経営者」に再委託するため、経営管理実施権の設定に係る企画提案書を募集したところ1社から応募があり、10月25日に選定委員会を開催し、株式会社西村林業を再委託先として決定いたしました。今後、対象となる420筆、91ヘクタールの経済林について、提案された計画に基づき、適切な森林経営が行われるよう、きめ細やかな指導を行ってまいります。
次に、観光関係についてでありますが、
10月12日に道の駅かづので鹿角の郷土食フェアを開催し、鹿角の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・文化などによって育まれた郷土食である「きりたんぽ」や「けいらん」、「鹿角ホルモン」、「かづの牛」などを提供し、市内外から訪れた方々にPRしております。このほか、鹿角観光ふるさと館においては、「味噌付けたんぽ」の手作り体験が好評を博しており、特にインバウンドについては前年度に比べ約4割増で推移しております。今後につきましても、機会を捉えて本市の「食」の魅力を発信し、観光誘客につなげてまいりたいと考えております。
JR花輪線の利用促進につきましては、10月1日から10月31日の期間で、八幡平市の北森駅と鹿角花輪駅間において、花輪線を利用しながら各駅からサイクリングを楽しむことができるよう、花輪線の車両に自転車を持ち込むことができるサイクルトレインの実証実験を実施しました。また、11月30日と12月1日の2日間、花輪線で、JR東日本の観光列車「ひなび(陽旅)八幡平」が運行されます。これに合わせ、沿線自治体で、おもてなしの企画を実施することとしており、本市では鹿角花輪駅で花輪ばやしの演奏によるお出迎えを実施いたします。このほか、花輪線を使用したミニツアーや、フォトコンテストを実施しており、引き続き、花輪線利用促進協議会を通じて関係機関と連携し、花輪線のPRと乗車促進のための事業を展開してまいります。
冬季観光誘客につきましては、秋田県とJR東日本が、12月1日から来年2月28日まで、秋田県を重点販売地域とする大型キャンペーン「誰と行く?冬の秋田」を開催します。キャンペーンは「温泉」、「食・酒」、「雪」などをキーワードに、秋田ならではの体験を通じて、秋田の魅力の再発見を促す内容で展開され、webサイトや各種媒体による情報発信が繰り広げられることから、この機会を捉えて、冬期の観光誘客の拡大につながるよう、本市の冬の魅力発信に努めてまいります。
甲岳台展望台林道整備工事につきましては、本格的な紅葉シーズンを迎える前の10月10日に完成いたしました。時期を同じくして、道の駅「十和田湖」がオープンしたこともあり、今後、「十和田湖1000年会議」での検討などを踏まえ、滞在型観光創出に向けた資源の磨き上げなどが展開され、十和田湖観光が盛り上がっていくものと考えておりますので、引き続き関係機関と連携しながら観光振興を進めてまいります。
次に、商工関係についてでありますが、
新規学卒者の就職内定状況につきましては、鹿角高校における来年3月卒業見込みの生徒のうち、就職希望者は44人で、このうち県内事業所への就職希望者は38人となっております。9月末現在の就職内定者は30人で、県内が24人、うち鹿角管内が18人で、昨年同時期と比較して2人増となっております。就職希望者全体の内定率は68.2%となり、昨年に比べて11.7ポイント上昇し、例年よりも早い時期に内定が出されております。ハローワーク鹿角と締結している雇用対策協定に基づく取組みのほか、かづの商工会、鹿角地域振興局、小坂町を含めた関係機関による高校や企業に対する要請などの各種対策が、企業からの求人の早期提出と、高校での市内就職の勧奨につながり、早期内定に結び付いたものと捉えております。引き続き、就職内定率100%の早期達成に向け、取組みを進めてまいります。
次に、地球温暖化対策についてでありますが、
国の再エネ推進交付金重点対策加速化事業を活用した再エネ導入事業については、11月末現在で、自家消費型太陽光・蓄電池導入支援11件、木質バイオマス熱利用機器導入支援3件に対し補助金の交付決定をしたほか、遊休市有地を活用した地域向け電源導入促進事業で、新たに3カ所で交付決定しております。また、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、省エネ設備更新15件、省エネ家電購入190件を支援しており、事業者や市民の光熱費の削減と脱炭素化を進めております。引き続き、補助制度の利活用を促しながらカーボンニュートラル達成に向けて進めてまいります。
地球温暖化防止の意識醸成につきましては、企業や団体等の脱炭素行動を促す「脱炭素行動事業者認定制度」に加え、今年度は市民向けの「鹿角ゼロカーボンサポーター制度」を創設し、市民から補助制度の活用やイベント参加などで協力いただき、脱炭素行動の裾野を広げる取組みを進めております。このほか、コミュニティFMで毎週火曜日に「鹿角ゼロカーボンラジオ、ナイスアクション!」を放送し、情報発信を強化しているほか、去る11月17日には、市の支援制度を活用して太陽光パネルや薪ストーブなどを導入した住宅設備の見学会を実施し、カーボンニュートラルに対する市民の意識醸成に努めております。
EV普及に向けた取り組みにつきましては、10月14日に、道の駅かづのを会場に、自動車販売店の協力を得ながらEV試乗会を開催し、1人乗りEVのコムスや電動キックボードの試乗のほか、EVや電動スクーターの展示、アンケート調査などを実施いたしました。多くの方々からEVに試乗いただき、メリットを体感いただくことができましたので、今後も市民ニーズを把握しながら施策を進めてまいります。
次に、建設関係についてでありますが、
市道除雪につきましては、11月18日に受託業者をはじめ関係者による除雪会議を開催し、除雪計画に基づく態勢を整えております。今期は、桃枝橋の通行止め等に伴う路線の見直しを行い、除雪延長約574キロメートルについて、除雪機械110台の体制により、冬期間における安全・安心な道路交通の確保に努めてまいります。
道路整備に係る要望活動につきましては、私が会長を務めております「八戸・能代間、北東北横断道路整備促進期成同盟会」及び「角館大鰐間国道整備促進期成同盟会」が、9月30日の鹿角地域振興局を皮切りに、11月11日に青森県、青森県議会、11月12日に秋田県、秋田県議会へ要望活動を行いました。このほか、秋田県北部地域の合同要望により、内閣府、国土交通省、財務省、東北地方整備局、能代河川国道事務所に、道路整備に係る要望活動を行っております。このうち、内閣府、国土交通省、財務省への中央要望においては、市議会より中山議長、経済界より大里かづの商工会会長が代表されて同行されており、地域一体の要望活動を実施しております。
次に、スポーツ振興についてでありますが、
第79回国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会につきましては、令和7年2月13日から16日までの日程で開催する予定で、本市での開催は令和4年の第77回大会以来となります。鹿角市を全国へPRする絶好の機会であるとともに、地域経済への効果も期待されている有意義な大会であることから、選手、役員をはじめ、全国から訪れる方々に満足していただけるよう万全の準備を進めてまいります。
次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、
一般会計については、除雪委託料の追加、認可保育園保育委託料の追加、障害者自立支援扶助費の追加、給与改定に伴う人件費の追加などを計上しております。
その結果、補正額は7億701万7千円の追加となり、補正後の予算総額は204億5,791万6千円となりました。
特別会計については、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険事業特別会計で、人件費の追加等を計上しております。
事業会計については、下水道事業会計で、人件費の追加を計上しております。
本定例会には、報告案件1件、専決処分の承認案件1件、指定管理者の指定案件1件、市道案件2件、条例案件7件、補正予算案件5件、合わせて17件のご審議をお願いいたしております。
詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。
この記事に関するお問い合わせ先
総務課 行政班
〒018-5292 秋田県鹿角市花輪字荒田4番地1
電話:0186-30-0203 ファックス:0186-30-1122
お問い合わせはこちらから
更新日:2024年11月29日