令和6年第5回鹿角市議会定例会(行政報告)
令和6年8月30日報告
令和6年第5回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
はじめに総務関係についてでありますが、
第7次総合計画後期基本計画の策定につきましては、7月29日に、市民の皆様から広くご意見を伺うための「かづの未来会議」の第1回会合を開き、委員15人の委嘱を行いました。会議では、計画策定のスケジュールと市の現状をお示しし、若者の定住やUターンなどを中心として、普段感じていることや課題について議論いただきました。2回目以降は、本市の目指すべき姿について中長期的なご意見をいただくこととしております。引き続き若者アンケートなどの多様な声を反映させながら、策定作業を本格化させてまいります。
かづのキャンパス構想の推進につきましては、包括的連携協定を締結している武蔵野大学の学生を、8月5日から9月11日まで受け入れるほか、10月には昨年度に続いて大正大学地域創生学部公共政策学科の学生を受け入れる予定となっております。また、新たに徳島大学の教員と総合科学部地域創生コースの2年生18人が、地域とエネルギーの共生の在り方を研究するため、8月20日から本市を訪れております。これにより、今年度は、3大学から、合わせて5つのプログラムで、総勢50人の学生を受け入れることとしております。また、7月17日に、今年4月に世界初となるウェルビーイング学部を開設した武蔵野大学を訪問し、私が直接、学長や学部長などにお会いして、長期地方実習プログラムの誘致について要望しております。大学からは、今後、本市を視察したうえで、具体的に検討したいとの回答をいただいております。引き続き、大学研究プログラムの通年受入れの実現に向けた取組みを進めながら、サテライトキャンパスの設置を目指してまいります。
出会い応援につきましては、7月21日に、出会いイベント「第10回かづの縁結び~ハーバリウム作り体験&交流会~」を開催し、男性7人、女性5人が参加し、2組が連絡先を交換しております。
デジタル行政の推進につきましては、今年度、デジタル庁が実施する「地方公共団体におけるアナログ規制の見直しに係る条例等の改正に関する調査分析事業」の協力自治体として、本市を含む全国の6自治体が連携して事業に協力することになりました。今後、国の取組みを参考にしながら、本市においても、アナログ規制の見直しに積極的に取り組んでまいります。
十和田湖周辺地区における消防救急体制の強化につきましては、十和田湖周辺地区における災害発生時では、消防車両等の現場到着に一定の時間を要することから、地区住民のほか、観光客に対する迅速な対応に向けた消防力の充実、強化が課題となっているため、鹿角広域行政組合消防本部ではこの地区の青森県側を管轄する十和田地域広域事務組合消防本部と消防救急体制について協議検討を重ねてまいりました。このたび、青森県側からの消防車両等の出動が可能となるよう、「十和田地域広域事務組合と鹿角広域行政組合における消防応援協定」を締結することで、一定の合意に達しました。今後は、年内の運用開始を目指し、引き続き両消防本部で、通信指令体制や出動体制などの詳細部分について協議を進めてまいります。
次に、民生関係についてでありますが、
電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金事業につきましては、今年度新たに住民税非課税及び均等割のみ課税となった世帯に対し、1世帯につき10万円を、さらに18歳以下の子どもがいる場合は、1人につき5万円を加算して、給付しております。6月17日付で、523世帯に対し確認書を送付し、8月26日時点で439世帯から申請されており、順次給付手続きを進めております。給付金の申請期限を10月31日までとしておりますので、期限までに申請されるよう呼び掛けてまいります。
定額減税補足給付金につきましては、定額減税の対象となる方で、所得税と住民税から減税しきれないことが見込まれる方については、定額減税補足給付金を給付しております。6月28日付で、5,952人に対し確認書を送付し、8月26日時点で4,452人から申請されており、順次給付手続きを進めております。定額減税補足給付金についても、申請期限は10月31日までとしておりますので、期限までの申請について周知してまいります。
地域医療の推進につきましては、秋田県・鹿角市・小坂町が、岩手医科大学に設置している寄附講座の事業として、7月9日に、市民町民公開講座を開催いたしました。岩手医科大学薬学部の高橋教授から、「お薬が多くて大変になってませんか?」をテーマに、薬の副作用と薬の上手な付き合い方について講演いただき、市民をはじめ120人が聴講しました。また、7月27日に、8回目となる岩手医科大学見学ツアーを実施し、児童・生徒、保護者を合わせ、35人の方から参加いただきました。当日は、医学部・歯学部・薬学部・看護学部が同一キャンパスにある環境の中で、体験実習、ミニ講義、学食体験や、ドクターヘリの見学、大学の理事長との懇談会が実施されました。こうした事業への参加をきっかけとして、医師をはじめ、看護師、薬剤師等の医療専門職に興味や関心を持たれている方々が、志をさらに高くし、将来、医療の道に進まれることを期待しております。
こころの健康づくりにつきましては、「第2期鹿角市自殺対策計画」における重点施策の「子ども・若者への支援」の取組みとして、児童・生徒が困難に直面した時に適切な支援を求めたり、受け止めたりするスキルの習得を目的に、尾去沢小学校、花輪中学校、鹿角高校で、SOSの出し方講座を開催いたしました。
予防接種事業につきましては、令和4年度から開始した子宮頸がん予防ワクチンのキャッチアップ接種が今年度末で終了することから、ワクチンに関する問い合わせや接種を悩んでいる方の相談等に対応するため、相談フォームを開設いたしました。ワクチンは、半年の間に間隔をあけて3回接種する必要があるため、遅くとも9月には1回目を接種するよう勧めており、引き続き広報等での周知や対象者への個別勧奨を行ってまいります。
路線バスの再編につきましては、秋北バス株式会社から、乗務員不足や燃料費等の高騰により、八幡平地区で運行している2路線について、営業路線として維持していくのが困難であるため、できるだけ早い時期に、市が経営主体となるコミュニティバス等への移行が求められております。これを受け、デマンド交通を組み合わせたコンパクトで持続可能な公共交通への転換を図るため、地域住民や交通事業者の意見を踏まえながら、再編案の検討を進めてまいります。
ごみ処理の広域化につきましては、「秋田県ごみ処理広域化・集約化計画」で定められた広域化の可能性を検討するため、鹿角広域行政組合を構成する本市と小坂町に大館市を加えた2市1町で担当者会議を立ち上げ、7月24日に1回目の会議を開催しております。今後、担当者会議で、ごみ処理広域化に向けた課題整理のほか、広域化の手法やスケジュール、コスト試算などの調査を行いながら、広域化の可能性を検討してまいります。
次に、農林業関係についてでありますが、
水稲の生育につきましては、5月下旬から6月上旬にかけて、平均気温が平年より低かった影響により、例年に比べて茎数が少ない状況にありました。その後は、天候の回復により、順調に生育が進み、出穂期は平年より早くなっております。今後は、収穫期に向け、品質と収量確保のため、病害虫防除の確実な実施と適期刈取りを周知してまいります。
果樹につきましては、モモについては、4月の開花が早かったことから、平年より早い生育となっております。8月上旬に始まった「あかつき」に続き、主力品種の「川中島白桃」の収穫が始まっており、糖度、大きさ共に良好であります。なお、去る8月23日には、東京都新宿区にある淀橋市場でトップセールスを行っており、本市が誇る「かづの北限の桃」のさらなるブランド化に向け、私自ら、市場関係者などに強くPRしてまいりました。リンゴについては、4月中旬の遅霜があったものの、主力品種である「ふじ」の着果量と肥大状況は平年以上で、順調に生育しております。今後は、収穫期までの適正な栽培管理について、関係機関と連携して周知してまいります。
キュウリやトマト、枝豆などの野菜につきましては、6月中旬の高温や7月下旬の天候不順の影響により、一時的に出荷量や秀品率が、やや減少したものの、全体的に出荷量は前年以上で推移しております。また、シンテッポウユリについては、生育が早まったものの品質・収量ともに平年並みとなっており、今後の秋彼岸需要に向け、安定した品質と収量が確保できるよう、関係機関と連携して生産振興を図ってまいります。
「かづの旬食フェスタ」につきましては、9月7日に、道の駅かづの「あんとらあ」を会場に、鹿角産農畜産物の販売にこだわった内容で開催いたします。新鮮な野菜や果物の販売のほか、鹿角産の農畜産物を使用した飲食ブースを出店いたします。また、今年度は、種苗交換会の会場においても、「かづの旬食フェスタin種苗交換会」を開催することとしており、市内外に本市の農畜産物のおいしさをPRしてまいります。
野生イノシシにおける豚熱の発生につきましては、市内で8月20日、21日に捕獲された野生のイノシシ2頭について、8月28日の県による検査の結果、豚熱(ぶたねつ)ウイルスの感染が確認されました。捕獲場所から半径10km内の養豚場では異常がないことが県によって確認されております。市といたしましても、ホームページで感染防止についての注意喚起を行っております。引き続き、関係機関と連携し、防疫体制の強化に努めてまいります。
鳥獣被害防止対策につきましては、緊急ツキノワグマ誘引樹木伐採事業費補助金については、8月23日現在で、112件、544本の伐採が完了し、2,157万5,510円の補助金を交付しております。
森林経営管理制度につきましては、市から森林所有者へ今後の森林の経営や管理について、十和田大湯、中滝、折戸地区と大平、田代平地区を対象に、8月5日から説明会を開催し、森林経営の意向調査を実施しております。また、昨年度に意向調査を行った十和田岡田、黒森山地区と瀬田石地区について、航空レーザ計測及び資源解析等により、一筆地ごとの材積把握と国土調査未調査地区の境界明確化を進め、今後の経営管理方法を定める経営管理権集積計画を作成してまいります。
第147回秋田県種苗交換会につきましては、キャッチフレーズを「鹿角からひびけ未来へ農の夢」に決定しました。11月1日からの開催に向け、北東北3県の市町村や関係機関などから協力を得るとともに、市民の皆様からも、さまざまな形で協力をいただきながら、鹿角地域をPRできるよう準備を進めてまいります。
次に、観光関係についてでありますが、
主な夏祭りの入り込み状況につきましては、花輪ばやしの入り込みについては、19万8千人となりました。今年は平日開催ということもあり、土日開催で22万5千人の入り込みとなった昨年には及ばないものの、多くの方々からご来場いただき、駅前行事を中心に、多くの観覧客で賑わいました。これまでの誘客促進のための情報発信や、「祭り展示館」での定期的な実演披露が、誘客につながったものと捉えております。毛馬内盆踊りについては、一般の踊り手の参加に加え、地元団体による大太鼓響演や語り部による伝説を披露するなど、入り込み数は1万4千人となりました。このほか、花輪ねぷたは2万5千人、大湯大太鼓まつりは800人の入り込みとなり、夏祭り全体の入り込みは、昨年と比較して約1割の減となりました。
観光アクセス充実対策事業につきましては、8月1日から、八幡平エリアの志張温泉・八幡平山頂間において、NPO法人「コンビゴーレ八幡平」が自家用有償旅客運送の運行を開始しました。8月26日までの乗車人数は115人となっており、岩手県側からの入り込みにもつながることが期待されることから、八幡平エリアの交通手段として定着化を図ってまいります。
花輪線の利用促進につきましては、盛岡方面の沿線住民から、秋田県側の花輪線沿線の観光スポットなどを知っていただき、花輪線の利用につなげるため、花輪線を利用したツアーを実施しております。去る7月26日、27日には、小坂町や小坂鉄道レールパークからも協力もいただき、「ブルートレインあけぼの」に宿泊するツアーを実施いたいました。さらに、9月8日には北限の桃狩りと大湯環状列石をめぐる日帰りツアーを、9月29日には八幡平山頂の草紅葉の鑑賞と後生掛温泉入浴をセットにしたツアーの実施を予定しております。これまで実施したツアーの参加者からは、好評を得ており、今回のツアー参加を機に、また花輪線に乗って旅行をしたいとの意見もいただいておりますので、引き続きツアーの充実を図り、花輪線利用と周遊観光を促進してまいります。また、8月1日から来年1月10日までの期間で、花輪線の車両や駅舎、風景を対象としたフォトコンテストを開催しており、入選作品は、ポスターに使用し、花輪線のPR活動、利用促進活動に活用していくこととしております。今後につきましても、花輪線利用促進協議会をはじめ、関係機関と連携した利用促進の取組みを進めてまいります。
ヘリテージ・ツーリズム推進事業につきましては、三湖伝説を核とした広域観光を推進するため、去る6月30日に、道の駅かづの「あんとらあ」で、潟上市の「八郎まつり」と仙北市の「たざわ湖・龍神まつり」から出演いただき、「花輪ばやし」のお囃子とのコラボイベントを開催いたしました。これまでのつながりによって実現した初めてのイベントを、多くの方から観覧いただくことができ、3つの祭りの関係者にとりましても、今後の連携を図る機会となったものと捉えております。
葛飾区四つ木地区との都市農村交流関係につきましては、今年は、都市農村交流事業の開始から40周年の節目の年を迎え、市内小学校の児童22人と引率5人が、7月26日から29日までの日程で、東京都葛飾区四つ木地区を訪問し、伝統産業である布バックの絵付け体験や鉛筆工場の見学のほか、盆踊りへの参加やスカイツリーの見学、よつぎ小学校児童との交流、ホームステイなどを体験させていただいております。また、よつぎ小学校の受入れについては、8月17日から20日までの日程で、児童20人と引率8人を受け入れ、かづの牛の放牧の見学、桃の収穫、トラクターやコンバインの乗車体験などの農業体験のほか、花輪ばやし子どもパレードへの参加や史跡尾去沢鉱山の見学など、本市ならではのさまざまな体験を通じて、本市に愛着を持っていただく機会になったものと考えております。
次に、商工関係についてでありますが、
燃料価格高騰対策事業につきましては、燃料価格高騰により厳しい経営環境に直面している市内物流事業者を支援するため、8月末までの期間で、「トラック運送燃料高騰対策支援金」支給事業を実施しており、10社162台に対し支援金を給付しております。
リモートワークの推進につきましては、NTT東日本株式会社が、本市で取り組んでいる「鹿角ワデュケーション」については、5月の第1回に続き、8月19日から22日まで第2回が実施され、社員など20人が本市を訪れました。今回は、リモートワークでの業務の傍ら、関係人口の創出に親和性の高い地域行事への参加による効果を実証するため、実際に花輪ばやしに参加し、NTT東日本の動画撮影部署が祭りを撮影し、SNSによる情報発信を行っております。そのほか、農業や自然エネルギー関連施設等の地域資源の活用を検討するための現地視察や、地域住民を交えた意見交流会を行っております。今後につきましては、2回のワデュケーションによる実証結果の取りまとめのほか、来年度以降に向けたテーマ設定などを行う予定と伺っており、引き続き、本プログラムを通じて関係人口の創出・拡大が図られるよう、関係者と協議してまいります。
「脱炭素行動事業者認定制度」につきましては、6月25日に、脱炭素につながる優れた取組みを実践された株式会社石川組、株式会社柳澤鉄工所、株式会社青山精工の三事業者を表彰しております。今回表彰した三事業者は、再エネ電気への切替えや省エネ設備への更新等に率先して取り組むなど、他の模範となる特徴的な取組みを実施されております。引き続き、こうした取組みを周知することで脱炭素行動の裾野を広げ、官民一体となって地球温暖化対策を進めてまいります。
かづのパワーにつきましては、このたび、秋田県が県内の小売電気事業者を対象に実施したプロポーザルにおいて、県営小和瀬発電所の売電候補者としてかづのパワーが選定されました。これにより、11月から最大出力8,800キロワットとかづのパワーにとって大きな規模の電気の供給を受けられることとなり、カーボンニュートラル達成に向けて前進するものと捉えております。
省エネ家電購入支援補助金につきましては、8月27日時点で、エアコン89件、冷蔵庫115件を対象に補助金の交付を決定し、脱炭素への取組みとともに、市内経済の活性化が図られているものと捉えております。今後につきましても、市民が身近に取り組める事業を展開し、カーボンニュートラル達成に向け取組みを進めてまいります。
次に、教育関係についてでありますが、
スポーツ大会につきましては、「浅利純子杯争奪第18回鹿角駅伝」については、7月27日に、花輪スキー場ローラースキーコースで開催し、青森県や岩手県からの参加を含む56チームが参加し、地元勢では、小学生女子の部で、花輪小学校が準優勝を飾りました。コース上の観客からの大きな声援を受けながら熱戦が展開され、この時期にしては気温が低く、選手には走りやすい環境となり、好記録が生まれたこともあり、大会は大いに盛り上がりました。第77回目を迎えた「十和田八幡平駅伝競走全国大会」については、8月7日に、男子13チーム、女子3チームが真夏の鹿角でタスキをつなぎました。男子の部は、本市出身の高橋健一氏が監督を務める東日本実業団陸上競技連盟が2年ぶりの優勝を飾り、同じく本市出身の松宮祐行(ゆうこう)氏が監督を務めた北陸実業団連盟が5位入賞を果たしております。また、2年ぶりの開催となりました女子の部は、昨年の全日本大学女子駅伝で8位となり、今年の大会のシード権を獲得された東北福祉大学から3チームが出場し、順位がめまぐるしく入れ替わるデットヒートが繰り広げられております。今後とも、伝統ある大会を盛会裏に開催できるよう、参加チームの増加に向け、大会のPRや誘致活動を展開してまいります。
次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、
一般会計については、市税還付金、児童手当給付事業、エネルギー利用効率化促進事業、橋りょう長寿命化対策事業の追加などを計上しております。
その結果、補正額は1億2,983万2千円の追加となり、補正後の予算総額は197億2,409万7千円となりました。
本定例会には、広域連合の規約変更に係る協議案件1件、条例案件1件、上水道事業剰余金処分案件1件、補正予算案件3件、決算認定案件2件、合わせて8件のご審議をお願いいたしております。
詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。
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総務課 行政班
〒018-5292 秋田県鹿角市花輪字荒田4番地1
電話:0186-30-0203 ファックス:0186-30-1122
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更新日:2024年08月30日